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82話 圧倒的な差

――ザンッ! 


 ナイフが落ちる同時に2番の人は両手で魔方陣を描き始めた。


「おお! 早い! 1番は魔方陣を描き始めてすらいないぞ!」

「描く速度では勝てないと判断したんだろう。一回目は様子見で回避に専念するんだろうな」


 モブキャラ達が何か色々考察しているな……。この後のネビアの行動を見たら一体どんな反応をするんだろうな……。


「ふっ! 早速一発目をお見舞いするぞ!」


~~ファイヤスピア! 


 ネビア目掛けて一本の[ファイヤスピア]が放たれた。するとネビアは掌を地面に向け、20個の[ライトペイント]で魔方陣を描いた。


――アースウォール


 ネビアの目の前に土壁が発生。ファイヤスピアはその壁にヒットし、消えてしまった。


――閃光脚

――アイススパイク


 そのまま[アースウォール]の影から閃光脚でダッシュし、2番の男の足元に[アイススパイク]の魔方陣を生成、そのまま放った。


「なっ……!」


 2番は[アイススパイク]で串刺しになってしまった。

 結界内はそのまま光り輝き、リセットされた。


「えー……勝者1番!」


 見ていた全員が唖然としている。何が起こったのかまるで理解が出来ていないようだ。


「流石ネビア。スマートな勝ち方をしたね!」

「遠距離操作で撃ちすぎると理解が出来ないかも知れないから、近距離で撃ちましたよちゃんと!」

「いや、今のも全然理解できてないっぽいけどな……」

「まぁいいんですよ。遠慮なんかする必要な無いですし」


「続いて、1番と3番!」


 次の試合が淡々と始まる。5番は人族ではなく、エルフ族のようだ。また戦い方が違うかもしれないな……。


「では構えて!」


 エルフとネビアが構える。そしてナイフは投げられた。


――ザシュッ


~~アイススピア! 


 エルフは開幕で魔法を撃って来た。どういうことだ……? 魔方陣すら見えなかったが……。

 不意を突かれた形になったが、ネビアは何とか回避をした。


「あのエルフ……。まだ若いのにもう刻印を持っているな……」

「刻印ってなんだ?」


 気になる単語が出てきたので、俺はそいつに話しかけた。


「エルフ族にしか出来ない儀式があってな。刻印の儀と言うんだが……。簡単に言うと、自分の適性の魔方陣を身体に一つ刻む事ができるんだよ。そして、その魔法だけは無詠唱で即時に発動できる。その刻印した魔方陣が反応するからね」

「ほえー。エルフ族はそんな事が出来るんだね……」

「持って生まれた魔力の高さと魔力に愛されている種族だからこそ出来る技だね。人族が魔方陣を刻印なんてすると、そこから焼けて、死んでしまうらしいぞ」

「うわ、まじか……。興味あったけど、怖すぎるっ」


 エルフは結構な勢いで[アイススピア]を放っている。完全無詠唱ってのはやはり強いな……。


――アースウォール! 


 ネビアが動いた。[アースウォール]を自身の足元に発動し、ネビアはそれに乗って上に移動した。


――ウインドスピアx3


 そのまま上から3本の[ウインドスピア]を放った。が、エルフをそれを華麗に避けた。身のこなしは中々の物らしい。


「なんてレベルの戦いだ……にしてもヒトである1番もほぼ無詠唱にみえる……。どうなってるんだよ……」

「てかエルフの奴、よく避けられたなあれ……」

「エルフは魔力感知にも優れているからね……。魔法の軌道がなんとなく読めるらしいよ。魔法に関しては頭一つ飛びぬけているよ。エルフ族は……!」


 そうなんだな……。どうせならエルフ族に生まれたかったな。


「ただ、剣術に関してはまったくダメだ。筋肉が全然足りてないね!」


 前言撤回。ヒト族でよかった! 


「初撃でやれなかった……!」


 エルフはかなり焦っている。言わば不意をついた最初の攻撃、ここで決めたかったのは間違い無いだろう。次からは警戒されてしまう。次の試合を含めてな。本当に誰にも見られていないここが1番重要だったんだろう。相手がネビアじゃ無かったら当たってただろうが、運が悪いね……!

 今の所、エルフはアイススピアしか使用していない。即時発動に勝るものは無いって感じか。


「後ろがガラ空きです!」


 ドーン! と音がして、エルフは背中から爆発した。ファイヤエクスプロージョンを背中に描いて爆発させたのだろう。てか、結局遠距離で使ってるし! 

 そのまま結界は光り輝き、リセットされた。


「なにいまの……!」

「勝者! 1番!」

「納得いかない! どうやったの今の!」


 エルフが怒っている。まぁ無理もないか……。ネビア説明しちゃってもいいんじゃないかな? 


「……こうやったんです」


 ライトペイントを飛ばして魔方陣を描き、遠距離でバーンファイヤをやって見せた。


「嘘……遠距離で魔方陣を描くなんて聞いたこともないわ……!」

「とにかく! 不正とかでは無いですからね」

「くっ……」


 そういって、お互い結界内から降りて行った。


「お疲れネビア」

「はい……」

「どうした? 元気がないぞ!」

「学園、通う意味ありますかね……?」

「まぁ、周りは同じ受験生だぜ? めっちゃ強い先生とか居るかもしれないし、期待はしておこうよ!」

「そうですね……。知識は間違いなくつくし、僕たちはレッドに会わないといけませんし……頑張りましょう!」

「うんうん」


 そんな会話をしつつ、ネビアは残りの試合を含め、全て行い、全勝。試合内容も遠距離魔方陣を遠慮なく使い始めた瞬間、一方的な展開で、速攻終わった。

 ゼブ対ネビアの方が見ごたえはあったなあ……。

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