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79話 1戦目決着!

「では、それぞれ線の前に立って下さい」


 それぞれ武器を構え戦闘準備に入った。改め、貴族を見た。黒鋼鉄装備か……。正直どれ程硬いのか分からない。トリガーを持っているのなら見てみたいが、盾を構えているだけで右手には何も持っていない。鎧の脇にでも隠しているのだろうか。

 とりあえず今回は何を言われようと鉄の剣でいくと決めた。上手く闘気を限界まで込めれば硬くはなるからな! 


「では、この剣を投げますので、地面に刺さった瞬間スタートです。いいですね?」

「了解だ」

「ひっひ。いつでもおっけーだ」


 そうして試験官が剣を投げた。刺さった瞬間速攻動こうと思った瞬間……。


~~バンッ! 


「は?」


 どう考えても剣が地面に刺さる前に一発ぶち込んできやがった。フライングじゃねーか! ……しかし試験官は何も言わない。くそっこいつもグルかよ……。

 結構な衝撃が俺の胸に刺さり、後ろへ少し吹き飛ばされ倒れた。なんというか細い棒で思いっきり突かれたような痛さだ。魔装魂張ってなかったら結構やばかったかもな。


「はっは! 俺の勝ちだろ! 雑魚が!」


 そう吠えている貴族を前に俺はばっと立ち上がり、改めて武器を構えた。流石にこれは切れちまいそうだ……! 


「は……? あれを受けて何で立ってきてるんだよ!」


 そういいながらトリガーを乱射してきた。あのくらいの雑魚でも結構撃ち込める代物のようだな。

 が、しかし! さっきより、魔装魂に闘気を込めたお陰で全く痛くない。むしろ肩こりが良くなりそうなくらいの衝撃だ。それを浴びながら俺はゆっくりと貴族に近づいていった。


「おい……! おい! なんでダメージが無いんだよ!」


~~カチッカチッ


 乱射が止まった。どうやら弾切れのようだ。


「くそ、だが! この鎧を着ている以上俺には傷はつけれない! ひっひっひ!」


――魔装・一閃


「魔装・一閃!? そんなもんで多少強化されても鉄の剣じゃこの盾に傷は……」


――ザシュッ


 その黒鋼鉄でできたと言う盾は真っ二つになり。そのまま地面にガシャンと落ちた。


「は……?」


――魔装・剣舞8連


 俺はそのまま立て続けに剣舞を放ち、鎧だけを破壊するように切り刻んだ。


「は! 全く痛くねえ! やはり黒鋼鉄には傷つけられないようだな!」


――バラバラ……ガシャン。


 そんな音を立てながら鎧は全て剥がれ落ち、シャツとパンツの状態の貴族が立っている。


「はあああ!?」


 原型を留めず、バラバラにされた鎧を見て貴族は叫んだ。


「おいおい、あの少年……。黒鋼鉄を紙の様に切り刻みやがった……」


「どうする? 降参するか?」

「馬鹿にするな! お前が時間を掛けている間にトリガーのチャージが出来た! この一発でぶっ殺してやる!」


――閃光脚! 


 貴族がトリガーを引こうとした瞬間、閃光脚で近づき、トリガーを奪い取った。


「それってこれの事か?」

「あ!? あれ!?」

「闘気を溜めてここを引いて放つのか」

「お、おい……! やめろ……!」


 俺は思いっきりそのトリガーに闘気を込めた。するとトリガーは物凄く光り輝き熱くなり始めた。


「えいっ」


 そういって引き金を引くと、物凄い衝撃が腕に走り、明らかに目に見える巨大な赤いエネルギー弾が射出され、貴族にぶち当たった。

 その際にトリガーは銃身が広がりボロボロ、エネルギー弾が貴族に着弾した瞬間物凄い衝撃と音でそれが止んだと思ったら、貴族の姿が跡形も無かった。

 それを確認できたところで真っ白に光り輝き、俺と貴族は二人で突っ立っていた。


「ひいいいい! こわいいい!」


 貴族ははっとなり、がくがくと震えている。


「完全に跡形も無く死んだ気分はどうだった?」

「いやだあああああ! もうしにたくないいいい!」

「兄さん! どうしたでやんすか! しっかりするでやんす!」


 予想以上にひどい事になっちまったな……。跡形も無くなる体験なんて、一度も味わった事がないんだろうしな……。


「おい! よくも兄さんを……! 許さないでやんす!」

「許さないってなんだよ。試験なんだから仕方ないだろう……。散々煽ってこの程度かよ。君にも同じようにお仕置きしてあげるよ」

「く……! 絶対にぶっ殺すでやんす……!」

「ごほん。では第1試合は1番の勝ちです。このまま次の抽選を始めます。場合によっては連続で戦う事もありますから、準備をして下さい」


 そういうと試験官が抽選を始めた。皆がそちらに注目している時……。


~~バン!


「は……?」

「はっはっは! ざまあみろでやんす!」

 

 ぽっちゃり貴族はあろう事か俺の鉄の剣に向かってトリガーを撃った。闘気も何も溜めていないからすんなりとバラバラに折れてしまった。


「おい試験官! 場外で武器破壊とかルール違反じゃないのか!」


 剣士が声を上げた。


「申し訳御座いませんが、見ておりませんでしたので、なんとも……。番号を引きました。1番と2番です。5分以内に準備を行い、結界に入って下さい」

「あんな大きな音で見ていなかったとか……。馬鹿にするなよ……!」

「待って! 有難う。大丈夫だよ。あまり事を大きくすると貴方が失格になってしまうかもしれない」

「いやでもよ……! 鉄の剣もバラバラだし、後5分て支給装備も取りにいけないぞ! どうするんだよ!」

「うん、大丈夫。実はもう一本あるんだ。使いたくは無かったんだけど……」


 そういって、俺は少し角に隠れ、デバシーからシャドウノヴァを取り出した。鉄の剣だけでいく予定だったのによ……あいつ絶対ゆるさねえ……!

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