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78話 試合準備

「お、また会ったな少年!」

「こんにちは! あの後間違えずにカードバトルできたんだね!」

「おうよ。そんなミスは流石にしない! 所で俺らの相手……あの貴族二人は厄介だな……」


 こんな悠長に会話をしているのは、俺達の番が後半だからだ。10面のコートを5面づつ、剣と魔で使っている状況で、それぞれ50名づつ居るから、前半と後半に分かれている。


「そうなのか……?」

「ああ、貴族の奴らってとにかく装備が良いんだよ……。そのお陰で能力以上に強い奴ばかりだ。最近は飛び道具なんかも増えて来ててな……。それを持っていたら最悪だよ本当に」

「飛び道具があるのか? 投げるナイフとかそういう類の物か? というか飛び道具も使っていいのかよ!」

「おいおい、一気に聞きすぎだ。まぁでも飛び道具はオッケーだし、ナイフを投げるわけでもねえ」

「じゃぁ何なんだ?」

「トリガーっていう、古代魔装具と呼ばれる物だ」

「トリガー……」

「そうだ。トリガーの先端には穴が開いていて、自身の魔力か闘気をトリガーに溜めて、引き金を引くと弾が飛び出すんだ」

「ほう……」


 ふむ……完全に銃じゃねえか。まさかこの世界にもあるとはな。まぁ、鉛を飛ばすわけではなく、自身の力を飛ばすのか。俺の居た世界の物とは似て非なる物だな。ただ、そんな物が古代の兵器ってのが気になるな。もし1丁手に入ったら、神冶博士に渡してみるか……。


「威力も大したもんでよ……。シャドウなら2~3発、ハイシャドウでも10~20発位ぶち込めば倒せるんだとよ。下級の剣士不要になっちまうよこれじゃあな……」

「なるほどな……。あいつら、すげえ自信があるようだったから多分持ってるだろうな。ありがとう。突然撃たれるって事はこれでなくなったよ」

「へっまぁさっきは世話になったしいいって。ここもわざと負けてくれたら嬉しいんだけどなー!」

「悪いがそれはできない。全力で行かせて頂く」

「ちぇ、まぁ分かってたけどよ! お、前半が全て終わりそうだぜ」


 なんだと! こいつと話していたせいで殆ど前半戦を見ていない……。でもかなり貴重な情報を頂けた気がするからよしとするか。


「では後半の者、20分後に試合を始める! それまでに各コートに集まる事!」


 20分か。とりあえず瞑想でもしておくか。俺はコートの近くで瞑想をし、開始時間を待つことにした。


・・・


「……よし」


 俺は立ち上がり、集合場所へとやってきた。


「では、こちらのカードを引いて下さい」


 言われるがまま、カードを引くと1番の数字が書いていた。


「ひっひ! この装備でお前をぐちゃくちゃにしてやるよお!」


 目の前には全身鎧と盾を持った、貴族二人がやってきた。


「うわ……すごい着込んでるね。動きづらくない?」

「は! お前如き、動く必要も無いんだよ! この鎧があればな!」

「そうでやんす! カードレベル1如きの強さじゃ傷すらつけられないでやんす!」


 ……ふむ。どうやら俺の事をカード1を貰った奴だと勘違いしているようだな。まぁ10のカードは結果的に見せてないし、当然か。


「おい少年、やべえぞあいつらの装備!」

「そうなのか……?」

「ああ……あれは全身黒鋼鉄の装備だ……! とてつもなく硬いぞ!」

「ふむ……聞いたことの無い素材だな」

「そうだろうな。あまり一般的なとこには出回らないからな。君の鉄の剣……。鉄がDランク素材と言われてて、あの黒鋼鉄は、Bランク素材だ。超高級素材なだけあって、硬度も半端無い! 鉄の剣は勿論、俺のこの鋼鉄の剣でもかすり傷程度しかつかないかもしれない……」

「かなり硬いんだな」

「まじで今年は運が悪いぜ……。あんな高級装備持ってる貴族二人が同じブロックなんてよ……」

「今年はって事は何度か受けてるのか?」

「ああ、今年で4回目だ。今度こそは受かりたかったが、厳しそうだな……」

「ちなみにあの装備が無ければ勝てそうな相手なのか?」

「そうだな……。ほぼ勝てるだろう。あいつら自体はそこまで大した事無さそうだしな」

「そうか」


「では第1試合! 先程のカードの番号がこのボックスに入っている! 試験官の私が2枚引くので、番号を呼ばれたら結界の中に入る事!」


「ひっひっひ……」


「1番と、3番!」

「お、俺か」

「はっはー! この俺と早速試合だ! 無様にぶっ殺されろ!」


「おい、少年。大怪我しないように気をつけろよ……!」

「ああ! ありがとう!」


 そういう訳で早速、俺と細見貴族の試合だ。最初に貴族と当たることができてラッキーだな。

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