69話 パーティ加入!
「と言う訳なんですけど、アルネさんどうでしょうか」
俺達はリッタとオリアを連れて、アルネさんの居る所へ戻り、事の顛末を話した。
「それは大変じゃったな二人とも。そういう詐欺を行うパーティは稀に居たりするんじゃよ……。大体報告が上がってパーティ解体命令が出るんじゃが、解体後にリーダーを変えてパーティを作り直したりして、上手く騙してる奴が居るんじゃ。そういう意味では知らない初級パーティに入るのは結構博打じゃ。判断材料として、個人貢献度とパーティ貢献度にかなり差があった場合は怪しかったりするのう。パーティを解散しても個人貢献度だけは蓄積していくからのう」
「なるほど……。総合貢献度が異常に低くて個人貢献度が高ければ要注意って事ですね……」
「許せない奴らだな……!」
「とにかく! 加入していただけるならありがたい! 大歓迎じゃよ! うちのパーティは基本フリーじゃから個々で好きに依頼を受けてもらって構わないし、きつければ皆で依頼をやってくれたら嬉しいのう」
「わかりましたにゃ! 宜しくお願いしますにゃ!」
「ありがとうにゃー!」
二人は抱き合って喜んでいる。普通に強いから依頼を受けられるようになったらしっかりと稼いでくるだろう……。
「フィアンさん、ネビアさん! 本当に有難う御座いました! これからも宜しくお願いしますにゃ!」
「よろしくにゃ!」
「さて……ではこのまま登録するぞ!」
二人の冒険者カードを作成し、冒険者ギルドにてそのまま正式加入の手続きをした。
「これで手続きは完了です。そして、アルネ隊のメンバーが5名以上になった為、パーティ権限が上昇します。冒険者ギルドのメッセージ機能を使用する事ができるようになりました」
「お、そういえばそうじゃったな。便利じゃのう」
「なんですかそれは?」
「はい。パーティメンバーが増えてくると、バラバラで活動する事は多いかと思います。遠くのもの同士で連絡を取る際に、冒険者ギルドにてメッセージをお預かりいたします。顔を出していただいた際に、メッセージが届いておりましたら、全国どこの冒険者ギルドでもお伝えする事ができます。こちらはメッセージを送って翌日には到着するので、迅速に連絡を行う事ができるという機能です」
「おおー、それは便利ですね!」
まぁデバシーがあるから、あまり凄いとは思えないけど、そういった通信手段があるとは思ってなかったから驚いた。念話の書を用いて、ついでにメッセージを送ったりするのかな? とにかく連絡できる手段があるのはいい事だ。活用させて頂こう!
「あ、そういえばフィアンと、ネビア! これを渡すのを忘れていた!」
そういうとアルネさんは2枚紙を取り出し、それぞれに手渡した。
「推薦状じゃ。これが無いと試験がうけれん! うっかりしとったわい!」
「え! 危ないなあ! 今こっちに来て良かったよ……」
「そういえば、リッタとオリアも試験受けるんだよね? 正規の方法で受けるんですか?」
「リッタ達も推薦状で受けるにゃ。一族から毎年2通特別推薦状を出してもらえるんだけど、今年はリッタとオリアで2枚貰ったにゃ」
バッグから丸めた推薦状を取り出し、開いて見せてくれた。俺らの奴と少し体裁が違う、特別感のある推薦状だった。
「へー。色々受ける方法はあるんだなー」
「ところで! 皆はこれから暇だったりせんか?」
「ん、俺らはまぁ大丈夫だよな?」
「オリア達も早速依頼を受けようと思ってたくらいで予定はないですにゃ」
「では、丁度いい! 実は5人以上で上級パーティ以上しか受けられない依頼があってのう。報酬が結構いいからよかったら一緒にやってくれんか?」
「おお、やろうやろう!」
満場一致で快諾し、そのまま依頼を受けることになった。
「おお、助かるぞ! 依頼内容はこれじゃ!」
~依頼内容~
中央都市南部にある岩山の陰にできたシャドウホール型ダンジョンの捜索し、消滅させて欲しい。
できなくとも内部情報をマッピングし、少しでも情報を持ち帰って欲しい。
「シャドウホール型ダンジョン……?」
「ああ、シャドウホール型ダンジョンは触れるとどこかへ飛ばされるダンジョンなんじゃ。シャドウホールはダンジョンへのゲートとなっており、ダンジョンの構造は想像がつかない。洞窟型のダンジョンなら入っても洞窟じゃからある程度想像つくじゃろ?」
「確かに。じゃあシャドウディメンションのように、飛ばされてそこをクリアしないとダメなんだな……」
「そうじゃ! シャドウホール型はかなり厄介で、放置してるとシャドウがそこから沸いて危ないんじゃ。街の近くともなれば早急に対処したい所じゃろうな」
「踏破すれば、沸かなくなるんですね?」
「うむ。踏破すればシャドウホール自体が消滅するからのう」
「え! じゃあ帰れにゃいのか!」
「物凄く危険そうな依頼ですにゃ……」
「その点は安心せい! 何度も入った事があるが、最下層のボスを倒せば少し時間が経つと、元の場所に吐き出されるんじゃ。不思議なもんじゃのう……」
「にゃ! それなら安心にゃ!」
「まぁ今まで大丈夫だったからといって、次が大丈夫とは限らんけどのう!」
「にゃぁ~……」
「はっはっは!」
アルネさんはちょいちょいリッタをおちょくるのが楽しいようだ。あまりやりすぎたら止めようか……! 見てる分には可愛くて良いけども!
「んじゃあ準備が出来たらいくぞ! 上級以上の依頼を受けた場合、冒険者ギルドの地下にある、超高速移動装置が使えるからそれに乗って南部へ行くぞ!」
「な、なんですかそれ! 馬車以外にも移動手段が……!」
「こいつに乗れば街の端まで10分も掛からん! が……吐くんじゃないぞ……?」
どういうことだ? ジェットコースターみたいな感じか? そんな物がこの世にあるというのか……。とりあえず食糧や、ヒーリング触媒紙など、準備を行い地下へと向かうことにした。
・・・
「おおお……何だこれ、凄いな……」
連れてこられたのは螺旋階段を降りていき、大きな鉄の扉を開けた先の空間だった。その場所は綺麗な円型の空間になっており、東西南北にそれぞれ円柱のような機械が置かれている。その円柱機械の先には、その形に合わせて掘られたトンネルが続いている。円柱の機械をよく見ると、均等に三箇所、ボブスレーについているような鉄板が付いており、それがピッタリとトンネルのレール上にはまっている。
レールに鉄板がセットされ、移動するんだろうなと想像は出来たが、肝心の動力源は何になるのかまったく想像がつかない。ただ、フォルムだけは何となく近未来的な感じだ……。とりあえず言われるがままに皆でその筒に乗り込んだ。座る場所にはシートベルトの様な紐が付いておりそれを装着し、待機した。さて、どうやって動くのか非常に楽しみだ……。




