67話 vs獣人 決着!
「さて、隙が無いな」
「ですね……」
さっきの2人とは思えない程の隙の無さだ。もっともこちらも隙を作っているつもりは無い。故に膠着状態となってしまった。起点はやはりネビアの魔法だが……どうするか。
「にゃ……! ユニオン状態で攻めきれないとはなんという事にゃ! 時間がにゃい……!」
一方、リッタ、オリア2人(合体名:オリッタ)も驚いていた。普段ならこの状態になれば、最初の2撃で大体決まっていた。時間制限があるから速攻で片をつけなければならないのに、決めきる事ができなかった。そして今、攻めきる事もできていない。
~~閃光脚!
動きだしたのは時間制限のある、オリッタだった。
(フィアン)――ソード・カルテット!
(ネビア)――アースウォール!
動き始めたと同時にソードカルテットを展開、真っ直ぐ突っ込んでくるオリッタに対してはアースウォールで迎え撃った。
しかしアースウォールは粉砕され、そのまま突っ込んできた……が!
(ネビア)――サンドバレット x3
そのまま突っ込んできたオリッタにサンドバレットをぶち込み、目潰しをした。
「にゃ!」
(フィアン)――ブレードブラスト!
一瞬怯んだ隙に俺はブレードブラストを放ち、4本の剣を突き刺した。
「かはっ……!」
4本が完全に突き刺さっているのが視認出来たところで、結界内は光り輝いた。
「負けたにゃ……」
「良い勝負だったよ」
「にゃ……!」
オリッタはそのまま倒れこみ合体が解けて二人に戻ったが、そのままピクリとも動かない。
「おい! 大丈夫か?」
ツンツン触っても反応がない。どうやら、気絶してしまったようだ……。
「気絶しちゃったな……」
「このままにしとくわけにも行けないし、一度宿に連れて帰るか……」
ざわつく観戦者はスルーし、2人をそれぞれ抱きかかえ、一旦宿に戻ることにした。
・・・
宿に戻ると、とりあえずそれぞれのベッドに寝かす事にした。
「結局もうお昼くらいになっちゃいましたね……」
「そうだな……。いつ目を覚ますんだろうな」
「にしても、まさか合体するとは思いませんでしたよ。これ……僕らの合体のヒントになりそうじゃないですか?」
「それ思ってた! とりあえず従者にするとか色々脅かしたけど、合体について教えてもらうって事で対価としようか」
「そうですね! それで僕らも出来る様になるのであれば、かなり大きな収穫ですよ!」
「とりあえず飯……食うか。部屋にも運んでもらえるらしいから今日は運んでもらおうか」
獣人2人だけで部屋に置いとくのも色々怖いので、御飯を部屋まで持ってきてもらい、食べる事にした。
「おお……。良い匂いだな……!」
「ですね! では頂きましょう!」
そういった瞬間寝ている部屋からガタガタと音がして2人が飛びついてきた。
「飯にゃーーー!」
「は?!」
飛んできた二人の頭を抑えて止めると、そのまま床に転げ落ちた。
「やっと起きたか2人とも」
「あれ……ここはどこかにゃ……?」
「俺達の宿屋だよ。気絶してるままで放置も何か後味悪かったからね」
「それは、ありがとうございます……にゃ」
そんな会話中もずーっとお腹の音がして、飯を見つめている。
「……はぁ、2食追加しましょうか」
「そうだな。2人とも、これ食っていいよ!」
「にゃ! 神様! 神様にゃ!」
そういうと一心不乱に目の前の飯にがっつき始めた。
「フィアンさん! 甘やかしてはダメですよ!」
「ルーネ……!」
「にゃんだこのちんちくりんは」
「ちんちくりんじゃないです! まったく……フィアンさん早くこの猫捨ててきましょう!」
「にゃ!? じ……冗談だにゃ……!」
「ルーネ、このにゃんこ達には合体の事を聞かないと……だから、まだ居てもらわないとね?」
「……分かってますよっ」
ルーネが少し不機嫌だ。何故だろうか……乙女心はよく分からん!
「まぁと言う訳でざっくり用件を言うね」
「にゃ、従者になるんだにゃ……痛くしないで欲しいにゃ……」
「いや、痛くって何の話だよ……。とりあえず従者ってのは無しでいいよ! 代わりに君達の使っていた、合体技について詳しく教えて欲しい。これが従者の代わりの条件だよ。どうだい?」
「それだけでいいのかにゃ……?」
「うん。代わりにちゃーんと詳しく教えてね?」
「わかったにゃ! そういう説明はオリアが得意にゃ」
「了解。とりあえず御飯を食べてしまおうか。俺らのも来たみたいだし」
そうして昼食を取り、机を片付けたところでまずは話を聞くことにした。
「こほん。では説明致しますにゃ」
「初めに言っておきますけど、この合体……[ユニオン・ビースト]は、獣人族しか使えない技です。ですので、人族の貴方達に何か参考になるとは思えないです……にゃ」
「そうなんですね……。でも聞いておきたいんですよ。実は僕達、一度合体したことがあって、出来たのはその一度だけ……。方法は手探りで探してたんだけど、全く見当もつかなくてね。それで少しでも近い技があれば聞いておきたいんですよ」
「にゃ! 人族で合体が出来るなんて聞いた事もないですにゃ……。凄い人たちですにゃぁ……」
オリアは驚きつつも、説明を始めてくれた。
「では、改めてご説明いたしますにゃ」




