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40話 マッピング!

「さーて、俺は何しようかな……」


 ネビアは複合魔法の練習、神冶さんはメテオの研究で忙しい。俺は何をしようかな……いつもの二人で集まってた森の場所で寝転びながら考えていた。


「フィアンさん今日はのんびりお休みですね!」

「お、ルーネ! おいでおいで。一緒にごろごろしよう!」

「ええっ! でも……はい、します……!」


 そういうとルーネは俺の横に来て寝転がった。


「たまにはこういうのんびりもいいですね~」

「そうだな。ネビアは頑張っているんだけどな……!」

「まぁいいじゃないですかっ!」

「剣術って新しい技を生み出すのももちろん大事だけど、その技の熟練度が重要だよな。魔法は色んな魔法を覚えて適切なタイミングで発動って感じだけど、剣は同じ技でも少し角度が違うだけで相当威力が変わる……結構シビアだよな……技を覚えたらその型での素振りと、実戦が重要よな。と言っても素振りは毎日やってるけどな! 実戦経験が乏しいっ!」

「そうですねー。魔法は魔方陣をしっかり覚えるのが重要ですけど、剣術はまた違う難しさがありますもんね……。感覚で覚えていく感じですねっ! でも大丈夫! フィアンさんならすぐに上達しますよ! ルーネもお手伝いしますし!」

「ありがとうルーネ!」


 そういいながら俺はルーネを抱きしめた。相変わらずいい匂いだ……。


「あっ……フィアンさん……」


 ルーネも嫌がることなくぎゅっと抱きしめるのに付き合ってくれた。たまに無性に人肌が恋しくなるからこうやってぎゅーっとしてもらおう……。

 人肌と言うかこの場合精霊肌になるのかな? 少しの間ルーネの暖かさを堪能したあと、俺はやることを思いついた。


「よし! この辺の森でまだ探索してないところ行ってみるか。マッピングしながらね!」


 俺はデバシーを取り出し、エリアスキャンモードに切り替えた。


「そのへんな機械をまた使うんですね。行かなくとも5km以内なら立体マップが生成されるんじゃなかったんですか?」

「そうなんだけど、色とか全くついてない大雑把なものなんだ。ところが、このスキャンモードにしながら移動すると、周囲1kmに範囲は狭くなってしまう代わりに、より正確なマッピングがされるんだ。ほら見てみて!」


 そういうとルーネにタブレットを見せて、今居る所が鮮明にマッピングされているのを見せた。


「ほえー。便利なものですねー」

「移動が早すぎるとスキャンが追いつかないから確認しつつ歩いて散策しようか」


 ダンジョンに一人で入るのは流石に怖いけど、森の散策ででるシャドウならほぼ大丈夫だろう。もしダンジョンを見つけても入らず、場所だけはピンを立てる程度に抑えよう……。

 いつも家の裏手側から出てたけどまずは正面側からまっすぐ行って見る事にしよう。


「ただい……」


 一回家に帰って準備してから行こうと思ったが、扉を開けた瞬間ティタの甘い声がきこえてきたのでそのまま静かに出ることにした。


「いやー、部屋の扉はちゃんと閉めてほしいよな……かばん置いてるところに行くにはあの前を通らないといけないのに……」

「フィ、フィアンさん得意のシャドウウォークでいけば良かったんじゃないですか……?」

「そう思ったんだけど、かばん取る時には絶対音は鳴っちゃうからね。相手が警戒したら効果は薄くなっちゃうからね……万が一ばれたら凄く気まずいだろ!」

「というか、人間は結構な頻度であの行為を行うんですね……」

「精霊はそんなにしないのか? というかそもそもするの?」

「精霊もしますよ! 私はまだした事無いですけど……ただ、3ヶ月に一回、決まったタイミングでしか子供はできないのでそれ以外ではする意味が……」


 真顔でそう続けた後ルーネがはっとして、顔を真っ赤にした。


「なっなに聞いてるんですか! 女の子に、そんな……エッチなことは聞いちゃダメなんですよ……!」

「ああ、ごめんよ。ルーネ、顔真っ赤になってるね、可愛いなあ」


 俺はそういいながら真っ赤になったほっぺをぷにぷにした。


「な、なにやってるんですか……! ほら! マッピングしますよ!」


 ルーネはそそくさと移動し始めたのだった。てか、エッチなことって認識はあるのか……なんか、燃えてきた! 


・・・


「それにしても、シャドウはもちろんだけど、憑依型って割とうろうろしてるんだな……」

「そうですねー。憑依型のまま増殖もできるし、場所によっては憑依されてる動物の方が遥かに多かったりしますね……」

「所で、生物って死んだら魂片になって消滅するって聞いてたんだけど、シャドウラビットとかは亡骸が残るんだね……」

「そうですよ! 憑依された動物は死んだ際に憑依していたシャドウが代わりに消滅して、器となった動物はそこに残されてしまうんです……」

「そうだったのか……中々奥が深い世界だなー」

「ていうかフィアンさんが普段食べてる肉は、全部シャドウに取り付かれた動物の肉ですよ?」

「ええ!? そういえばなんの疑問も持ってなかったけど、普通の動物は消滅するからそりゃそうか。てことはこのシャドウラビットも食えるのか……! ちょっと腹ごしらえだな!」


 早速バーンファイヤで焚き火を組み、シャドウラビットを二匹丸焼きにした。


「すっげえ上手そうな匂いだな……!」


 基本的に家の食事では肉は殆ど出てこなくて、野菜・穀物類が中心だった。肉と言えば干し肉しか食ったことが無いのだ。

 亡骸も長期間置いていると消滅してしまうことから、この新鮮な状態では保管が出来ないんだろうな……。


「フィアンさん! 早速食べましょう!」

「そうだな! 頂きます!」


 てか、精霊って雑食なんだな……そんな事を思いながら肉に食らいついた。めちゃくちゃ美味い……。

 凄い柔らかいけど、弾力があって噛み千切るように食べなければならないが、噛めば噛むほど味が出てくる。

 ホルモンに近い食感かな……? これは癖になるな。新鮮な肉が食えるのは冒険者の特権ってやつかな? まだ冒険者じゃないけど……。


「ふー、美味かった! シャドウラビット以外の肉も食ってみたいな!」

「そうですね! その時もルーネの分、お願いしますね!」

「さてと、じゃぁまた探索するかー」


 そういって俺達はマッピングしながら探索を続けた。

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