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37話 入学までにできる事。

「おはよう、ネビア」

「おはようございます。フィアン」


 女神に呼ばれて助言を聞いたときは毎回起きた時にどっと疲れる。時間的には一瞬のはずなんだけど、精神的な疲れだろうか……。


「とにかく試練は入学してからじゃないと何も始まらないな……。まだ結構時間があるよな」

「そうですね……。とにかく、私は神冶さんに複合魔法の基礎的な部分だけでも聞いておきたいですね」

「よし、じゃあ神冶さん所へ行こう! 俺もついていくよ。複合魔法は俺も興味あるし、剣術の方にも何か応用できるかもしれないしな!」


 とにかくまずは朝食だ! テーブルにつき、パンとスープを食べることにした。相変わらず美味しかった。


「母さん! 今日は神冶さんの所へ行ってくるね!」

「あら! 貴方達も行くのね……」

「え……? そういえば父さんは?」

「父さんならもっと早くに出て神冶さん所へ行っちゃったわ! 私を置いてね!」

「へ、へぇ……。じゃぁ俺達も行って来るね!」

「二人も私を置いていくのね……」


 母さんが何か言った気がしたけど、さらっとスルーして神冶さんの所へ行くことにした。


・・・


「到着ー!」

「もう余裕でここまでは来れますね!」

「そりゃ、道中の雑魚シャドウはネビアがさっと倒してくれるお陰で、俺は走るだけでいいからね!」


 俺達はそのまま台座の裏へと行き、神冶さんの研究所へと入った。


「お邪魔しますー」

「おお! ネビアとフィアンも来たのかい」

「ほっほ。よくきた! こんなおっさんにわざわざ会いに来てくれるなんて嬉しいのう!」

「うん! 神冶さんに複合魔法の事を教えていただきたくて……」

「ほう! なら丁度良かったわい! これからその辺をゼブに教えようと思ってたんじゃ!」

「え! 父さんも複合魔法を?」

「そうなんだ。父さんが研究してる魔法、空間魔法なんだけど……。突き詰めたら複合魔法みたいなんだ」

「それが実現したら、わしも遠くへ行ける様になるからのう! こうしてその研究を手伝っておるんじゃ! わしは独学で魔法を調べておったから、かなり有意義な勉強になったぞい」

「その枠に囚われない独学のおかげでこうして空間魔法の研究もぐっと進めれそうですし、本当に神冶さんには感謝しかありませんよ」

「よし、そういうわけでネビア、フィアン、君達にも複合魔法の事を教えてやってもいいんじゃが……。もちろん! ただとはいかんのう」

「ゼブはわしの研究にも大きなメリットがあるから手伝っておるが、君達に教えてわしに何かメリットはあるかの? この世の中はギブアンドテイクが基本じゃよ!」


 神冶さんはそんな事を言ってきたが、至極当たり前のことである。学校だってお金が出るから教えを請うことが出来るし、何かをしてもらうなら対価と言うものは必然的に必要だ。

 ついでだからいいだろって思ってしまうが、それだと質問などには何も答えてくれないだろう……。メリットか、俺達には一体神冶さんにどんなメリットを提示できるだろうか……。


「神冶さん! 魔法の研究はこれからも続けていくんですよね?」

「もちろんじゃ! 魔法を理解することはこの世の仕組みを理解するようなもんじゃ! 非常に重要なプロセスじゃよ」

「ではメリットはあります。勝手にですが、複合魔法や属性の研究資料を見させてもらいました。全部は見れてないので、見てない部分にあるのかもしれませんが……。神冶さん、四大属性の研究は結構進んでますけど、光と闇はあまり進んでないんじゃないですか?」

「その通りじゃ。わしはナノマシンを介して、外の情報は都度仕入れておったんじゃが、君の言うとおり、四大元素の事は調べる事が出来た。だが、光属性はラインペイントとか照明系の魔法程度、闇魔法については殆ど何も情報としては手に入れることは出来なかったんじゃ」

「僕は闇属性、フィアンは光属性に特化してます。光と闇属性の研究をする際は僕達がお手伝いしますよ! それでいかがでしょうか」


 ネビアナイスだ! 光と闇の属性研究が進めば俺達も得だし……。いや、俺達得しかしてないけどいいのかな? 


「ふむ、超おっけーじゃよ! 君達にはメリットしかない点で少し迷ったが、よく考えたらわしもほぼメリットしかないわい!」

「おお! 神冶さん有難う御座います!」

「よし! じゃあ早速複合魔法の基本的な所を説明するぞい!」


 俺達はその場で座り、神冶さんの授業を聞くこととなった。この先、俺達は学校へは行くけど、行かずに神冶さんの話し聞くほうが有意義な気もした。でも、剣術的な部分はやはり学校に行くべきだろう。

 あと半年もないけど、複合魔法はしっかりと覚えておきたいな。俺たちもデバシーをノート代わりに(ちゃっかりゼブも1本貰っているようだ……)そのまま神冶さんの話に耳を傾けた。

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