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351話 最後の決着

――シュゥゥゥ……


 魔王影が魂片となり、完全に消えた時、ルーネ達が声を出した。


「倒した……倒しましたよネアンさんっ!!」

「……すごい」


「私が魔王影を……まだ……まだ現実味が無いよ」


 そのまま呆けていると、レッド達が駆け付けてきた


「ネアン!! 私達にも分かったわ!! 魔王影を倒したのね!」

「邪悪な気配が一瞬で消えたのを肌で感じたよ……」


「ああ……」


「どうしたネアン? 最後の敵を倒したんだぞ? もっと喜んでも良いんじゃないか」

「もやっとした顔してるね☆」


「とにかく!! 地上界の様子も気になるわ! さっさと戻って勝利報告よ!!」

「おー!」


 そういって戻ろうとするサクエル達をネアンは止めた。


「皆、すまない。先に地上界へ戻っていてくれ」

「え? 何言ってるのよ! 主役が帰らなくてどうするのよ!」

「後で絶対戻るよ! 私には一つだけやり残したことがあるんだ」

「魔王影を倒した今、何をやりのこしたって……」


 サクエルがネアンに言い寄ろうとしたのをレッドが抑止した。


「わかったよネアン。私達は先に戻っておこう」

「ええ?!」

「サクエル、あの真剣な眼差し……戦いはまだ終わっていないのかもしれない。私達がそれを知る必要はなのだよ。信じて先に帰っていようじゃないか」

「レッド……ありがとう」

「わかったわ……必ずちゃんと帰ってくるのよ!」

「ああ、有難うサクエル」


 そう言ってネアンとレッド達はまた別れた。


・・・


「さて……」


 ネアンは女神に会う為の構えを取ろうとした。


「その構えの必要はありませんよ。ネアン」


 ネアンの目の前に粒子が集まり、先ほど消えてしまった女神が姿を現した。


「女神様……!」


「よくぞ……魔王影を撃ち滅ぼしてくれました……! この日をどれだけ待ちわびた事でしょう……!」

「いえ……女神の助言、時間を戻してもらえなければ倒せなかったでしょう。最後も私は奴の発言に迷いを見せてしまった……」

「人は迷い……選択し、先へ進んでいくものですよ。それが人の強みでもあるのです」

「有難うございます……」


 少しだけ沈黙が続き、ネアンは改めて女神に問うた。


「女神様……全てを話していただけるんですよね?」

「……ええ。本来なら、転生前にお会いし、魔王影を倒すと言う目的だけは告げるはずでした。貴方以前に転生してきた方へはずっとそうしてきたのです。ですが、成し遂げた貴方にはそれ以外のすべてもお話します」


 女神はそう前置きをした後、話し始めてくれた。


「この世界で具体的に事が動き始めたのは、ジャックや神治の時代で黒い隕石が観測された頃です……ですが、この黒い隕石自体は太古の昔から宇宙に蔓延っており、私達はその黒い隕石……魔王影と遥か昔から戦っていました……」


 魔王影……正式名称[イニシエーター]はこの宇宙で、ウイルスの様に増殖を繰り返し、拡散を続けています。

 イニシエーターは、栄養価の高い星を見つけたら、その星に寄生します。

 そして、無数の隕石群を降らし、エネルギーを吸収しながら星を破壊してしまいます。

 十分にエネルギーをとった魔王影はその後自らの身体となる部分をその場で作り出すのです。


 そして、その出来事に地球が巻き込まれてしまうという事は、地球の新第三紀(しんだいさんき)に当たる時代ですでに予測が立っておりました。


 新第三紀(しんだいさんき)……2,303万年前から258万年前までの時代を指す。


 私達はそこから知的生命体が発生するのを待ちました。そして、今の形の人間が生まれ始めた頃、作り変えられてしまった後の世界に適性のある者の魂を集めました。


「私もその適性のある人物の一人だったと……」

「そういう事です。現時点では奴らの星の捕食を止める術はありません……。唯一連鎖を止める方法は、作り変えられた世界で発生する、核の部分を破壊……すなわち魔王影を倒す事だったのです」

「事が大きすぎて、頭がついて行けなくなりそうだな……」

「失礼いたしました。前置きはこのあたりにしておきましょう。直接的に関係がある部分、黒い隕石が観測された頃の話に戻しましょう」


・・・

・・

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