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35話 3回目の試練

 俺達はデバシーいじいじ、ゼブと神冶さんは談笑、一番暇をもてあましていたティタがついに口を開いた。


「そろそろ帰るわよ!」


 結構な大きな声だったので、皆がティタの方に振り向いた。


「あ、ごめんよティタ! 確かにもういい時間になってそうだし……。神冶さんそろそろ帰ります。長いことお話してすいませんでした……」

「いやいや、いいんじゃよ! 君みたいな研究者には初めて会ったから、わしも非常に勉強になったわい!」

「あ、よかったら神冶さんもお家へ来られますか? 夕食でもご一緒に!」


 その言葉を聞いて、ティタはどうみても嫌そうな顔をしていたが、


「ありがたい話じゃが、ちょっと今日はやることがあってのう。またいつかご一緒させてくれい!」

「そうですか、ここはうちからとても近いので、また来てもいいですか? 私の研究物も是非見て欲しいんですよ」

「ほほう! それは実に興味深いのう。是非見せて欲しいぞい」


 来ないと聞いて、ティタはほっとした顔をしていた。わかり易い人だ……。


「そうじゃ、ネビア君フィアン君。わしからの助言じゃ。君たちは色々な魔法、剣術を使用できるそうじゃが……。何が使えるかしっかりと把握しておるかの? してればいいんじゃが、全然使わない物は忘れてしまうのが人間と言うものじゃ」

「そこで、折角このデバシーがあるんじゃ。プロファイル登録の所に自分の今まで覚えたスキルを記録しとく方がええぞい」

「た、たしかに……」


 これは神冶さんの言うとおりだ。ゲームみたいに覚えたスキルは画面に出てきて、選んだりすることが出来ない。

 全部自分の中に留めとかないといけない。殆ど覚えているとは思うが、念の為に描いていた方がいいだろうな。

 日本語で書いてしまえば、何を書いているかなんて理解できないだろうし! 


「有難うございます。帰ったら早速まとめてみます!」

「わしはいつでもここにおる! たまには遊びに来るんじゃよ!」


 そうして俺達は帰路についた。


「いやー、神冶さん凄すぎるよ! あの人となら空間転移魔法も近いうちに完成するかも……」

「ゼブ! まだその研究してたのね、懲りない人ねー……」

「あそこの果実もかなり使い勝手が良さそうだし、特産品として売り出すことも十分可能だろう。考えないといけないことがいっぱいだ!」


 ゼブが物凄く楽しそうだ。やっぱり何かを考えたりしている時のゼブが一番生き生きしてるなあ。

 とりあえず俺たちもアルネさんが帰ってくるまでの間、複合魔法の事を聞いたり、いろいろ準備をしなきゃな……。そんな事を考えながら、夕食を食べ、俺たちは眠りについたのだった。


「む、この感覚は……?」


 見慣れた……いや見慣れてはないが、淡い光に包まれた空間へと俺たちは来ていた。


「フィアン、ネビア……。次の試練が決まりました。あなた達にお伝え致します」

「おお、久ぶりだね! もう試練は受けさせてくれないと思ったよ! なんでこんなに期間があいたのさ!」

「え、えーっとですね……」


 女神様がちょっとしどろもどろしている。


「それはわしが説明しよう」


 そういって、ぱっとその場からアルネさんを天族にした大天使様がやってきた。


「はっきり言うと、理由は分からぬ。試練のお告げも今降りてきたんじゃからな……。ここまで期間が空くのはわしらも初めてじゃ」

「ただ、わしが思うに、君たちは覚醒するには十分な力が備わっている。次の試練に合格すれば無事に覚醒はできるじゃろう。だが、君たちは年齢が足りなすぎる。アルネを見たじゃろ? 人間年齢で行くと君達7歳で覚醒してしまったらどうなるかまったく想像がつかない。いままでで最年少覚醒は19歳なんじゃ。その子でも覚醒後の姿は君達くらいの姿まで戻ったんじゃよ。という事は君たちがいま覚醒すると一体どうなるのか、と2年間試練が来ない間、皆で頭を悩ましておったわ。今もそのまま試練を伝えてしまうか迷いがある……」

「分からないならやってみたらいいんじゃないかな? 別に死ぬわけじゃないだろうしさ!」

「しかしな……」

「大天使様は気になりませんか? 初めてこの年齢で覚醒してどうなるか……」


 そういうと大天使様はにっと笑った。


「はっはっは! 今の話で怖いとか思わなかったのか? 戻りすぎて0歳児の身体もしくはその前に戻るかもしれぬのに!」

「0歳児前ってのはちと怖いけど、だからと言って立ち止まるわけには行かない。試練は受けさせて欲しい」


 正直今の年齢とか言うけど、試練に内容によっちゃ、アルネさんみたいにかなり時間がかかるかもしれない。早めに受けさせてもらうに越したこと無いのは間違いないんだ。


「わかったわい。まぁ心配したはいいが、肝心の次の試練に合格できねば意味が無いからのう!」

「それに、19歳で覚醒した子は恐ろしく強く覚醒した……。若い内に覚醒するのは物凄い事になるかもしれん……。では今回はわしから試練内容を伝えよう。恐らく最終試練になるじゃろう」

「恐らく……?」

「そうじゃ。皆平等に試練は5回はきまっておるが、稀にその前に覚醒準備完了する奴らが居るんじゃ。それは達成してからじゃないと分からん」

「なるほど! とりあえず貰える試練にさっさとクリアしてしまおうぜ! ネビア!」

「そうですね!」

「よしよし、では試練内容を伝えるぞ……」


 俺達はさっと正座し、試練内容に耳を傾けた。

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