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339話 復活の時

「あれ、神治さんからコールだ……」


 コール自体はどうやら二日前で、全く気がついていなかったフィアンは直ちにかけなおした。


「もしもし、神治さん! ごめんコールに気がつかなくて……」

「おお、よかった! つながったわい!」

「んでどうしたんだ? 実はのう、地上界がちと大変な事になっとってのう……」

「え!? 何があったんだ?」

「町中にシャドウホールがまた発生し始めたんじゃよ……シャドウも大量に出てきておる……! ガイアとウェイズだけではちと間に合わん数なんじゃよ!」

「じゃぁ私達が戻るぜ!」

「ケイト!」


 その話を横から聞いていたケイト達が名乗り出た。


「おお! レジェンドパーティだったのう! 君達が戻って来てくれれば千人力じゃ!」

「俺達は戻らなくて大丈夫か……?」

「フィアン! 大丈夫だぜ! そもそもこうなってるのも魔王影が原因だろ? 地上界は私達に任せて元凶を断ってきて欲しいぜ!」

「そ、そうだな!」

「そうと決まれば早速向かうぜ! レッド! 飛空艦の操縦は任せたぜ!」

「まったく人使いが荒い……」

「気をつけろよ……!」


 そういって足早に挨拶を済ませ、ケイト達は飛空艦に乗り込んだ。

 地上界は任せる……絶対に大丈夫だ。


 そのやり取りを最後に、一層気合を入れてサクエルは修行に集中した。

 フィアン達も同じく修行を続ける内に、気がつけば更に3か月の月日が経っていた……


――3ヵ月後……


――ゴゴゴゴゴ……!!


「やばい……なんて地震だよ!!」

「コレワ……この地震ハ……!」

「影じい! この地震はやばい奴か?!」

「感じナイノカ! このおぞましい気配を……!」

「すげえ地震ってのは分かるけど……おぞましいと言うのは……」


 フィアンはそう言いながら、レッド達を見た。

 レッドやサクエルは大丈夫そうなのだが、アリシアとヴィスは明らかに恐怖している……


(何が起こってるんだ……?)


(サクエル)――影纏!


「出来たわ!!」


 サクエルは突然大声を上げた。

 振り返ってみると影纏がしっかりと出来ているようだ。


「おお! やっとか! 待ちわびたぞ!!」


 そして、影纏をしているサクエルは習得の喜びの顔から突然恐怖の顔へと変わった。


「皆……今影纏は解いてるでしょう? 纏ったら分かるわ……この恐怖感を……」

「え……?」


 そう言われてフィアン達は影纏をやった。


――ゾクッ!


(なんだこれは……この、脳をぐちゃぐちゃにされ、全身を吸い込まれるような感覚は……!? それに脳裏に映るこの禍々しく恐ろしい姿は……!)


 影纏をした皆も同じような感覚に恐怖しているようだ。


「皆、みえてしまったようダナ……」

「これは……一体なんですか……!」

「魔王影ダ……」

「今のが魔王影!? でも何でいきなりこんな感覚に……!」

「影纏で身体がシャドウに近づいているせいで、魔王影復活に感受してしまったノダロウ……」

「復活……ならもう他のシャドウは……地上界はどうなったんだ!? 神治さんにコールだ!」


 フィアンは急いで神治さんにコールをした。


「おお、フィアン君! こんな地震の最中にコールなど危ないのう!」

「神治さん! 3か月前ほどに大量出現していたシャドウってどうなった?」

「ん? まだまだ戦っておるよ……全然数が減らないそうじゃ……」

「え……?」


――ピピピッ


「あれ、ガイアからもコールが……グループ通信にするぞい」

「神治! む、フィアン! 久しいな! 元気だったか!?」

「ああ、元気だよ! それよりも神治さんに用があってコールしたんじゃ?」

「おお、そうだ! 突然の事で今も信じられないのだが、全てのシャドウが突然魂片や瘴気と化し、瘴気の山へと吸収されるように飛んでいったぞ……フィアン、もしかして魔王影ってのを倒したのか!?」

「なんじゃと! 今朝全然減らないと話したばかりなのにのう!」

「成程……わかった! とりあえず急ぐからいったん切るよ! 有難う!」


 フィアンはそう言って、デバシーを切った。


「復活していると思って間違いないだろうね……」

「そうですね……」

「サクエルも影纏出来るようになったし、早急に向かおう! サクエルは影纏での剣技に少しでも慣れておいて!」

「ええ、頑張るわ!」


 フィアン達はそう言って、準備に取り掛かった。


・・・

・・


――魔王影の眠る間


「素晴らしい! 世界中のシャドウが今! ここ集束している光景……美しいですね……!」


――ゴゴゴゴゴゴゴ!


 とてつもない揺れと風が鳴り響く……巨大で禍々しい宝珠の前でジャックが狂喜している。まるで台風の様に真っ黒な瘴気が渦巻き、どんどんとそれが宝珠に吸い込まれていく……。


「ですが……ずっとは見て居られませんね……もうじきここに誰かが来るようです」


「ふふ……準備は整いました。いつでも倒しに来てください……ネアン君……」


 一瞬で冷静になったジャックは、ゆっくりと後ずさりし、その場から消えていった。



・・・

・・

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