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34話 デバイスシリンダー

 ふむふむ、デバイスシリンダーか。どんな機能があるのかと思ったら……。

 やばい、やばすぎる! めちゃくちゃ便利アイテムだぞこれは! と言う訳で、目玉の機能はこちらとなります! 


・次元倉庫

デバイスシリンダー:通称デバシーからタブレットを引き出し、その上にアイテムを置き名称登録することで収納することができる。容量は何とほぼ無限大だ。というのも収納した物をエネルギーに変換して粒子レベルで保管するやらなんやら……。難しい部分はよくわからなかった! 一部収納できないものもあるそうだが……。


・周辺立体MAP

デバシーにはナノマシンが無数に入っており、それでタブレットやらに変換し使用するのだが、瞬間的にナノマシンを周囲5キロメートル範囲に散布し、立体mapを生成する。一度生成した場所は保管される。


・デバシー同士での通話

無線機のような物だが範囲はほぼ無限だそうだ。どこにいても会話ができるというのは非常に有難い。この世界では、そういう魔法があるのかも知れないけれど。


 あとはメモとか動画とか写真とか俺達の時代のスマホで出来る事はほぼ出来る。また、このデバシーは中のナノマシンが周囲の光を吸収して充電されるので、ほぼバッテリー切れは無い。流石未来技術! 


「色々出来て便利だな!」

「そうですね! ――けほっ」

「ネビア、どした? 風邪でもひいたか?」

「いえ、ちょっとここの瘴気が若干濃いせいか、息が詰まってきて……。ちょっとすいませんが、軽く浄化の光やりますね」


 そう言うとさっと浄化の光の魔方陣を描き、発動しようとしたが、発動は失敗し、魔方陣は割れてしまった。


「あ、あれ……? この前までは出来てたのに!」

「ネビア……。学習して」


 また突然ぱっとテーネが現れた。


「ネビアは私と契約したから、闇属性に特化した。光属性は使えないけど、かわりに強力な闇魔法が使えるから、我慢して」

「使えてた魔法も無理になるんですね……。それは知りませんでした……」

「じゃぁネビア! 俺が設置するよ。浄化の光!」


 前のネビアほどの威力はないが、このくらいの瘴気なら問題なく浄化できた。


「むむ、その子はなんじゃ! 突然現れよって! 不思議じゃのう……」

「なにこのおじさん……。無理」


 そういうとテーネはまたぱっと消えてしまった。


「むう、逃げられてしまったわい。研究意欲の沸く素材じゃったのう……」

「神冶さん。さっきの子は僕達の友達なので、何か変なことをしたら許しませんよ?」

「ふぉっふぉ。冗談じゃよ冗談! 二人は敵に回したくないからのう……」


 とても冗談には聞こえなかったが、敵に回したくないってのは本当だろう。意味はよく分からないが……。


「ところで、ネビア君と言ったか? 闇魔法を使えるのか?」

「一応使えます。光以外の魔法はある程度使えますよ! フィアンは逆に闇は無理ですけど、光属性を多少使えます」

「その歳で複数の属性を……。凄い事じゃよそれは……」

「そういえば! 勝手に見てしまったメモのところに、魔法の研究をしているのを見つけました。それがとても興味深くて! 神冶さん別世界から来たのに、魔法を理解しているんですね!」

「あれも見たんじゃな。まぁこの世界に来て、外の情報はナノマシンを介してここから集めておった。その中で、生き残る為には魔法を研究するのが一番かと思ってのう。結果的にはそこまで意味は無かったんじゃがな……。しかし調べだすと非常に興味深い」

「あんまり魔法は意味無かったんですね……」


 意味が無いという事は今後は魔法の研究はもうしないのかな……? 出来れば研究を続けて欲しいものだけどね。


「まぁ隠すことも無いわい。ほれ!」


 そういうと神冶さんは自分の胸辺りで何かを行うと、胸あたりがしゃっと開いた。中にはよく分からない光るコア? の様な物が入っていた。


「この通り、わしの身体はほぼ機械で出来ておる。生身のままじゃと、この世界に漂っている空気には耐えれんかったんじゃ。このコアで瘴気を変換して、エネルギーに変えておるんじゃ。そして長い年月をかけて生身の部分にも順応するようにゆっくりと瘴気を取り込んでおった」

「す、すげえ。どうみても機械の身体には見えないのに……」

「という事は仮に異世界から飛んできたとしても、ここの空気に耐えれず死んでしまうって事なんですね……」

「そうじゃのう。わしのような天才的な発想がなければ無理じゃな!」


 そんな話をしていると、


「うわあ! なんだこの光!」

「ちょっと! ゼブ! 引っ張りすぎよ!」

「あ、お父さんとお母さんだ……」

「ネビア、フィアン! こんな所に居たのね! 探したわよまったく! あの部屋に居ないんだから!」

「ようこそわしの研究所へ!」

「あら、こんな所に人が居たのね。突然お邪魔して申し訳ありません。私はティタと申します。えっとこっちが……」


 ゼブは壁とか扉をみて目をキラキラさせている。まったくこちらを見ていない。


「なんだこれ、どうなってるんだ……! 全く理解できない!」

「こら! ゼブ! こっちに来て!」

「あ、ああ、すまない。失礼致しました。ゼブと申します」


 そんなこんなで簡単な挨拶を行った後、俺達を無視して、ゼブがひたすらに神冶さんと談笑している……。会話を遮るのはとても出来ない雰囲気である。


「あーまったく何の話をしているか分からないわ。こうなったゼブは止まらないわよ……。先に帰っちゃう?」

「まぁまぁ……。もう少し待ってみようよ!」


 俺は俺でデバイスシリンダーが気になって仕方が無く、色々いじりながら談笑を軽く聞き流していた。

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