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(完結済)異世界に転生したら俺が二人になってた。  作者: 鳩夜(HATOYA)
第1章 幼少期編

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33話 博士

 手順さえわかれば簡単な事だった。

 三角柱を角に合わせて差し込み、その時に開いた挿入口にこの筒を一本差し込めばおっけーと……。

 この筒は、バッテリー的な役割もあるのだろうか。


「よし、ネビア、入れるよ……!」

「はい……! お願いします!」


 挿入口に筒を入れると半分まで来たところで自動で奥まで入っていった。その途端筒が線状の光を放ち、箱全体にその光が行き渡ってきた。

 そして箱の中央部にOPEN? という扉で見たような表示が出てきたので、そのままそれに触れることにした。


「よし、これで多分開くぞ……!」


 カチャカチャ音を立てながら、ロードするような画面が現れ、100パーセントになったところで、箱から切れ目が出現し、棺桶のような要領で上側の蓋がばっと開いた。


「ひらくぞ……!」


 俺とネビアは念のために武器を構えて少し後ずさりをした。

 しゅーっと蒸気のような物が吹き出し、むくっと起き上がる人影が見えた。


「ふー……やっと起きる時間になったんじゃな! ちゃんと500年で起きれたかの……?」


 蒸気が晴れてその人が見えてきた。白髪で七三分けで眼鏡をかけており、白いちょび髭も生やしている。また、その独り言は紛れもなく"日本語"だった。


「あの、すいません!」


 俺は大きな声を日本語で出してみた。


「む……?」


 そう言いながらその人はこちらをゆっくりと向いた。


「ほう、よくここに入り込めたのう! もしかして、わしを起こしたのは坊主達かの? だとすればちと早く起きてしまった可能性が……! それは困る! 困るぞい!!」


 冷静に話してると思いきや突然大声を出し、手元にあった時計のようなものをばっと取りそれを見始めた。


「521年じゃと……! このポンコツめ! 500年で合わしとったのに起きられてないじゃないか!」


 そのおっさんは怒りながら、時計をぶん投げて壊した。


「おお、すまんのう! さっきは怒鳴ってすまんかった。わしはむしろ坊主たちに助けられたようじゃ。500年で起きる予定が21年もずれておった。このままいつ起きれるかわからんかったからのう」

「え、えと……」


 喜怒哀楽が激しいおっさんを前にドン引きしそうになったが、気になることは多くあるので何とか会話をしようと思った。


「にしても、日本語がわかるという事は、坊主たちも地球から来たんじゃな……? とはいうものの、地球では君たちのような姿は天然では見たことないが……」

「あの、すいません。僕はネビアといいます。こっちはフィアン。正直日本語がわかる人にこちらで会えるとは思ってなくて正直とても驚いています……」

「おお、すまんのう! わしの名前は神治じゃ。しかし、このタイミングで日本語のわかる人に会うとはわしも驚きじゃ……。坊主らは何者なんじゃ?」

「はい。ここで今話したことは他言無用でお願いしますね?」

「もちろんじゃ。わしもその上で情報をすり合わせたいからのう」


 そういってネビアは俺たちが何故日本語などがわかるのか等を説明した。


・・・


「なるほどのう、ようは転生みたいなもんか……。にわかに信じられんがのう」

「そして、勝手に見てしまって申し訳ないのですが、メモ帳を見てしまって……。神治さんは2482年頃にこの世界にその身体のまま、来てしまったんですよね……?」

「おお、そうじゃ。メモを見たのか……。恥ずかしいのう。とにかく見たのなら話が早い。わしがここにいる理由はその通りじゃ。そして、仮説を立てて実験し、今この場で立って生きているという事は実験は成功のはずじゃ!」

「ですが、僕たちが転生する前にいた世界は2018年の地球なんです! なんでこんなに差があるのでしょうか……!」

「ほう、かなりの時間のずれがあるんじゃな。それは興味深いのう……」


 神治さんは何かを考えるように30秒ほど目を閉じた。


「ふむ。まぁ転生というあり得ない事象が起こってる手前何とも言えないが、昔から輪廻転生とか色々言われとったじゃろ? 坊主たちが転生なら、今ここに転生したのが何百年後ってだけの話じゃないかの?」

「あ、たしかに。死んでしまった後長い暗闇にいた気がしますし……」

「だがただ単に時間が過ぎただけでは説明がつかん。メモを見たんじゃろ? 地球はわしの時代に無くなってしまっておる。最後を見たわけじゃないから何とも言えないが、どう計算しても地球は終わりじゃったよ。そもそもわしの存在も説明がつかん……」

「この世界は謎が多いようですね……」

「まぁ、そんなことで悩んでおっても立証出来るわけじゃないんじゃ! 気にせずともよいじゃろう! それより坊主達には起こしてもらった恩があるからのう! 何かお礼を……そうじゃ! このデバイスシリンダーを一本づつやろう!」

「ええ! いいんですか!」

「ああ、もちろんじゃ! おぬしら2000年ちょっとからやってきたんなら、これが何か全然わからんじゃろ! まぁ、わしの時代では少し古い機械なんじゃが……。わしは、手に取って書いたりしたくてのう。脳波で行くやつは好かんかったんじゃ」

「いや、脳波で行くとか言われても、俺たち全然わかんねーから!」

「おお、すまんすまん! とにかくこいつの使い方をざっくりと教えてやるぞい!」


 そういって神治さんはこの筒のようなもの改め、デバイスシリンダーの使用方法を説明し始めた。

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