表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
(完結済)異世界に転生したら俺が二人になってた。  作者: TOYA
第10章 シャドウ界潜入編
324/356

320話 破影の槍

「サクエル! 無事だったんだな!! よかった……!」


 逃走した先は木々で覆われた隙間に隠れていた大穴だ。

 そんなに遠い場所じゃないから、すぐに見つかってしまうかもしれない……!


「フィアン君にネビア君、半年前より遥かに強くなっているようだね……! 再開を喜びたい所ではあるが、時間がないのだ。本題に入ろう」

「レッドも無事だったか! ……そうだ、ヴィスは? アリシアも居ない様だけど……!」


「……フィアン君、その話は後よ。この場所もすぐに奴に見つかるわ」


 サクエルはそう言って、二本の管を俺達に見せてきた。


「……これは?」

「これは破影の(はえいのやり)。この槍をあいつに刺す事ができれば勝機はあるわ!」

「この管みたいなのが槍……? こんなものを刺しても奴は倒せないぞ!」

「この槍だけでは不可能よ。この槍は精々魔王影兵ならの動きを完全に止めるだけ。それも数十秒だけ……使うときには魔力を込めたら槍先が出現するわ」


 こんな槍で完全に動きを止める……? 本当かよ……。


「本当に止まるのか? って顔ね。絶対に止められるとは言い切れないわ。でも、他の魔王影兵二人には十分に効果があったわ」

「他の魔王影兵!?」

「この半年間、私達も遊んでいたわけでは無いわ。魔王影兵なら二人、何とか倒したわよ」

「あんなのを二人も……! 凄いな!!」

「ふふん。まぁ細かい話は残りの一人……ベリウロスを倒してからよ!」

「でもどうやってあいつにその槍を?」

「……私が何とかするわ。フィアン君、魔王影兵には光が効果的よ。槍で動きを封じ込めた後、最大威力の剣技を叩き込んで頂戴!」

「了解!」

「ネビア君は私のフォローをお願いするわ!」

「了解です!」


「とにかく、作戦を言うわ。一度しか言わないからしっかりと頭に叩き込んで!」


 そういって短時間の作戦会議が始まった。


・・・

・・


――ザッ!


「おや、これからそちらに向かおうと思ってたのだが……貴様達から来てくれるとは手間が省けた」


 俺達はベリウロスの居た、闇の宝珠があった所まで戻ってきた。


「どうせ逃げ切れねー……ならここで倒してしまおうと思ってな!」

「その口をすぐに黙らせてあげよう」


 そういってベリウロスは先ほどと同様に、手をかざそうとしたが……


(フィアン)――天衣・極光刃

(ネビア)――天衣・冥闇陣


「天衣の光で影張りを封じたか……」


「これで訳も分からず止められない!」


(ネビア)――シャドウストーム!

(ネビア)――ダークエクスプロージョン!!


 ネビアは上下から魔法を発生させた。上は雷、下は爆発の逃げ場無しの攻撃……大抵の奴はこれだけで倒せそうだが……


「まだまだぁ!」


(フィアン)――双天・光裂連斬!


 爆発が収まらないうちに俺は追撃した。しかし……


「ふ……何をやっても同じだ。まだ分からないのか?」


「くそ……!」


 ベリウロスは攻撃を受ける際に自身を霧状にし、一切ダメ―ジを受け付けない。

 徐々に霧状から元の姿に戻るその時だった。


――ガシャン!


「この時だけはどの魔王影兵も動きが鈍いわね!!」

「な……!?」


――破影の槍!!

――ザンッ!


 突如地面の下からサクエルは現れ槍でベリウロスを一突きした。


「グググガガ……! これは破影の槍……ナゼ、キサマが……ッ!!」


 槍から無数に光の線が現れ、ベリウロスの全身を縛った。この状態では霧状になれない様だ。


「ネビア君、いい感じに激しい魔法だったわ! フィアン君、今よ!!」


「まかせろ!!」


「天衣状態で込めれる天力全てをこの一打にかける……ッ!」


――天装・光裂斬!!


「うおおおお!」


 かつてない程に光り輝く一閃はベリウロスに直撃した。

 縛られた光の線も一緒に叩き切られ、槍も消滅していく……


――シュゥゥゥ……


「はぁ……はぁ……天衣が切れちまった……」

「やりましたね!!」

「まだだ……俺達は魔王影も――」


――ザンッ……


「そ……そんな……」


 サクエルは霧状から復帰したベリウロスに胸部を手で貫かれた。

 そして、その場に倒れこんでしまった


「そんな……サクエル!!」

「ふふ……ははは……! フィアン! 貴様の攻撃が弱くて助かったぞ!!」

「俺の最大威力の攻撃が……!」

「さて、もう私を霧状にさせる事もさせぬ。このまま……私に触れる事すらできないまま殺してあげよう!!」


「く……ッ! だめだ、もう天衣すら出ねえ……くそ!!」

「少しは楽しめたぞ。だがもう終わりだ」


 どうする……サクエルはまだ消滅していない……生きているんだ!

 まずはサクエルを助けたい……だが俺も天衣が出せない程に消耗してしまっている……!

 どうすれば……!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ