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(完結済)異世界に転生したら俺が二人になってた。  作者: TOYA
第9章 シャドウ界準備編
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308話 迫る脅威

「おや、フィアン君達。何処へ行ってたのだね?」

「え? ああ、ちょっと影じいにもコツを聞きに……」

「影じいに聞かなくとも、私が手取り足取り教えてあげると言うのに!」

「有難いけど、べたべた触ってくるのはやめろ!」


 レッド達の所から少し離れ、俺達はまた棒を光らすために力を込めた。


・・・

・・


――少し前


「何も答えられないってどういうことだよ!」

「言った通りダ。今のお前たちに何を伝えても無意味……影纏を習得し、シャドウ界に行ける実力が無ければナ……」

「何言ってもそれかよ……分かった! さっさと影纏を習得する! そうしたら全部教えてくれよ!」

「アア、頼まれなくとも伝えなくてはならなくナル」


 そういって俺達はレッド達の方へと戻った。


・・・

・・


――5ヵ月後


「よっしゃあああ! やっとコツをつかんだぞ!」

「やっとですね……!」


 あれから棒に力を込める修行を続け、ついに光らせる事が出来た。


「おめでとうございますっ!」

「……よくやったネビア」


 約半年間、ルーネとテーネもずっと付き合ってくれた。

 時間を掛けすぎてしまったな……。

 次はこの光を操作しなければならないのか。


(サクエル)――影纏


「ふう……やっと纏えたわ……」

「おや、早い! 素晴らしいね!」

「先に習得した貴方に言われても嬉しくないわ」

「おめでとう☆」


 その位のタイミングでサクエルは影纏を習得、これでサクエル、レッド、アリシアの3人は影纏を習得……シャドウ界へ行く準備は整ったようだ……。

 ちなみにケイトも一足先に習得し、今は天衣開眼の修行をしている。本当に優秀な人達ばかりでちと嫉妬しちまうな……。


「……くそっ」

「フィアン、焦っても仕方ありません……」

「そうだな……!」


――ゴゴゴゴゴ……


「む、また地震か……」

「ここ最近になって本当に多くなってきましたね。というか浮遊大陸なのに地震って謎ですけど……」

「ソレハ、シャドウ界の異変にこの大陸が共鳴しているカラダ」


 そんな会話をしていると、影じいがこちらへとやってきた。


「あ、影じい」

「ミナ、集まってクレ」


 影じいのその言葉で皆はその場に集まった。

 そして、大きなスクロールを広げ始めた。


「モウ、あまり時間が残されてイナイ。このシャドウ界地図をミテクレ」

「……どういうことだ?」

「魔王影を目覚めさせる覚醒の儀式が始まろうとしているノダ」

「覚醒の儀……」


「儀式ここで行わレル」


 そういって影じいは大陸マップの北部と南部に記した赤い丸を指した。


「この二カ所で儀式は行われる。儀式はこの二カ所同時に行わなければナラナイ。よって、一カ所だけでも阻止できれば儀式は一旦止まるハズダ」

「その儀式とやらはもう行われるのかね?」

「大陸の鼓動がだんだん強くなってイル……。下準備は既に始まっているハズダ」


 レッドは少しだけ考えるそぶりをして、口を開いた。


「ならば……私達だけでも先に行き、阻止するべきだろう」

「……」


 その意見に俺達は何も言う事が出来なかった。時間が無くすぐに行きたいと言うのに俺達は肝心の影纏が習得できていない……。


「そうね……私とアリシア、レッドの3人ね」

「僕を忘れないでもらいたいね」


 その声の方へと向くと、ヴィスターンが立っていた。既に影纏を使用しているように見える。


「ヴィス!」

「僕も準備は万全だよ」


「ヴィスも影纏は完璧なんだな……」

「そうだよ。君らとは違ってね」


「くそ……」


「本来なら皆で行くべきダロウ……だが時間が無い。先に4人で阻止しに行ってホシイ」


「ああ、私は問題ないとも」

「ぼくもいけるよ☆」

「4人の意見は一致している様ね」


「本当に大丈夫なのでしょうか……?」

「なぁ、もう少し待ってくれないか? 2~3日で出来るようになるかもしれないだろ?」

「3段階ある修行で君達はまだ2段階目に入る所だ。悪いがそうはとても思えないのだよ」

「……」

「諦めろよフィアン。シャドウ界に入るのにも時間がかかる。時間が惜しい」

「だけど……!」

「フィアン君、心配してくれるのはありがたいのだが、私達を侮ってはいけないよ? 魔王影を倒せって訳では無いのだ。阻止程度なら朝飯前なのだよ」

「ああ……」


 俺とネビアは多分納得のいく顔をしていなかっただろう……。

 その時、ヴィスが俺の少し小突いてきた。


「おいフィアン! らしくないぞ! 心配している暇があるのなら、さっさと影纏を習得し追い付いて来い!」


 俺はその言葉を聞いてハッと我に返った。

 そうだ。心配ならさっさと影纏を習得して追い付けばいいんだ!


「……分かった。速攻で追いついて助太刀してやるよ!」

「ふん。まぁ君達が来る前には、魔王影すら倒してるかもしれないけどね」

「あはは、頼もしいぜヴィス」


 俺は背負っていた剣、シャイニングノヴァをヴィスに手渡した。


「シャドウ界へ行くにはこれが必要だろ? お前に預けとく」

「フィアン……」

「あとで俺が行った時にちゃんと返せよ!」

「いいだろう。それまで僕が使ってあげるよ」


「皆さん……頼みました。僕たちもすぐ追いつきます」


「ええ、期待してるわ」


「話は終わったようダナ。早速これからの事を話す。4人はキテクレ」


 そういって4人は影じいと戻っていった。

 俺達も早く影纏を習得しなければ……。

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