266話 vsシャドウロード決着！
(ネビア)――シャドウコピー
(レッド)――幻影ノ炎
「とにかく致命打だけは避けねばならない。私の幻影を出す魔力が残っている間に何とか決めてくれたまえ」
「僕も身代わりとかには使えませんが、攪乱の為に出しておきます」
「……俺はそんな技覚えてないけど？！」
～～チャージ完了
～～レジストエアー
ロードは剣に魔力を溜めきったようだ。またさっきと同じように攻撃の構えをとっている。
「来るぞ！！」
～～シャドウロードアサルト
自身の身体を周りの瘴気に溶け込ませ、その状態で相手に猛攻撃を仕掛ける。
(フィアン)――天装・光刃壁
複数の天力闘気剣を生成し、自身の前に展開する防御技
俺は光刃壁を自身の周囲にバランス良く配置した。防御力は下がるがどのように攻撃を受けたか感知はしやすい。これで致命打を防ぐ！
「げほっ……」
「レッド？！」
ロードは俺とネビアを無視し、身代わりを付与していないレッド本体へ一直線に向かい攻撃した。
「キサマが落ちればこの不愉快な魔法もキエルのダロウ？」
「ふふ……シャドウのくせに賢い奴……だ」
そのままレッドはゆっくりと倒れながらロードにこう言い放った。
「だが、その程度だ」
「ナニ？！」
本体と思われたレッドは炎となり、爆発した。
「剣に溜めきっていない今しかねえ！」
(ネビア)――シャドウスパイク！
(フィアン)――閃光脚！
「グガガ……」
「ネビアナイス！」
「食らえ！！」
(フィアン)――天装・光裂斬
天力を混ぜた闘気を剣先に込める。光を纏った一閃を放つ。
ネビアのシャドウスパイクが突き刺さり、ロードは一瞬身動きが止まった。
その瞬間を狙い、俺は剣技を放った。
「グオオオオ！ 地上界の生物ゴトキニ……！」
「剣は貰っていくぞ」
ゆっくりと消滅していくロードの剣を奪い取り、その消えていく姿を眺めていた。
「念の為に光刃壁を張ったけど、ちゃんと偽物レッドに突っ込んでくれたな」
「まぁロードの奴、凄くレッドを見てましたからね……」
「フェイクには弱い。ロードもある意味では純粋な奴だったという事さ」
「にゃー……リッタ達にもあの次元の戦いが出来るようになるのかにゃ……」
「現状ではまったく想像できないぜ……悔しいけどこれが現実ってわけだ……」
「戦い自体は一瞬だったね。でも濃い内容だった」
「おーい！ ケイト達！ もう終わったぞ！」
「すごかった！ 流石フィアン達だぜ！」
ケイト隊は遥か上の戦いを見て、色々考えさせられたようだ……。
「さて、強制的に戻される前に魂片を回収だ！」
「おー！」
そういってせっせと大量に出現した魂片を回収し、俺達は元の場所に戻されるのを待った。
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「……なぁいつ出られるんだ？ これ……」
「分かりません……何かが起こるような気配が一切ないです」
シャドウホールと言えば、ボスを倒せばその後すぐに強制退出させられ、元の場所に戻るってのが定石だった。
だが、俺達はロードを倒してからもう30分はここに居る……。
「レッド！ このお菓子すごくうまいにゃ！」
「そうだろう？ ワンドで有名なお菓子なのだよ」
「口どけが良くて、ほどよい甘さですね！ ふわふわなパンって感じですねっ！」
「おお、こっちはガツンと来る甘さだぜ！ 疲れている時にはよさそうだ！」
レッドは風呂敷を広げ、ティータイムを楽しんでいる。
「レッド……またこんな時に……フィアンも何か言ってやってください！」
「本当だな！ 俺は程よい甘さとかよりガッツリ甘い方が好きなんだよ！」
「じゃぁイチャイチャするのもいっぱいあまーい方が良いのか！？」
「ケイト……おやつとそういう話は全くの別物だ……でもそれはそれで好きだ！」
「い、いきなり好きだなんて照れるぜ……」
「……」
「ネビア……テーネ達も食べよう」
「そうですね。まぁいつか戻れるでしょう！」
そういってネビアも風呂敷に座り、一緒にお菓子を食べ始めた。
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