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257話 大災害シャドウホール

 噴火による大規模な量の瘴気、それはすぐさま上空を覆いつくし、光を遮った。

 そして、その瘴気は徐々に降りてきているのが目に見えて分かる。人々は世界が終わるのかと……そう考えるほどに禍々しい雰囲気を漂わせていた。


――中央都市


「目に見えて分かるにゃ……徐々に瘴気が降りてきているにゃ」

「まったく突然何だってんだよ! 恐ろしいぜ……」


 修行を一旦中断し、ケイトとリッタは戦闘用の装備に着替えている。


「瘴気の山が噴火するって聞いた事無いよオリアも聞いた事ないよね?」

「そうですにゃ……故郷の古い話でも聞いた事無いですにゃ」


 既に戦闘装備に着替えたオリアとシーンは二人でストレッチを行い、入念に準備を行っているようだ。


「サクエル! 冒険者ギルドには結界の増強を指示しましたよ。時期に高速伝達で伝わるはずです!」

「ありがとうネビア。ケイト隊の皆を呼んできてくれるかしら?」

「もう来てるぜ!」


「よし、では早速流れを説明するわ! 時間がないからしっかり聞いて頂戴!」

「了解!」


 皆は真剣な眼差しでサクエルを見つめた。


「10分もすれば瘴気は降りてきてしまうわ。とにかく結界を守れば町は安全なはず。一度様子を見てから何もなければすぐさま結界に魔力を注ぐことに注力するのよ!」

「わかりました!」

「んで……ケイト隊! 君たちは……」


 その瞬間、辺りは一瞬でより暗くなった。


「なっ! 暗くなったぜ!?」

「そんな……加速したのかしら……!」

「にゃー! なんか漏れて入って来てるけど大丈夫かにゃ……?」


「まぁ結界も完全に防御は出来ないわ。ちょっとづつ入るのは仕方ないわ!」

「おいおい、やばいぜ……[シャドウホール]が出現しているぜ!!」


 外を見ると、視認できる範囲でシャドウホールが複数出現していた。


「そんな!!」

「よし、おしゃべりしてる時間は終わりですね。僕が行きましょう」


 そういってネビアはその部屋を飛び出そうとした。


「まってネビア! この瘴気の流れ……普通じゃないわ……」


 サクエルがそういった次の瞬間、渦を巻くように一か所に集まった瘴気がどんどん濃くなり、一つの超巨大なシャドウホールを作り出した。


「なんなのよあれ……あんなサイズ……!」


 普段発生するシャドウホールは精々両手を広げたくらいの直径サイズだが、目の前に現れたのは周囲にあった家を一戸丸々呑み込むほどのサイズだった。


「まずいわ……あんなシャドウホールから出てくるシャドウなんて……!」

「サクエル様! ギルドからの報告です! 巨大なシャドウホールが各地に出現している模様……詳細はここに記載しております!」


 伝令に来た兵は羊皮紙をサクエルに手渡した。


「……ネビア! フィアンにコールして現状を伝えて! あとそこの兵よ、伝令助かったわ、これをすぐに伝えに戻って頂戴」

「畏まりました!」


 そういってネビアはフィアンにコールし、事の顛末を話した。


・・・

・・


「……そう。わかったわ」

「では失礼いたします!」


 伝令兵と話をしていたサクエルは、一瞬険しい顔になったが、すぐに切り替え机上についた。


「学園の強い人たちにも通常のシャドウホールを当たってもらっているわ。なかなか苦戦しているみたいだけれど……。とにかく、あの巨大シャドウホールを何とか出来るのは貴方達しかいないわ」

「そうですね。早く行きましょう……!」

「最後まで聞いて頂戴! 通常、シャドウホールからシャドウが飛び出し、こちら側に発生し始めるのは、出現してから約3時間後……但し、シャドウホール出現時に一緒に外にシャドウが出てる場合があるけど、幸いあの巨大なシャドウホールではその現象は見られなかったわ」

「3時間……時間はかなり限られてますね」

「そして、この現象については、大きさによって時間が大きく前後する事が確認されているわ。大きくなればなるほど、出現までの時間が長いのよ」

「つまり、あの巨大なシャドウホールはシャドウ発生まで猶予があるんですね」

「そうよ。その出現予測時間は約8時間! まずは3時間以内に出来るだけ小さなシャドウホールを殲滅、6時間経った頃には巨大シャドウホールに入って潰して来て頂戴!」

「3時間経って一度出現した後は、また出現するんでしょうか」

「そうね……2回目以降から3時間から5時間周期で発生しているわ。統計上ね。巨大な奴は分からないわ」

「よし、とにかく作戦は理解したぜ! 早くいかねーと!」

「こら! ケイトもネビアもせっかちね……こういう時こそ落ち着いて行動しなければならないの!」

「いやでもよ……こうしている間にも脅威が迫ってるんだぜ?」

「じゃぁまとめに入るわ!」


「ネビアは、巨大シャドウホールから向かって左側を中心に、通常のシャドウホールを処理! 順次巨大シャドウホールに向かって! ケイト隊は右側から同じようによ!」 


「わかったぜ!」

「シンプルな作戦ですね。ですが、その方が動きやすいです」


 ネビアとケイト隊はそれぞれ別れ、シャドウホールの殲滅へと向かった。


・・・

・・

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