231話 久しぶりの学園!
「ああ……5年ぶりくらいか! 懐かしいな!!」
「そうですね! まぁ僕はたまに来てましたけど……」
「天上要塞兵だもんな! 少し記憶に入ってるよ。俺なんかお尋ね者だから絶対来れなかったぞ?」
「あはは、そうですね!」
そんな事を言いながら、二人で門をくぐり、理事長の部屋を目指していたが……
「フィーアーン!!」
「うお?!」
突然後ろから誰かが飛びついてきた。
「うん……? ケイトか?!」
「そうだぜ! すごく久しぶりじゃねーか! 更に格好良くなりやがって……」
久しぶりに見たケイトはより色っぽくなっていて、何よりも胸の大きさもすごく育っている……
しかもすごくいい匂いがする……! これが大人の女性の色気って奴だろうか!
「そういうケイトもすげえ美人になってるじゃないか!」
「え、そ……そうかな? えへへ、照れるぜ……」
照れながら笑うケイトは今まで通り凄く可愛かった。こんなきれいな女性、モテモテだろ絶対……!
「こら、ケイト! とりあえず離れなって! あっちで凄い睨んでる子がいるから!」
後からシーンが歩いてきた。シーンも色っぽくなっていて、凄く美人だ。この姉妹は胸が本当に……ゲフンゲフン。
というかハキハキ話すようになったなシーン……元々こんな感じだったかな?
「じー」
「げ、ルーネちゃん!」
「げ、じゃないですよっ! まったく、油断も隙も無いですね……」
「ルーネは変わらないんだね! 相変わらずの可愛さで安心したぜ!」
ケイトはルーネのほっぺをぷにぷにしていた。
「お前らも元気そうで本当に良かったよ」
「なぁフィアン、後で飯でもどうだ? いっぱい話したいことがあるんだ! もちろん奢るぜ?」
「おお! それは行きたいところだな! ネビア、どうする? あれ、ネビア……?」
ネビアはいつの間にか少し離れていた所で二人の獣人に捕まっていた。
その二人も懐かしい奴らだ。
「おお! リッタとオリアじゃないか!」
「にゃー! 久しぶりだにゃ!」
リッタとオリアの姿はそこまで変わっていないようだ。
やはり獣人は寿命が長いから成長速度も違うのだろうか。
「二人とも! 後でフィアン達と飯にしようぜ!」
「お、ナイスアイディアにゃ!」
「んじゃあとりあえず、俺達理事長の部屋に行かないといけないから、その後でもいいかな?」
「おう、じゃあ図書館で待ってるぜ!」
そういって一旦4人とは別れ、理事長の部屋へと向かった。
――コンコンッ
「どうぞ」
「失礼します」
「フィアン君とネビア君!? ネビア君はともかく、フィアン君は一体どの面を下げて……!」
サクエルはじりじりと寄ってきて今にも手が出そうなところだったが、ふうと息を吐き、その手を下した。
「まぁ、結果的には何も言えないわ……聖母なんていう仕組みは私も一切知らなかったし……」
「サクエルは聖母の事は知らなかったんだね」
「そうよ。墜落後概ねの話は聞いたわ。びっくりする事ばかりで何も言えなかったわ……。とにかく座りなさい。お茶くらいは出すわ」
そういってサクエルはお茶の準備をしてくれた。
相変わらず書類で埋め尽くされた部屋だが、以前来た時より更にひどくなっている。墜落を受けて忙しいのだろうか」
ここに来ては見たものの、聖母の存在すら知らなかったサクエルから何か有益な情報は得られるのだろうか……
「粗茶だけど構わないわね」
「有難うございます」
「んで、何しに来たのよ?」
「ああ、要件って程でもないんだけどさ、サクエルって大天使の秘書みたいな感じだったんだよね?」
「まぁ……そんな感じね」
「じゃぁ、例えば大天使にここは入っては行けない! とか言われてた部屋とかあったりしない? 知らなければいいんだけど……」
聞いてみた物のそんな都合の良い場所は無いか……そう思っていたが、
サクエルは少し考えこみ、その後口を開いた。
「あるにはあるわね……」
「おお、本当か!」
「ただ、絶対入れないわ。扉は死ぬほど頑丈だし、仮に壊してしまったら中の転送魔法が一緒に壊れてしまうわ」
「鍵とか掛かってるんですか?」
「そうね。そこだけは一度も入る事を許されなかったわ……」
「その場所、教えてもらえませんか?」
「え? いいわよ。無駄だと思うけれど……」
そういってサクエルは天上要塞のその扉の場所を教えてくれた。
気になるし、行ってみるしかない!