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(完結済)異世界に転生したら俺が二人になってた。  作者: TOYA
第7章 堕天使と天上要塞兵編
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204話 作戦伝達

――天衣・極光刃!! 


「きゃっ!」

「ルーネ! 大丈夫か!」

「はい! もう一度お願いしますっ!」

「いや、ちょっと休もう!」


 昨日から纏、天衣の二重発動を練習をしているが、やはり共に発動するとルーネが無理やり剥がされてしまう。

 纏、天衣の順でも天衣、纏の順でも失敗は同じだった。


「中々難しいもんだな」

「はい……」

「ルーネ! 気にするんじゃないよ? ゆっくり出来るようになればいいんだ」

「はい……」


 うーむ。明らかに落ち込んでいるな。ルーネは結局、大精霊にはなれていない。多分、前提条件である、高位契約をすればより密になって出来るのかもしれない。

 けど……今結婚しようとか、高位契約しようと持ちかけたら、ルーネの力が欲しいから契約するみたいじゃねーか……。あんな話を聞く前に告白すればよかったかな。

 ルーネの事は大好きだけど、高位契約……結婚とかそういうものと同列ならば、今はしたい気分にはなれない。母親は攫われて、父親はどうなっているのか分からない。こんな状況でそんなイベントを行う気分にはならないし、何かの糸が外れてしまいそうだ。

 今は母親を救うことのみに集中したい。色々考えるのは全てが終わったらだ。


「フィアン……さん」

「うん? どうしたんだ?」


 ルーネが少し顔を赤らめている。どうしたのだろうか。


「あの……その、フィアンさんとルーネがもっと……密な……」


 ……やばい。今改めて覚悟したのにもう折れそうなんだが。


「ルーネ! ぎゅーしよ!」

「ひゃ! フィアンさんっ!」


 俺は唐突にルーネに飛び込んだ。正直これしか思いつかなかった自分が恥ずかしい。


「ルーネ。これからもずっと一緒に居てくれるか?」

「え!? 突然どうしたんですか……もちろん居るに決まってるじゃないですかっ!」

「ありがとう。俺さ、母親とかヴィスの姉とか全部救ったら、お前に伝えたい事があるんだ!」

「え……それは今でも……」

「いや、これは俺のきめたケジメみたいなもんだ。それまで、待ってくれるか?」


 ルーネは少し考え込んだが、


「わかりましたっ! いいですよ!」

「ありがとうルーネ!」

「じゃぁとりあえず、お腹空いたし何か食べに行こう!」

「はーいっ!」


 そうして、修行は切り上げ、あとはのんびりとした1日を過ごした。


・・・

・・


「がっはっは! 珍しく全員しっかりと集まっているな!」

「大事に話なんだし当たり前でしょ☆」

「アリシア……お前に言ってるんだぞ」

「さぁ、話してないで座りたまえ」


 俺は流れで席に座り、ガイアの話を待った。

 座り方は机は無いが、何となく高校などの授業を思い出す。前にガイアが座っており、そっちに向けてみんな座っているような状況だ。

 ジャック博士だけは立ってデバシーを触っているが……。


 実際全員が一斉に顔を合わせるのは本当に久しぶりだ。

 ガイア、レッド、ジャック、アリシア、ヴィスターン……最初は俺が弱すぎて、こいつらと肩を並べる日なんて想像すら出来なかった。

 ヴィスターンも期待などしていなかっただろう。だが俺はやりきった。今ここにこうしている事は少し誇りに思っている。


「細かい話は後でするが、作戦の実行日と作戦内容を本日伝えていくぞ。レッド!」

「はい」


 レッドは前に出てきて、デバシーの画面を大きめに広げた。


「さて、ガイアに代わって私から説明しよう」


 こういう話は決まってレッドが行なう。こういう役回りなのだろう。


「まず、天上要塞のある場所はほぼ割り出す事ができている。しかしながら、特殊な結界が貼られており、リングを使った転送でしか移動する事はできない。例えば、何か飛行する術があり、そこの向かったとしても、結界に触れると、私達は消し炭となってしまうだろう」


 天上要塞のある場所は特定できているのか、凄いな……。


「だから、転送と言う手段で行く方法を考えた。そして、思いついたのが、精霊界を経由した転送だ」

「精霊界を経由……?」

「その通り! 本来なら高位契約をした者しか精霊界に入る事は許されない、しかし! 大精霊の力を使って、一瞬だけ入る事に成功したのだよ!」


 レッドはデバシー使いながらプレゼンするように話している。


「精霊界は基本的に次元の違う場所にあると考えて欲しい。入り口も出口もある意味自在なのだよ。もちろん瘴気が濃すぎる等で入り口が作れない事もあるがね」

「あー! 難しい話はやだよお!」


 アリシア……まだ5分も経っていないぞ……。


「おっと失礼……。とにかく、精霊の力を使って天上要塞内部に移動する事ができるのだよ!」

「わー! すごーい☆」

「方法はレッドの言うとおりだ! 我輩達はその方法で天上要塞へと侵入し、囚われた聖母を解放する!」

「場所は僕が居た時の構造を参照している。変わっていなければいいんだが……」

「なぁ、その事なんだけどさ」

「どうしたフィアン」

「内部の構造はここ数十年で大きく変わっているそうだ。俺のデバシーに情報が入っている。レッド、受け取れるか?」

「ほう。そんな貴重な情報を……!」


 俺はこの事自体は言うか迷っていた。理由は簡単で、どこで手に入れたかも中々説明しにくい。敵であるネビアに会って貰った等言えるはずも無いしな。

 俺がネビアと会ったと聞いたら、まずこちらの情報が流されている可能性を考えるだろう。そうなっては色々と困る……。


「ヴィスの描いた構造と大きく異なるね……」

「おい、僕にも見せろレッド!」


 しばらくした後、ガイアが口を開いた。


「フィアンよ、これをどこで手に入れたのだ?」


 まぁ、聞かれるよな……。どう答えるのが最善か。

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