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(完結済)異世界に転生したら俺が二人になってた。  作者: TOYA
第7章 堕天使と天上要塞兵編
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199話 これからの事

「最愛の姉は奪われ……父親にも裏切られた挙句、堕天させられてしまったのだよ……。まぁ不幸中の幸いと言っていいものか分からないが、光属性から闇属性に翼が変わったことで、自身の闇属性の攻撃がより強力にはなったみたいだがね……」


「うう……がわいぞずぎますう……」

「……胸糞悪い話だ」


 ルーネもこの話を真剣に聞いていて、顔が涙でぐちゃぐちゃになっている。

 俺は、この話を聞いてただ天族への憎しみが増していった。


「おい、レッド! 何勝手に僕の話をしているんだよ……!」

「おや……ヴィスターン……聞かれてしまったのだね」

「聞かれてしまったのだね……じゃないよ……? もう一度死なないと分からないのかな?」

「ヴィス! 必ず姉さんを取り戻そうぜ!!」


 俺は感極まりヴィスの手を取った。


「は……? いきなり馴れ馴れしいな。フィアン……君も死にたいのかい?」

「何言ってんだよ! 死ぬときは全てを終わらせてからだ」

「ふん、といっても君は今のままじゃただのゴミだよ。時間はまだある……しっかりと特訓する事だな」

「これからしっかりと天衣を使いこなすようになってやるよ!」

「ふふ、二人とも仲が良くて羨ましい限りだよ」

「レッド……お前はやっぱり僕に一度斬られた方がいいね……」

「とにかく! ヴィス! お前の話を聞けて良かったよ! 有難うな。話してくれて……」


 俺は再度ヴィスターンに向かって言い放った。


「まぁ……構わないよ。もう100年くらい前の話だからね。と言うより、僕が話したみたいになってるけど、勝手に過去をばらされただけだからね……? 話す気などなかったんだけどね?」

「じゃぁ俺疲れたから一回休むわ。レッド明日も宜しくな!」

「ああ。しっかりと休むがいい。君の寝室はここを真っ直ぐに行ったところにある」

「おい! 話はまだ終わってないぞ!」


 ヴィスが何かを言っているが、今日はもう疲れた……。明日に備えてしっかりと休むとするか。


・・・

・・


「とにかく、昨日の話で何となく5年くらいは大丈夫って理由は分かった。完璧に安全とは言い難いが……」

「流石フィアン君だ。飲み込みが早くて助かるよ」


 寝るときに自分なりに情報を整理した。

 聖母になると、牢屋の様な所で最低5年間は入れられ、その後意識がうつろになる。

 まぁその5年間は絶対大丈夫って感じはしないが、汚されてしまう事はないのだろう……。


「出来れば早く助けには……やっぱり行きたいけどね」

「私も出来ればそうしたいのだが……やはり準備に5年……6年ほどはかかってしまうのだよ」


「その通りだ! 本来ならもうすぐ計画を実行する所だったんだがな!」

「あ……ガイア!」


 ガイアは俺達の前に突然現れ、説明を始めた。


「フィアンよ……我輩達の作戦にはな、レッドとレッドと契約している大精霊の力が必須なのだ」

「大精霊の力……」

「そうだ。小僧も少しは聞いた事があるだろう。精霊界という存在を」

「ああ……ルーネから少し聞いた事があるよ」

「精霊界は別の次元にあるといってもいい。そして、精霊界とこの世界を繋ぐ出入り口は、場所を問わずにかなり自由に生成できるのだ」

「えっと……どういうことだ……?」

「まぁ例えば、ここから精霊界に入り、精霊界から出る時に、別の場所から出る事ができる。最早転送といってもいい」

「すごい……でも精霊界には俺らは入れないだろう?」

「普通ならな! だが、そこで大精霊の力をお借りする! 大精霊の力で一瞬だけ精霊界を経由し、他の場所に出る事ができるのだ!」

「ええ!! めちゃくちゃ凄いじゃないか!」

「ああ……だが、うっかり私が誰かに殺されてしまってね。大精霊の力を全て使ってしまったのだよ。再び力を使うには最低5年は力を溜めねばならぬのだよ」

「あ、あはは……」

「フィアン君。私の初めて(の死亡)を奪った責任……取ってもらうしかない!」

「なんだその言い方……すっげえ嫌な感じなんだけど……」


 レッドは背中から腕を回してきたが、俺も結果的に少し責任を感じている……振り払いにくい気分だな全く……。


「レッドさん……フィアンさんにべたべた近づかないで下さいっ!」


 ルーネがまたレッドを押し退けてくれた。ありがとうルーネ!! 


「ちっ小娘め。私の邪魔ばかりするのはやめたまえ……」

「やめませんっ! フィアンさんの身に危険が及んだら、守るのもまた精霊の役目ですからねっ!」

「ふむ……いつ危険が及んだのか……理解に苦しむね……」

「とりあえずレッド! 後ろに回りこんで何度もくっつくな! 恐怖を感じるっての……それより、ガイア! 続きを教えて欲しい!」

「今ので概ね話は終わりだ! とにかく準備に5年以上は必要なのだ。小僧はその間にしっかりと鍛錬に励め! 作戦決行の日、今の様な雑魚なら小僧に用はない!」

「5年だろ……? やってやるよ。ここに居る誰よりも強くなってやる……!」

「流石フィアン君だ! 言う事が大きい……!」

「がっはっは! その意気だ小僧! 我輩達の修行は辛く苦しいが出し惜しみはせぬぞ……?」

「望む所だ……!」


 猶予は約5年間だ。今はただ、自身の力をつける事に集中しよう。

 こいつらと一緒に修行できるなら俺はもっと高見に行けるはずだ……。


「まずはヴィスターン! フィアンを見てやれい」

「はぁ……しょうがないな……フィアン、僕との修行で死んでも責任は取らないからね」

「その位きつい方が丁度良いよ。集中してやれる……」


 その日から俺の修行が始まった。


・・・

・・

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