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(完結済)異世界に転生したら俺が二人になってた。  作者: TOYA
第6章 ジャックの依頼編
175/356

173話 森の中の小さな村

――約1週間後


「本当に大きな森ですよねここ……」

「そうだな、道なき道が続いてるから進みにくいから余計かもな……」

「それにしても昼夜問わずシャドウを見かけませんね……」

「そういえばそうだな……」


「それはシャドウにも危険を察知する能力があるからですよっ」

「ほう。つまり俺達にびびって出てこないって事だな?」

「まぁ簡単に言うとそうですねっ流石フィアンさんです!」

「お陰で雑魚処理しなくて済むから助かるな!」

「まぁ代わりにといってはあれですけど……憑依型魔物も出てこないですけどね……」

「たしかに……新鮮なうさぎ肉が食いたいな……」

「ですねー。流石にデバシーに入れていても、ゆっくーりと鮮度は落ちていきますからね……」

「まぁ食いたくなったら罠でも設置すればいいだろう!」


――更に1週間後


 まだまだ同じような森の中は続く。シャドウも出てこないし、人の気配も今のところは全く無い。

 流石に見飽きてくる頃だな……。馬の上で出来る修行とかも限られている。この移動時間は勿体無いと感じてしまうな……。

 とりあえず今は、ソードカルテッドの闘気剣を自在に動かす練習をずっとしている。木の間に通してみたり、細い隙間に通してみたり……。繊細な操作が何時か必要になるかもしれないしな……。というかこれのせいでシャドウが寄って来ないのだろうか……。


「早く……天衣を習得してえな……」

「そうですね。3文字だから条件も複雑なのでしょうか……」

「まぁ悩んでいても仕方ねーか……」

「ですね……」

「お、マップ上に何か変わった形が……。あ、村っぽいぞ!」

「……本当ですね! これは村に違い無さそうです……まさか故郷以外にこの森に村があるとは!」

「大発見だなこれは! もしかしたら新たに交流が出来る村かもしれないね! 寄って見ようぜ!」


 そうして俺達は、デバシー上に表示された村っぽい所へ向かう事にした。


・・・


「おい……なんだよこれ……」

「ひどいですね……」


 村と思われた場所までくるとそこは悲惨な状況となっていた。

 家は燃やされ朽ちており、まだ焦げ臭さが漂っている。もはや完全に廃墟と化していた。


「まだ、そこまで時間が経ってなさそうですね……」

「ひでえ……」


 俺は村の入り口に落ちていた真っ黒焦げになった衣服に触れた。その間からはネックレスの様な物が出てきた。

 衣服が残って身に着けていたであろうアクセサリが落ちている……。これはつまり殺されたって事で間違いないだろう。


「だれが……何の為に……!」

「フィアン! あの2件目の小屋に……人の気配がします……」

「む、本当だな……」


 目の前の光景に苛立っていた俺は、その気配にすら気づくことが出来ていなかった。相変わらずだな俺は……。


「様子を見ましょうか」

「ああ……」


 俺達はその小屋へと足を運んだ。完全に屋根は燃えて朽ちており、木の柱は真っ黒、空が丸見えの状態だ。


「気配は確かにこの辺なんだが……」

「……ここの床、開くようになってる……」


 テーネは小屋の墨にある床を触っている。


「本当ですね。ナイスですよ、テーネ!」

「よし、開けるぞ……?」


 俺達は身長にその床扉を開いた。


――シュッ! 


「うお!! あぶな!」


 扉を開いた瞬間、槍が隙間から飛び出してきた。


「近づくな!!」

「子供……?」


 隙間から顔を覗かせたのは多分俺らより少しだけ年下の男の子と、その後ろに隠れている女の子の二人だった。


「待って下さい。貴方達に危害を加えるつもりは無いです」

「嘘つくな! お前らもあいつらの仲間だろ! 信じるもんか!」


 そういいながら少年は槍を突きまくって入れてくれようとしない。


「おい落ち着けって! 俺らは今来た所で何もしらねーんだよ! それによく見ろ! 俺らは君と同じくらいの歳だ! こんな子供を連れてるような集団だったのか……?」

「……確かに……」


 少し落ち着きを取り戻したのか、少年は槍の動きを止めた。突き出してる状態なのは変わらないが……。

 その様子をじっと無表情で見ていた少女は少年の手を取って目を見つめた。


「こいつらは大丈夫なんだな……?」


 無言の少女に少年は語りかける。その際に少女はうんうんと頷き少年は槍を納めた。


「悪かった……。お前らに悪意は無さそうだ……」

「よかった。それより何故こうなったのか教えてくれないか? とりあえず……そこの湖の近くで食事でもしながらね」


 そういった瞬間、少年少女のお腹がなった。


・・・


「これ、すごく美味しいぞ!」

「当たり前だろ。フィアンさん特製のサンドイッチだからな!」


 少女もだんまりのままだが、ガツガツ美味しそうに食べているようで安心した。


「そんな急いで食べなくても逃げませんよ。ほら、水もどうぞ」

「げほっごほっ……有難うネビア兄ちゃん」


 出していた食事を全て平らげ、かなり落ち着きを取り戻したようだ。


「さて……じゃぁ教えてくれないか。ここで何があったのかを」

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