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(完結済)異世界に転生したら俺が二人になってた。  作者: TOYA
第6章 ジャックの依頼編
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172話 また、故郷を出発

「よし、準備は出来たな……」

「ですね」

「もう行くのかい?」

「いくよ! こうしてる間にもランク10はきっと暴れてる。早く倒してあげないとね」

「本当に、話の次元が違いすぎてもうついていけないレベルだよ……。父さんも一応元天族なのに……この差は本当になんだろうね」

「それはきっと小さい時から俺らにずっと修行付けてくれたからだよ。あれが無かったら今は無いと思う。本当にありがとう」

「気をつけていくのよ二人とも!」

「分かってますよ。それに今はもう二人じゃない。ルーネとテーネも居ますから」

「お父様お母様! 二人は私達でしっかりと守りますからねっ! 任せて下さいっ!」

「頼もしい精霊さん達だね。二人を宜しく頼むよ」


「はい!!」(あわわ! お父様から任せられましたよ! これはもうフィアンさんのご両親との顔合わせはもうばっちりという事にっっ! )

「えっと……じゃぁそろそろ行くよ。ルーネ」

「はぁい!」

「なんか元気になったね……?」

「えへへ。気のせいですよっ。さぁ行きましょうっ!」


「テーネも何か嬉しい事ありました?」

「……気にするな。問題なし」


「じゃぁ行ってきます!」


 そうして俺達はそれぞれ馬に乗り、フォート領を目指す事にした。


・・・


「こうして、アルネさん抜きで長旅するのは初めてですね」

「そうだな。ダンジョンでは長居しまくってたけど、地上は初だな!」


 馬に跨りながらほどよいペースで進んでいる。相変わらず森の中は瘴気で溢れてはいるが、ダンジョンの比べたら新鮮な空気といっても良いレベルだ。

 でもこの瘴気でも村の人は出て行くことが出来ない。シャドウも出てくるし危ない道中には間違いないのだ。

 俺は初心はなるべく忘れないようにしている。これも今まで油断しまくったからと言うのも大きな原因ではあるが……。

 自分は良くても、例えば村の人を守らなければならなくなった時、この辺に連れてきてはその村人は苦しみ、最悪死に至るだろう。

 自身がどれだけ強くなっても、強くない人たちの立場は忘れてはならない。それだけは肝に銘じておこう。


「それより……フォート城まではどの位かかるんだっけ?」

「えーっとですね。森の関所まで2週間、そこからフォート城までも2週間……約1ヶ月位ですね」

「げ……結構遠いんだな……」

「まぁここで焦っても仕方ありません。ペースを崩さずにさくさく行きましょう」

「だな……」


 それにしても、相変わらず、デバシーが無ければすぐに迷いそうな森だな……。こっち側にはあまり来た事がないから一切マッピングされていない。

 しかし、こうやってマッピングされていく様を見ながら進んでいくのも何故か楽しい。


「あ……ネビア! ちょい右にずれた所に湖があるみたいだ。少し休憩していこうぜ」

「そうですね。かれこれ半日以上は移動しっぱなしですもんね」


 俺達は少し方向転換し、湖の方へと向かった。


「ふう、ずっと馬に乗りっぱなしだとお尻が痛いですね……」

「お尻に魔装魂を厚めに貼っておくとだいぶ軽減するぞ?」

「は! それは思いつきませんでした」

「俺はこの通り尻は元気だ!」

「いや、この通りって言われてもよく分からないですけどね……」


 すこし大きめな湖があるここは、他の場所より少し明るくなっている。基本的に森の中は木の葉が光を遮り、常に薄暗い場所ばかりだ。

 だけどこの湖の上は日が他の場所よりしっかりと差し込んでおり、その光が湖に反射して幻想的な明るさを保っている。

 また、湖の水は非常に綺麗な水だった。この辺りは瘴気も薄くなっており、過ごしやすい。まるで砂漠の中にあるオアシスの様な場所だ。


「程よい湿気が良い感じですねっ」


 ルーネは深呼吸をしている。この周囲の環境なら村の人たちも住めそうなレベルだよな……。ここまで来るのが大変だけども……。


ブルル……

「……馬さんお疲れ。いっぱい飲め」


 テーネは馬の様子を見てくれている。馬の体力もしっかりと管理しなくてはならない。最初、この世界の馬がどれ程の体力があるのかはよく分からなかったが、これもアルネさんと旅を下おかげで何となく分かるようになっている。


「さて……食事が出来たよ」

「うわあ。良い匂いがしますね!」


 今日の食事はバラ肉を燻製熟成した肉……ようするにベーコンだな。この厚いベーコンにはちみつを塗って焼き、それとレタスのような野菜をパンで挟んだサンドイッチだ。


「セントラルで色々買い揃えておいて良かったですね!」

「そうだな! 毎日干し肉とパンとスープを同じように食うのは飽きるしな……」


 セントラルでは色々な食材や調味料が売られていた。

 とりあえず砂糖・塩・はちみつ(の様な調味料たち)は見つけた瞬間速攻で買った。めちゃくちゃ高かったけどな……。


「ベーコンがかりっとしていて美味しいですっ! もっとはちみつ感が出てくると思ったんですけど……あまり主張せず、いい調和を生んでいますね!」


 ルーネがおいしそうに食っている。なんとなーく食レポ風に話すのは相変わらずだが……。


「まぁでも俺ら、料理なんか出来ないから、焼いたり挟んだりするだけだよ!」

「ですねー。まぁそんなに食に対して関心がないから全然気にならないですけど……」


 そんな会話をしながら食事を終え、一息ついた。

 さて……まだまだ先は長い。しっかりと頑張っていこう。

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