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(完結済)異世界に転生したら俺が二人になってた。  作者: TOYA
第5章 覚醒・地下ダンジョン突入編
144/356

143話 一足先に。

「ん、おはよう御座います」

「おはよう。お腹すいた」

「ですね。今から出すので待ってくださいね」


 時間で言えばまだ朝の4時頃だ。昨日早く寝すぎたのもあって凄く早起きになってしまった。ただ、時間帯が関係したりするのかは分からないが、朝は瘴気が薄めな気がするな。

 とりあえずデバシーから小さい鍋とパン、シャドウラビットの肉を取り出し、朝食の用意をした。

 シャドウラビットなんだけど、まるごとデバシーに入れようとすると入らず、切り分けた肉の状態にすれば入れることができた。この違いはよく分からないが、死体と認識されるような物は入らない……のだろうか。魂片もある意味死体のような物だしな……犯罪防止機能かな?


「テーネ。出来ましたよ。頂きましょう」

「いただきますっ」


 ここからも体力は使うだろう。しっかりと肉を食って力を付けないといけないな。

 朝食を済ました後は、そのまま5階へと降りて行った。


「5階もそこまで雰囲気は変わらないですね」

「……油断せずに行こう」

「そうですね!」


 目の前には大きめのフロアが広がっており、ハイシャドウ2体でお出迎えをしてくれた。今の所ウォーカーすら出ていない。

 ここまで来て思ったのは、ダンジョンの構造は非常に分かりやすいものだ。基本的に開けたフロアがあって、そのフロアからいくつか通路が伸びている。

 そして通路を通った先はまたフロア……とこんな感じだ。とにかく結構な広さなんだが、こんなのが地下に広がっている学園って地震とかで陥没とかしないのか心配だったが……。

 壁とかも魔法が当たっても一切傷が付かないし、少し傷が付いたとしてもすぐに再生していく。地下がこんな穴あきでも学園が陥没しない理由はきっとこの強靭な壁のお陰だろう。

 また、一つ下の階に行く階段はとても長いので一つ一つの階は結構離れていると思われる。


「む、あれは……」


 どんどんと奥へ進んでいくと、また大き目のフロアが出てきた。そのフロアは他のは違って、壁が一面瘴気に覆われている。異質な感じだ。


「とにかく入ってみましょうか」

「ネビア……少しだけいやな感じがする。気をつけて」

「わかったよテーネ」


 とにかくそのフロアに入らないと始まらない。さっきまでは歯ごたえが無さ過ぎたから、少しわくわくしてきた。


「テーネ。相手によっては纏をします」

「……いつでも」


 そのままそのフロアに侵入した。すると中央で瘴気が集まり、一体のシャドウウォーカーが現れた。この瘴気で入り口が塞がれると思ったが、幸い開いたままだ。最悪この場から逃げる事も出来るって事だ。

 まぁ逃げられると言っても……。


――ウィンドスピア


「あれ……壁の瘴気が消えてきましたね……」

「……終わり」

「とにかく、降りる階段が見えましたね……。行きましょう」


 今のはボスなのか……? とにかく5階を踏破し、待ち合わせになっている6階へと到着した。

 階段の途中で壁の色が変わっていることに気が付いた。さっきまでは黄色っぽい砂の様な色だったのだが、その黄色が濃く深い黄色になっている。

 一番の違いに気づいたのはダンジョンストーンだ。4階のものと比べると硬度も輝きも全く異なる。

 テーネはそれを見るといっぱい抱えてた1階から4階のダンジョンストーンを全部捨てて、5階の奴を集め始めた。

 5階毎に大きくダンジョンが変わると言っていたよな……。本当にその通りだなと実感した瞬間だった。


「ネビア、シャドウが近い。集中して」

「灰色ウォーカー2体ですか……さっきのボス? がもう雑魚として登場ですね……」


――ウインドスピアx2


 灰色ウォーカーならいくら出てこようと大丈夫だが……とにかくここが集合場所になっているし、6階は全フロア探索してみようか。

 出発してから22時間程か……。これが早いのかどうかは分からないけれど、ケイト達が出発するのは3日目から……となると結構待たないといけないな……。

 そして僕はそのまま6階全部踏破するべく、歩き始める事にした。


・・・

・・


――また時間少し遡り……ダンジョン入り口 フィアン


「む……?」

「フィアン。気づいたか」

「そうだね……光っては無いけど……恐怖心の様なものが伝わってくる」

「恐怖心? そこまで分かるのか君は……」

「あれ、エリリアさんは何に気づいたの?」

「いや、単純にセーフティリンクから来る乱れに……だよ」

「ふむふむ。これは多分、シャドウと交戦しているね。無事に切り抜けられるかあるいは……」

「本当に凄いな……」

「そうなのかな? 修行の成果って奴かな!」

「それもあるが、センスが本当に素晴らしいよ。例えが悪いが、魚釣りで言うと、一般的に魚が餌をつついているってのは何となく分かるが、どんな気持ちでつついているかは分からない。だが君には分かってしまうんだ。これがどれ程凄い事か……」

「買かぶり過ぎだよ! そこまで褒めてもらえたら凄く嬉しいけどね!」

「とにかく、そこまで分かるなら光らなくても危険で救助に行かないといけないタイミングはわかるね!」

「おう! 任せとけ!」


 救助係の監視は続く……。

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