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(完結済)異世界に転生したら俺が二人になってた。  作者: TOYA
第5章 覚醒・地下ダンジョン突入編
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140話 そろそろ!

「エリリア、全員入ったみたいだ」

「よし、では門だけは閉めておくよ」


 封印扉は中に人が居る場合どれだけ力を入れても閉じる事は出来ない。

 だから手前の門を閉め、警備員を配置、浄化の光も設置し更に封印扉に入る手前にも浄化の光を設置する徹底振りだ。厳重にシャドウが外に漏れないようにしている。


 だが、それ以上の中の場所には設置しない。単純な理由だが、浄化の光の効力が長く持続出来ないからだ。これはこの地下ダンジョンの特性らしく、浄化の光は想定の持続時間の半分以下ほどしか持続してくれない。故に何度も設置する必要が出てきてしまう。

 極意瞑想でその場から基本的に動かなくなるので、何度も設置しなおさないといけない場所には最初から設置しないと言うわけだ。


「さて、私達も入場しようか」

「了解!」


 もうすぐ始まると思うと結構緊張してきた。あんな大勢の命を俺が守らないといけないからな……。

 気分的には遠足引率の先生って所だろうか。そんなゆるいものではないか……。


 中に入ると、皆大人しく待っていた。瘴気も出てるし、気が引き締まってきたのだろうな。

 フロアの中央には大きめの柱が妙な圧迫感を醸し出しながら立っている。

 聞くと、ダンジョンアタック自体が初めてって奴が大半を占めるらしい。


「いや、その歳で通常のダンジョンとシャドウホール型ダンジョンを踏破してるって方がめちゃくちゃだよ……?」


 エリリアにそう言われたが、え? そうですか? とはならなかった。自分が結構頑張っていると自負している! 色んな人を見て、色々な強さと言うものを見てきた。

 そうしている内に常識的な強さと、異常な強さ……その辺は多少理解できるようになっている……はずだ!

 その考えも、天上要塞での任務が始まると大きく変わるかもしれないが……。


 とにかく、この歳ではダンジョンアタックはもちろんシャドウ討伐すらした事が無い奴も多い。今回選ばれた20組に関しては、皆シャドウ討伐歴があり、言うなればこの学園の先鋭学生達なのである。

 ネビアとケイト達以外は俺なら皆1発で倒せそうだけどな……。さて、馬鹿なことを考えている内に準備が整ったようだ。


「皆、それぞれの道へついたな! セーフティリンクを繋げていくからそこで待機してくれ!」


 そうしてそれぞれの人にセーフティリンクを繋げ、それをパーティ毎にまとめ柱に繋げていった。


「ネビア……気をつけるんだぞ」

「わかってますよ。まさかソロでダンジョンアタックする日が来るとは思いませんでしたけどね……。カースドシールドを極めておいて本当に良かったです」

「そうだな。俺も後で必ず行くからな」

「20階……頑張りましょう」


 そんな会話をしながらネビアにもセーフティリンクを繋げ、全員分繋ぎ終えた。


「さて……。準備は完了だよ。皆必ず生きて帰ること! 何度も言うが、演習と言ってもシャドウは沢山居るし、影からの不意打ちも十分に起こりうる……。全方位しっかりと警戒し、自分の行ける限界を目指せ! 但し! 戻る体力も計算しておくんだぞ」

「この演習での最高記録は9階だ! 今回、それを越えるものが現れる事を楽しみにしているぞ! 自力で行って、帰ってきた者のみ記録されるからな!」


「あの! どうやって何階まで行ったかを判断するんですか?」

「それは今から説明するよ! このダンジョンにはダンジョンストーンと言う鉱石が各階色々な所に生えているんだ」


・ダンジョンストーン

地下へと降りていくダンジョンによく生成されている。綺麗な水晶の様なものだが割ると木の年輪のような模様が出来ており、それが階層と綺麗に一致している。


「参加してこれを持って帰ることが唯一の証明さ!」

「なるほど。ありがとうございます」

「黄色く光っているから見つけたらすぐに分かるはずだよ。このストーンがダンジョン内の明るさを保ってくれているんだ。非常に綺麗な鉱石だから、アクセサリ等にも使われる事があるね! 深くに生えているダンジョンストーンは硬度もあるから、武器などにも使える万能な材料だよ。まぁ武器に使える硬度は20階以降だけどね……」

「じゃぁ説明にあった、レジェンドパーティは32階でそれを持ち帰ったって事ですか!」

「もうすぐ始まるのにここで質問が多いね……君の言うとおりだよ。その階層になると数も減ってくるから、1本持って帰れたら本当にラッキーだね。そのストーンで作られた[ソードブレイカー・DS32]はオリハルコン鉱石を遥かに越える硬度だ。最強の剣の一つと言っていい……。所持者はもちろんそのパーティの者が持っている。私も実際には見たことは無いねえ」

「おおー」


 いい事を聞いたな……。ダンジョンストーンか。どんな物か楽しみだな……。俺にはシャドウノヴァがあるからとりあえず不要だけど、予備の剣として持つのにはいいかもしれない……。


「では、そろそろいいかな? 皆入場の準備を!」


 やっとひと段落着いたところで各人改めて配置についた。


「では……各自自分のタイミングでその入り口を進むんだ!」


 その一声で皆パーティ毎に掛け声してから入場したり、緊張した姿で皆で入場したりいう感じで次々と入っていった。

 ネビアも軽く俺に手を振りそのまま入っていった。そして、キャップ達も静かに入っていった……途中から凄くおとなしかったな……。緊張しているのかもしれないな。


「よしフィアン! 私と二人でこっからは極意瞑想監視だよ。とりあえず食糧はきっちりと時間になったら摂取する。トイレに行きたくなったら、あの隅でしてきな。深い穴が掘られているから見たら分かる。水魔法でしっかりと流すんだよ?」

「え……エリリアさんはどうするの?」

「フィアンと一緒だ」

「りょ……了解」


 いや……少し離れているからといっても音とかは聞こえてしまうと思うんですが……。俺、あんな所じゃ出るものもでないよ……。

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