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(完結済)異世界に転生したら俺が二人になってた。  作者: TOYA
第5章 覚醒・地下ダンジョン突入編
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122話 やることは同じ

「ひいい……! もう降参だ! 許してくれ!」

「許すって何? 僕に何かメリットでもあるの?」

「そ……それは……!」


――ザシュッ


「かは……ッ!」

「ひ……ひいい!」


「逃がさないよ!」


 そういって逃げ出した一人を追いかけようとした瞬間、辛うじて生きていた隊長が足を掴んだ。


「逃がさぬ……あいつが応援を呼んでくれる……! お前はもう……終わりだ!」

「ふん……隊長さん、大人しく死んでてくれないかな」


――ザンッ


「ちっ……逃がしたな……。応援を呼ばれると面倒だね……」


 そう言った後、ヴィスターンはその場から闇に消えていった。


・・・

・・


「大天使様!」

「どうしたんじゃ騒がしいのう」

「派遣した調査兵達が壊滅しました……」

「なんじゃと……。全員天衣を開眼してて隊長は軍曹じゃぞ……?」

「辛うじて生き残った一人に事情を聞きました。ヴィスターンが現れたそうです……」

「ヴィスターンめ……! 奴が現れたのか……」

「追加で調査を送りますか?」

「いや、やめておくんじゃ。奴がうろついているとなると、死にいくのと同じじゃ……。一旦様子を見るんじゃ」

「承知しました」


「ヴィスターン……よもや軍曹級でもまるで歯が立たぬか……」


・・・

・・


「フィアンさん! フィアンさーん!」

「ん……? あ……ルーネ!」

「よかった! やっと目を覚ましました!」

「あれ……戻った……のか」

「そうみたいですね……」

「おお、ネビアも! ちゃんと上半身と下半身が……うん! くっついてる!」

「フィアンも一回離れてたでしょう!」

「あはは。そうだった」

「……」


「悔しいですね……」

「そうだな……」


 ネアンになった時に記憶は鮮明に残るものだとは思っていなかったが、今回に関してはしっかりと記憶している……。

 あの悔しい思いも……まったく同じ気持ちだ。ネビアもきっとそうなんだろうな。


「てか……ネビア。レッドと二人の時に……色々あったんだな」

「そういったら……フィアンもでしょう」


「本当に……これで良かったのかな……」

「考えても……もうレッドを殺したって結果しか残ってません……。迷っても仕方が無いです」

「そうだな」


「とにかく! あの状態では強くなれない……天族にもなったんだし、まずは天衣を習得しないとな」

「ですね」


 話は概ね固まったが、結局強くなるしかないって事だな……。この世界では力がないと何も出来ない。俺達がいる道では特に……な。


・・・


「おお! 二人とも! 二人に戻れたのか!」

「何か知らない間に戻れたよ!」

「そいつは良かったのう! んで、またなれるのかえ?」

「いや、それはまだ分かりません……。死に掛けないとなれないのかな……?」

「なるほどのう……。試すにはやはりリスクが高いのう」

「まぁとりあえず俺達も天族になったんだ! 天衣を早く覚えないとだ!」

「なに!! お主ら天族になれたのか! ついに!」

「そうだよ! あれ、言ってなかった……?」

「きいとらんわい! ……多分じゃが……」

「あはは。アルネさんも忙しいからね!」

「とにかく! 天衣名は授かったんじゃろ? なんじゃった?」

「俺は極光刃!」

「僕は冥暗陣です!」

「ふお! 3文字の上に特異種じゃな!! 凄すぎるぞい!」

「ふふふ……開眼したらアルネさんにも見せてあげるよ!」

「そいつは楽しみじゃのう!」


 そんな話をしながら、夕食をとり、翌朝を迎えた。


・・・


「アルネさん。無事に戻れたし、俺達はそろそろ学園に戻るよ」

「そうじゃな。戻る道も気をつけるんじゃよ」

「アルネさん、またお別れですね」

「そうじゃな……。たまには遊びに来るんじゃよ」

「そうだな! どうせ実家に帰る時に通る道だ。必ず立ち寄るよ!」

「まぁパーティには所属しとるんじゃ。何かあればメッセージを送るとしよう」

「うん! 俺達も何かあったら送るね!」


 一通り会話を終え、行こうとした時に女王が駆け寄ってきた。


「フィアンとネビアよ! 本当に有難う。必ずわが国は二人の助けとなろう」

「女王……有難う御座います」

「伝えたい事はそれだけだ。帰り道もしっかり気をつけるのだぞ」

「わかったよ! じゃぁ……そろそろ行くね」


 名残惜しいが、トゥーカとは一旦お別れだ。

 帰り道も空間移動できないかな……?

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