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(完結済)異世界に転生したら俺が二人になってた。  作者: TOYA
第4章 トゥーカ奪還編
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116話 vsレッド

「ルーネ!」

「テーネ!」


(フィアン)――纏光

(ネビア)――纏闇


 俺達はそれぞれ精霊を呼び出し纏を発動した。


「おお……素晴らしい力だね……! 少しピリピリと来るよ!」


 レッドはそういいながらレイピアを構えた。


「さて、どれ程の力か……私に見せてみるが良い!」


「言われなくとも分かっているよ! ネビア!」

「了解!」


(ネビア)――アブソリュートシャドウ

(フィアン)――ホーリーソード・カルテット


 ネビアはレッドより後方部に魔法を発動した。周囲を吸引する魔法だ。吸引力は凄まじいもんだ。体勢を崩した瞬間撃つ! 


「そのまま真っ直ぐ来るのか! 良い判断とは思えないな!」


 レッドは後ろの闇魔法には気づいていない隙はつけるだろう。


「やってみないとわからないだろう!」


(フィアン)――光魔装・一閃

剣先に光属性の闘気を込め、垂直に斬る。その後時間差で複数回ヒットする。


「そんな単調な攻撃……がっかりさせないでくれ……よ!?」


 俺が斬りかかる瞬間に後方の吸引が発動し、レッドの胴体が少し仰け反った。


「そのまま倒れろ!!」


 俺の光魔装・一閃は全部命中した。


「まだだ!」


(フィアン)――ソード・ライトエクスプロージョン


 俺の放った剣技でレッドとその周囲は真っ白の光に包まれた。ほぼ即死レベルの技だと思うが……! 


「やったか!?」


 ついそう言い放った瞬間、おぞましい感覚が全身を襲った。


「ふふふ……いいぞ……! とても良い! 私がただのエルフ族だったら今ので死んでいただろうな……!」


 目の前には真っ赤な炎のような片翼を生やしたレッドが立っていた。


「片翼……! レッドお前やはり……!」

「驚いたかな? 私は堕天使なのだよ……。堕天していても光魔法はあまり効かなくてね……。つい危険を感じてこの姿になってしまった……」

 

「堕天使にも光があまり通らないのか……!?」


 俺は絶望を感じていた。これから堕天使と戦う事が多いかもしれないのに俺の光属性が通用しない……本当にどうすれば良いんだ……! 


「実に……実に惜しいよ。もうこの姿……[堕天衣・赤壁]を纏ってしまったら、衝動は止められない……! ああ……! 早く……早くやりたい……!!」


 おぞましい恐怖感がまとわりつく……何なんだこいつは……! 異常すぎるだろう! 


「そう簡単にやられ……!」


~~業火・一閃


――ザンッ!


「は……!? ネビア!」

「フィアン……!」

「ああ、この死に行く魂片の散り方……いつ見ても美しい……!」


 地に足をついている筈なのに俺の視界は上へと登っていった。

 横には共に吹き飛んだネビアが見える。胴体の所で真っ二つになっているネビアの姿が……。

 ゆっくりと感じるこの時に何を思ったのか……俺達は空中で手を繋いだ。

 その瞬間また不思議な感覚に包まれ、視界がフェードアウトした。


・・・


 それは一瞬の出来事だった……と思う。我に返った私は前方のレッドの姿を見た。

 色々な情報が頭を駆け巡る……懐かしい感覚だが……意識ははっきりとしている。

 そして……一つ一つその情報は集約され……まとまっていく……。


「ふふふ……! やはり、君は実に面白い身体をしているんだね! フィアン君……いや……ネビア君かな……? 何と呼べば良いのだろうな!」


「……私は……ネアンだ!」


――ディスオーダーマジック・ペイン(無秩序な魔法・痛み)

光速の光魔法を機動力とし、超高威力の闇属性の槍を無数に放つ。


 複数のライトペイントを使い、瞬時に魔方陣を描いた。発動したことのない魔法のはずなのに魔方陣の形は頭の中で鮮明に浮かび上がっていた。

 その魔法は闇の槍を作り出し、槍の後方部分は光り輝いている。


「初めて見る魔法だな、だが、素晴らしい力を感じるよ……! さぁ、楽しませてもらおう!」


「すまないが……楽しむ時間はないと思うよ」


 私はそう言い、魔法を放った。その魔法は超光速の光を機動力とし、闇の槍の高威力を備えた槍だ。避けるのは非常に困難である。


――ザシュッ!! 


「かは……ッ。ふふ……素晴らしい……! まったく、見えなかったよ……!」


 複数の槍がレッドを貫き、その場で仰向けで倒れた。

 俺はその状態のレッドに近づき、顔を見た。


「ふ……残念だ……。もっと楽しみたかったのだが……ここまでの力とはな……」

「レッド……お前は何故堕天使になったんだ……?」

「けふ……ッ。私は天族を……腐ったあの体制を許すことが出来なかった……。何故……妹があんな目に合わなければ……」

「妹? 一体何をされたんだ!」

「ふふ……その話をするには時間が足りないな……。ああ……君を仲間として……アジトに招待できなかったのが残念でならない……。私の心残りは……それだけだ……」

「何を言っているんだ……殺そうとした癖に……!」

「確かに、そうだったな……。さて……そろそろお別れだ。私の魂片はどのように輝くのか……楽しみだ」


 そういってレッドは突然燃え始め、魂片と炎に包まれ消えていった。

 そしてその瞬間、俺たちは目の前が真っ白に輝き、光に包まれた。

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