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番外編2 理由(ワケ)
番外編の小話2です。
人を殺したことがある。
比喩でもなく、間接的でもなく、
この手
自分の手で。
あの日を今でも鮮明に思い出せる。
後悔なんてなかった。
ただ報いを受けて欲しかった。
私の両手はあの子の代わり。
優しいあの子のためにある。
あの頃は若かった。
今では人を何人も殺している。
数はわかるが思い出さないように。
ぼんやりと。
私の持論では殺される方がいつも悪だった。
だからそう遠くない未来で殺される私は悪でしかない。
私を殺す人の喜ぶ顔が目に浮かぶ。
ぼんやりと。
ここにいる理由を少し考える。
彼の中に感じるものがあったからか。
彼の中に何も感じなかったからか。
自分が滑稽に思える。
一体何をしてるんだろう。
慣れ親しんだ体に重みを感じながら、
私は本を開いた。
ありがとうございました。
次話は普通に戻ります。




