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第一話
12月25日
その日は世界中の子供達が、ソリに乗ってやってくる陽気な白ひげのおじいさんからのプレゼントを待ちわび眠る。
「ホッホッホ、良い子にしていたかな?」
眠る少年の枕元には、大きな包がひとつ。
たしか、この少年はラジコンが欲しいっていってたっけ。
「さて、次の家へ行こう。ワタル、先にソリに戻っていなさい」
僕は祖父が大好きだった。
サンタクロースとして街の子供達にプレゼントを配る姿が誇らしかった。
「ボク、大きくなったら、おじいちゃんみたいなサンタクロースになるね」
僕の子供の頃の夢は、サンタになることだった。
そしてそれは、今も変わらない。