離婚経験者が乙女ゲームの中に転生した話。
この作品は童話からその他に移行させて頂きました。
私もジャンル分類に疑問があった為です。
配慮不足があった点をお詫び申し上げます。
ある所に夢見がちな女の子がおりました。
少しぼんやりした所があって、みんなに心配されながらも育てられました。
そんな彼女はすくすくと成長し、すっかり大人になりました。
女の子は事務職として会社勤めをするようになり、日々一生懸命働きました。
新人指導をしてくれたイケメン敏腕上司の山内さんに、一目惚れしてしまったのが全ての始まりです。
彼女は山内さんに猛アタックをし、やがてゴールインしました。
初めのうちは、彼は優しく女の子は幸せでした。
しかし、山内さんは仕事が忙しいと言って、段々帰宅が不規則になっていったのです。
山内さんに家庭に入って欲しいと言われ、仕事をやめていた女の子はそれを信じました。
ところがある日、見知らぬ美しい女性が家に訪ねてきたのです。
山内さんと彼女は愛し合っていて、彼を幸せにしたいなら離婚して欲しいと女性は宣言しました。
女の子は頭が真っ白になりました。
夜に帰宅した山内さんに追及すると、彼女とは遊びだからすぐに別れると言いました。
彼女は浮気された事よりも、彼の不誠実な発言にショックを受けました。
それからというもの山内さんは浮気を繰り返しました。
彼は奥さんが許してくれるとすっかり信じていたのです。
女の子が疲れ果てて離婚を申し込んだのは、結婚3年目の春の事でした。
彼女はその時慰謝料請求の裁判で忙しく、ふらふらになっていました。
その帰り道、運悪く飲酒運転をしていた車に撥ねられ、女の子はアッサリと逝ってしまいました。
彼女が目を覚ますと、何故か広いベットの中で一人で寝ていました。
その時、傍らにいた真面目そうな男の子がそろそろ学校に行く時間だよと声を掛けました。
その時女の子はこの世界が「イケメンパラダイス 学園編」と言う乙女ゲームの中だと気が付きました。
男の子は、攻略対象の好感度を教えてくれる幼馴染兼サポートキャラでした。
彼女はそのさりげない優しさにいつも助けられてきた事を思い出しました。
学園に登校すると女の子はあっという間に攻略対象達に囲まれました。
資産家の一人息子のおっとりした青年に、剣道部の主将の寡黙でストイックな先輩、
学年主席の秀才の眼鏡キャラの同級生、モデルもやっている愛くるしい後輩など選り取り見取りです。
彼らは全員イケメンで何かしら秀でた特技があり、女性にもてました。
そして、恵まれた人特有の無神経さと傲慢さの影が何処かしらにちらついていました。
女の子は全然胸がときめきませんでした。
彼らとは距離を置くように心がけると、
あっと言う間に攻略対象たちは他の女の子に目移りし始めました。
彼女にとっては全てどうでもいいことでした。
そんな彼女の様子を心配した幼馴染と、
少しづつ距離が近くなり、やがてお付き合いをするようになりました。
彼はさえない外見に平凡な学業成績でしたが女の子の事をいつも気遣ってくれました。
休日にはいつも二人でデートをし、公園や図書館で楽しい時間を過ごしました。
彼は、どんな些細な話でも真剣に聞いてくれました。
彼女は彼の側にいるとほっと心がいやされました。
女の子は、山内さんとホッとした時間を過ごした事がないのに気が付きました。
彼女はそこで初めて、自分が男の人を外見や能力だけで判断していた事を理解しました。
自分にも悪い所があったと気が付いて、
過去の苦い経験が、やっと女の子の中で本当の思い出になりました。




