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脳移植したら世界が変わっただと?!  作者: 猫夏れい
第一章「脳移植と変化」
7/21

日常の始まり

六日目。

不沈艦と思い続けるコトにします。

自己暗示です。

 平日の朝。

 俺は今、とても眠い。

 どうも凛ちゃんは低血圧気味だったらしく、とにかく朝に弱い。

 そのため朝風呂に入って全身の血圧を上げなければならない。

 そうでないとマトモに考えることすらできないほど頭がクラクラするのだ。


 女子の身体というものには改めて不便なところが多いと感じた。

 まず髪の毛が長いとボサボサヘアーになるので櫛でとかなければならないと言う点。

 朝に髪の毛の手入れに時間をかけなければならないので大変だ。


 次も髪の毛はすぐ痛むのでしっかりと洗い方を根本から見直さなければならなかった。

 やはり適当にこするのではだめらしく、優しい手つきでやれと母から手ほどきを受けた。

 どうしてここまでして髪の毛を大事にするのだろうか、今だに理解できやしない。


 最後に生理がどうちゃらという点。

 これは保健で習った覚えが有るが疎かにした所為でよく理解し切っていない。

 よって割愛する。


 ザッと挙げるなら以上の三点だ。

 どれもこれも面倒なものばかりである。

 どうして女性と言うものはここまで手間をかけたがるのだろうか。

 元男子高校生の現役女子高校生でもこれを悟るのに時間がかかりそうだ。



「慧、髪の毛はちゃんと解いたの?」


「勿論。母さんのしつこい追及は面倒だしな」



 根にもたれるとこちらも困ってしまうと言うものだ。

 そのためそう言うものは予め済ませておくのに限るのだ。



「それに、久し振りの学校だしな」


「あら、学校に想い人? 慧も大人になったわね〜」


「やめてっ、それだとガールズラブになる」


「あらあら、私何も言ってないわよ。ただ単に想い人って言っただけじゃない。もしかして好きな女の子がいるの?」



 この人、尋常じゃないほどに面倒臭くて相手にしてられない!



「ふふふ、ほーら。早く支度してね。制服なら私が着させてあげるから、ね?」


「いや、そういう問題じゃないから」



 軽く抵抗してみるが俺の言葉も虚しく瞬く間に着替えさせられて行く。

 俺は着せ替え人形かよ。



「はい、おしまい」



 どうやら着せ替えが終わったらしく、手をパチパチと叩いて可愛いわねーと褒めてくる。

 可愛いと言われても正直な話、あまり実感が湧いて来ない。

 いや、確かにチャラ男にナンパされる程の可愛さはあるんだろうな。



「ん、それじゃ、行ってくるね」



 俺は真新しく買った制服で学校へと向かった。


 ——以上が家での出来事だ。


 問題なく学校に到着したのは良かったものの、指定された時間よりも早く到着してしまったのだ。

 そして周囲の生徒からは妙に視線を浴びた。

 これがルックスの高さのお陰だろうか。

 まあ、別に嬉しくとも何とも思わないが。



「失礼します、一年五組の秋元慧です」



 職員室に入るとこちらでも別の意味で先生方の視線を浴びた。

 一言で言い表すなら誰だこいつみたいな感じだろうか。

 中には俺のクラスを数回授業した先生が苦笑を浮かべているのが分かる。



「秋元か!」



 森川先生が小走りで俺の近くに来た。

 見た目はそこいらの中年男性、要するにおっさんだ。

 気さくな性格のため生徒からは人気はある。



「森川先生、久方ぶりです」



 嬉しそうな声でこちらに向かってくる担任に愛想笑いを浮かべながら軽く指摘をする。

 愛想笑いと言ってもそこまでぎこちない表情ではないだろう。

 母さんと練習したのだ。

 正確には昔に無理やりさせられたと言うのが正しいか。

 お陰でポーカーフェイスが得意だ。

 母さんにはいまだに通用しないのが残念だ。



「秋元、そろそろホームルームに行くから8分後くらいに教室に来い。場所は覚えてるよな?」


「そりゃあ勿論ですよ」



 カメラアイ所持者には普通に敵わないがそれでも記憶力には自信はあるのだ。



「じゃあ秋元、また後で」



 俺は先生が歩き去って行くのを見送った。


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