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脳移植したら世界が変わっただと?!  作者: 猫夏れい
第一章「脳移植と変化」
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とうに過ぎた初恋を探して

あれは一方的な出会い方、そして別れ方だったのを覚えている。あの頃の俺はまだ一人称が僕だった時期で、ドがつく程に真面目人間だった。

……良くも悪くもあの人のおかげで今の俺がある、というわけだ。



「って、そんな回想してる暇じゃないか」



小走りで帰り道を逆に行った俺は病院にたどり着いていた。スマホで時刻を見ると既に昼を回っていた。母さんに何があったのかくらいは聞かれるかもしれないが、たぶん優とかが上手くやってくれるはずだ。


この病院にいた期間は短くそこまで心当たりのようなものはない。どこに行けば出会えるのだろうか。分からないがやるだけやる。そうだろ、俺。



「俺次第、か……」



優の言葉がフラッシュバックする。

"お兄ちゃん"次第だよ、ね。

まぁ、十中八九わざとだよな。

鈍感だから分かりやすくしたんだよとかいう優の姿が簡単に想像できた。

優、ありがとうな。


ダメ元でナースセンターに立ち寄って見る。



「すみません。望月看美さんの病室は分かりますか?」



飛びつくようにナースセンターの看護士さんに話しかけたの少し驚かれた。



「……望月さん、ああ。分かりはするんだけど、ねぇ」



対応してくれた看護師さんは一応心当たりはあるようだが言葉を詰まらせる。和美にもあっていないと聞くからダメなのだろうか。



「お友達さんかな? あの子、家族以外は面会謝絶なんだって。はは……」



……この姿で彼氏とか付き合ってるとかは無理がありそうだ。世には百合なる属性もあるが望月先輩は多分違う。多分。


でもこの前とかそんなケがあった気もするけど忘れる。忘れた。



「……面会謝絶か」


「うん、望月さんあまり調子が良くないみたいでね」


「調子が悪い?」


「……あー。この話はナシね。心配になっちゃうようなこと行っちゃってごめんね」


「あ、いえ。私こそ忙しいところすみません」



病院で会うことが不可能となると、望月先輩が外出していることを願って思い出の場所にでも向かうか?

だからっていつもはあちらが押しかけてくる側だったから、俺は望月先輩の家を知らない。

ほかの思い出の場所はここから離れた公園は……、だめか。今はコンビニになっている。


よく考えれば明日や明後日、時間はまだある。でもなぜだか急がなくてはならない気がした。

悪い予感がする。


先程の看護師も俺と会話する時に目をそらすことが多かった。何かを隠していた可能性がある。



「あー、こういう時だけ無駄に気が回るっ」



悪い方に傾く訳じゃないが、そのあとが疲れるタイプなのだ。気苦労が一気に押し寄せる感じ。



「ええい、虱潰しに回るか」



分かる場所を全部回る。行き違いも起こるかもしれないけどそれはその時、行動するのみだ。


そう考えているあいだにも俺の身体は既に走り始めているのであった。

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