自覚のない自己犠牲
遅刻しました。
それでも連続更新は続けたいです。
今日で8日目です。
意識を失った後、次に目が覚めたのは四人部屋の病室だった。
話によれば峰が血まみれの俺をここまで連れて来てくれたらしい。
傷に関しては大事には至らず、医者の最大限の措置のお陰で跡も残らないそうだ。
無論親からは激しく叱責を受けて、その後に号泣されてしまいました。
本当に心配をかけてしまって申し訳ありませんでした。
ごめんなさい。
改めて謝ってあげないとな。
何て考えながら病室でぼーっとしていたら和美がお見舞いに来てくれた。
もうちょい別の人が来てくれても良かったんだがな。
まあ、来ないよりは嬉しいけども。
「慧君、お見舞いに来たよーっ!」
「和美、ありがとう」
「えへへ」
和美は俺のお礼に対してはにかむと例のごとく犬のようにすり寄ってくる。
「少しは俺のメンタル面に気を使ってくれないか?」
「女の子同士だしいいじゃんー!」
「いや、俺まだ自分以外の女子に慣れてないし……」
「あははー、そっかー」
和美は笑いながら認めてもなお、俺から離れようともしない。
「でもさ、慧君は学校に久しぶりに来たのにすぐに休むなんてねー。刺されたにしてもなにかしら理由があるんだよね?」
「ま、まあな」
和美は人の心を読む力があるらしくピタリと裏に何かあると見抜いてくる。
和美に隠し事はあまり出来そうにない。
観念した俺はありのままに起こったコトを和美に話した。
「——それでさ、峰が刺されそうになってたんだ。ほら、人が刺されるのっていやだろ? 自分が代わりになったほうがマシだって思って……」
唐突に和美が覆いかぶさってくる。
今ありのままに起こったコトを話す。
説明の最中に和美から俺に抱きついて来た。
さっきのとほとんど内容が変わらないな。
「——めだよ……」
「和美……?」
え!?
泣いてる?
ちょ、泣いてる!
急な自体に頭がついて行かずに真っ白になる。
「慧君、そんなコト言ったらダメだよ」
「え、そんなコトって?」
「……鈍感だなあ」
うるせえ。
一応自覚してんだからいちいち言うなよ。
「自分が代わりになったほうがマシだなんて思っちゃダメだよ」
「でもさ——」
「でも、じゃないよ。そんなコトを言うだけで沢山の人の想いが犠牲になるんだよ」
和美が俺の目をまっすぐと見据えている。
ピクリとも身体が動かない。
そして、俺は……。
泣いた。
なにが悔しかったのか、なにが悲しかったのかはわからない。
自然と目から溢れ出してくる熱いモノ。
「慧君……」
俺はただ和美を強く抱き返して泣いた。




