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契約せし者の双剣  作者: 葵セッカ
新しき選定者
9/21

戦争勃発

「みんな、落ち着いて!」

ヴェルズたちのいる場所にセリアの通った声が響く。

「あなたがルリア王国のヴェルズ・アルファルド様ですね?」

「ああ、そうだが、あなたは…セリア・サーシアさん?」

「はい」

「それで、俺に何か用?」

「はい。実は、此度の戦争、ルリア王国とセルフィア王国の戦争を止めてもらいたいのです」

「俺たちは侵す国を侵すどいう信条の下で戦争を起こしています。そして今回、あなた方セルフィア王国はフレイダ王国に宣戦した」

「はい。ですがそれはセルフィア王国の王、デギス・サーシアの独断です」

「サーシア王家の総意ではない、と?」

「はい。ですから…」

「では、こういうのはどうでしょう。俺たちは戦争を止めません。ですが、あなた方デギスを除くサーシア王家、及びセルフィア王国軍の兵士にはそちらからの攻撃がない限り、こちらも手は出しません」

「信じても良いのですね?」

「もちろんです」

「…分かりました。それともう一つ聞きたいのですが」

「なんでしょう?」

「ルリア王国はフィリアと何か関係があるのですか?」

「いいえ、ありません。あるのは俺の友人である奏皇真とリーフィズ・ネルヴィアです」

「そうですか。ありがとうございます。第一王子シグマとの会談の席も用意しておりますが、必要なさそえですね」

「はい、それでは」


「なあ、ジャグル」

「どうした?レナト」

「俺、多分初めてあいつの王様らしい対応を見た気がする」

「だろうな」



「いない!?いや、でも鐘の音はこっちから聞こえたはず…。ってことは、まさかあの三人のうちの誰かがあっちの人間だった、ってことか?」

皇真が来たのは城の裏手の東側だった。しかし、サラたち反政府軍が来たのは西側である。にもかかわらず、鐘の音は東側からだった。ということは、作戦に関わっているレヴィア、ルリ、フウカのうちの誰かが反政府軍の人間であったということになる。


その時、城の西側から大きな爆発音が鳴り響いた。そして、砂煙の中から現れたのは大きな顔だった。


サラ・ロゼの堕天魔はリセファという巨人の天使だった。堕転前の天使としての名前を知ることは出来ないが、その巨人の発する魔力から上位の物であると皇真は感じた。


「ちっ!憑依させるしかないか。

恐怖の象徴となりし天使よ、我が体に憑き魂の一部となれ。出でよイロウエル!」



西側は混沌としていた。

反政府軍にとって自分たちの大将が巨大化したのだから。

これに反応したのはヴェルズたちだった。

城の中央ではフィズがフィリアを、乙音が国民を、それぞれ避難させていた。


「どうなってんだよあれは!」

「黙れ、レナト!あとお前は中央へ行け。ジン、お前も一緒にだ!」

「分かりました。お二人は?」

「俺とジャグルはあの巨人の方へ行く!反政府軍の奴らも見殺しにするわけにもいかないしな」

「ヴェルズ、あれはやっぱり」

「おそらくペイン・フォイルニスだろうな。こんなことは予想していなかった。見込みが甘かったか。奴らがこんなところに首を突っ込まない訳もないか」




「ねえシュビレ。あれはなんだと思う?」

「巨人」

「それは分かってるわよ。私が言っているのはあの巨人の魔力が変じゃないかってこと」

「そういうことはちゃんと言って。アリアスが馬鹿になったのかもって思った」

「うるさいわね!早く答えなさい」

「あの人多分堕転してる」

「やっぱりそうか。母上、急がせますか?」

「いいえ、いいわカレア。もう少し様子も見たいから」

「分かりました」


「しかし、堕転ねえ」

「どうかした?」

「ええ。堕転しているのにあの巨人は天魔を使役しているように見えるの」

「それはあの人がペイン・フォイルニスだから」

「やっぱりそれかしら」


「ん?」

「どうしたの?シュビレ」

「大きな魔力を感じた。あれは…上位の天使?」

「あれは堕転してると思う?」

「…分からない。堕転しているようにも見えるし、していないようにも見える。それに…堕転の可能性を除いても変な感じ」

「どういうこと?」

「魔力に違和感がある。天魔と似ているの。それに…男?」

「天魔と似ている?男?何を言っているのあなたは」

「分からない。でもそんな感じ」




「あら、やっと来たわね。あなたがルリア王国のヴェルズ・アルファルド?」

「ああそうだ。お前はペイン・フォイルニスの誰だ?」

「あら、そこまでバレてたのね。私はペイン・フォイルニスのサラ・ロゼよ」


「あれ?ルリア王国のジン・アルタイルは?」

「うちのジンを知っているか。ジンはいないぞ」

「そう、残念」


「ジャグル」

ヴェルズがサラに聞こえない程度の声でジャグルに話す。

「俺はあいつを足止めする。その間に彼らを避難させろ」

「了解」


「それじゃあ話はここまでにしようか」

「そうね」


「行くぞ、津波フルート・ヴェレ

「ただの水で私の動きは封じれないわ」

「別に移動阻害の意図はないさ。落雷ブリッツ


「その程度じゃ効かないわよ。でも、反政府の子達には効いたんじゃない?」

「それもないだろうな」

「まあ、な。ただ、俺の衝撃波ショックベルもそろそろ限界が近いぞ」

「まあ、十分足止めになっただろ?」

「ギリギリだけどな」

「じゃあ今からは一対二か?」


「いえ、一対一です」

「お前誰だ!?」

「ちゃんと見ろヴェルズ。こいつは奏皇真だ」

「あ、ああ美乃梨の息子か」

「はい。二人は東側へ向かって下さい。もう一人いるかもしれません」

「わかった」

「頑張れよ、皇真」

「もちろんですよ」



「あなたが男の契約者?」

「ああ、そうだ」

「へえ、その格好、イロウエルね。沙玖夜の言っていたとおり」

「沙玖夜、か」

「確か、あなたの命の恩人よね?」

「一応な」

「ふうーん。素っ気ない態度ね。まあいいわ。始めましょうか、殺し合いを」




「レナトさん、止まって下さい!」

「なんで急に止まんだよ!」


「契約者の気配がします。ここから南西に150m程の場所、城の敷地内でしょう」

「見えるのか?」

「いえ、目視は出来ませんが感じます」

「どうする?」

「私がやります。レナトさんは先へ」

「分かった!そっちは任せる!」



「あら、ジン・アルタイル?」

「あなたは?」

「篠波夏奈。ペイン・フォイルニスよ」

「篠波…」

「ああ、そういうことね。私は篠波御奈の妹よ」

「そうですか」

「なんだ、釣れない。それにもう…。そんなに急がなくても私はここにいるよ?」


「あら、危ない。私もちゃんと戦おうかな。

顕現せよ、セラレイト」

「変な名前ですね」

「そうかしら?私は気に入ってるけど?自分のネーミングセンス」

堕天魔には名前が無いため、各々が名前を決める。なぜなら堕天魔との契約は異常なので、名付けられることが無いからである。

ネーミングセンスが崩壊しているサラの場合では、沙玖夜によってリセファと名付けられた。


「セラレイトは闇の光を定義する天使だったらしいの。あなたのそれ、ウリエルとは逆の存在かしら?」

「なぜ、堕転以前の天使の定義を知っているのですか?」

「さあね?でも、うちの組織(ペイン・フォイルニス)の研究者たちは優秀だからね。存在しない天使の定義も調べたんじゃない?」

「どちらにしろ美乃梨さんには及ばないでしょうね」

「なんだか自慢くさいわね。まあ、最終的には私たちみたいに実際に遣う人間の技量なんだけどね」

「あなたは絶対に私が殺します。親しい家族の恥晒しは私が討ちます」

「やってみなさい、未来の姪っ子さん」


「死ね、ゴミが」




「なあヴェルズ」

「なんだ?ジャグル」

「もうそろそろフレイダ王国の奴らが来てもおかしくないよな?」

「まあ、来てもおかしくないなー」

「じゃあ、あれって、フレイダ王国のシュビレ?」

「ああ、そうだろうな」


「ん?ヴェルズ?」

「あ、ああ。久しぶりだな、シュビレ」

「ええ、久しぶりね。ヴェルズも、ジャグルも」


「ジャグル、先に行ってくれ。俺はこのチビっ娘と話がある」

「ああ、わかった。でも戦うなよ?国壊れるから」



「それで?お前はなんでここにいるんだ?」

「対セルフィア王国の先発隊」

「嘘をつくな。またなんかやる気だろ」

「嘘じゃない。別に王様を先に殺してしまおうなんて思ってない」

「完全に本音出てるじゃねえか。言っとくがこの国に契約者はいねえんだぞ?」

「分かってる。だからこうして待っている」

「誰をだ?」

「奏皇真。四人目のレイジア(仮)」

「あいつならあっちで戦ってるぞ」

「誰と?」

「ペイン・フォイルニスの…」

「サラ・ロゼですよ。ヴェルズさん」

「おお、早かったな、皇真」

「いえ、私は奏皇真本人ではありません。奏皇真に生成された意思を持つ人形です」


「私は奏皇真の雄姿を見てくる」

「あっそ、死にそうでも放置しろよ」

「分かってらー。黙ってこの戦争終わらしやがれ畜生が」

棒読みでヴェルズに怒ったシュビレはヴェルズの指した方へ皇真の分身を連れて行った。

ヴェルズはというとシュビレの最後の発言に苦笑しながらジャグルを追った。


「あれ?そういえば、シュビレは何のために皇真待ってたんだ?聞くの忘れてたなー」



「フィーちゃんはリーちゃんとお城に戻って!」

「あなたは?」

「私はこの人たちを避難させないとね〜。フィーちゃんをよろしくね。あと、リーちゃん!私の事は乙音で良いからね?」

「うん。頑張って乙音」

「よろしくお願いします。乙音さん」

「うんっ!任しといて」



「フィリアさん、城内に誰かいますか?」

「レヴィアたちはいると思います」

「御兄弟姉妹(きょうだい)は?」

「四人ともいると思います」

「じゃあ、その人たちを呼んでもらっていいですか?」

「いいですけど、どうしてですか?」

兄弟姉妹きょうだいといた方が安心っていうのと、話を聞きたいっていうことかな」

「分かりました。部屋に案内します」



「フィリア様!ご無事でしたか。安心しました。ネルヴィア様も守って下さり感謝します」

城の前には破れた服を着ているレヴィアがいた。

そしてフィズは二人から離れた場所で敵が来ないか確認へ行った。

「レヴィアは大丈夫?それと、ルリとフウカは?みんな無事なの?」

「フィリア様ご自身で彼女たちに声をかけてあげて下さい。私がお送します」


to be continued...

次回はとてもとても短くなってしまいます。

申し訳ありません。

切りたいところがそこだったので……。

自分の文才の無さを改めて実感しました。

分かってはいたんですけどね。

こんな稚拙極まりない物ですが、これからも読んで頂けると幸いです。

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