描くこと / 喪失
『描くこと』
物語を綴るとき
私は美しく キラキラした言葉を選ぶ
見た人には 温かい そんな痕跡を刻みたいから
笑ってほしいから
泣いても
笑ってほしいから
でも
詩を描くとき
指先から零れるのは
暗くナイフのような叫び
闇
どちらも本当の自分だと
思う
そう
信じたい
そんな風に
泣きながら笑う
『喪失』
何かをしようと思う
何をしていいかわからないと思う
夢がないって こんなにも
辛いこと
こんな自分を想像できなかった
夢を追いかけて 死ぬ
そう思ってた
他に何もできないのに
たったひとつ握りしめていたものが
もうない
もう何もない
毎日楽しく生きてても
こんな自分じゃ 意味がない
もう一度 必死で握りしめるもの
放したくないと泣くもの
それが欲しい