soul4:会いたかったんだ
最終話です。
おれの名前は赤坂良平。
おれは、田斉愛美という女の子と付き合っている。
おれにはいつも連んでいる親友の府中和吉というのがいる。
もう1人小さい頃からの幼なじみの女の子栗木真由というのがいる。
親友の府中はおれの恋人の愛美とも友達だ。幼なじみの栗木も愛美とは友達だった。でも府中は栗木のことは知らなかった。
あの日、愛美の葬式で会うまでは…。
愛美は交通事故に遭い、その生涯を終えた。葬式でおれは悲しみに胸が押しつぶされそうになっていた。そこに親友の府中が話かけてきた。
「なぁ、あの子可愛くない?」
人の気も知らないでなにを言っているんだコイツはと思いながらも府中が指差したほうを見た。
そこには、幼なじみの栗木が立っていた。
「あぁ、あいつはおれの幼なじみの栗木真由だよ」
「なんだよ、お前あんな可愛い子と幼なじみなのか?なんで紹介してくれなかったんだよ?」
「なんでって…、別に、ってかお前いま葬式の最中だぞ」
「それもそうだけど…もしかしたらおれ一目惚れしちゃったのかも」
コイツ…、つい先日恋人を亡くした友達の前でする話かとか思っていたが悲しみのあまりそんなことを口にすることもできずに葬式は終わった。
「赤坂…、お前今夜どうするんだ?」
「おれは今夜ここに残るよ、もう少し愛美と一緒にいたい」
「そっか、じゃあおれは帰るからな。お疲れさま」
なんか今日の府中は無神経だな。もしかしたらあいつは愛美が死んだ悲しみを表に出さないように無理して元気なように振る舞ってるのかもな。
ダメだなおれは…。
2ヶ月後
「赤坂、あの子元気?」
「えっ?」
「ほら、お前の幼なじみの栗木真由って子」
「ああ、さぁね、あの葬式の日以来会ってないからな。なかなか忙しい子だから」
「そうなのか?おれも会いたいのになぁ」
「忙しい子だから難しいかもな」
「彼氏はいるのかな?」
「確か…いないみたいなこと言ってたような」
「じゃあチャンスだね。なんとか会えないかな」
「お前、すごい気に入ったみたいだな」
「うん、まぁね」
10日後
「赤坂君、なんで死んじゃったの?」
幼なじみの栗木が言った。
「彼、殺されたみたいだよ」
「あなたは?」
「おれはあいつの親友の府中って言います」
赤坂の葬式で約2ヶ月ぶりに府中は栗木と会っていた。はじめての会話だった。
「君に会いたかったんだ。はじめてみた時から一目惚れだった」
「やめて、赤坂君の葬式の最中よ」
「いいから、聞いて。彼から君のことは聞いてた。すごく忙しくて大変みたいだって」
「でも僕は君に会いたかったんだ。だから必死で考えたよ。君に会える方法を」
「やっといい手が浮かんだんだ。結果は予想通り君にまた会うことができた」
「え?どういうこと?」
「赤坂にも相談したんだ。君に会うためにおれが考えた方法の意見がほしくて」
「あいつは笑ってたよ。冗談だと思ったんだろうね」
「でも僕は本気で君に会いたかったんだ。だから実行したよ。君に会うために」
「赤坂のやつ、あまりの恐怖に顔がすごい引きつっていたよ」
「親友なんだからこのくらいこと素直に協力してくれればいいのに」
「あいつは抵抗したから、無理やり…」
「ちょっとまって、どういうことなの?意味がわからないんだけど」
「分からない?君に会うためにあいつを殺したんだよ。僕は」
「え…」
「君は忙しいらしいからさ。友達とかが死んで葬式やることになれば君に会えると思って」
「だから赤坂には協力してもらったんだ。ちょっと無理やりになったけど」
「あいつが死んでくれたおかげで君に会えたよ。感謝しなきゃね」
「一緒に暮らそう…………真由
赤坂の協力を無駄にしないためにも…」




