↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

⭕ ドラゴンスライムの冒険 上編


 むかし,むかし──とある洞窟の中で、1体のスライムさんが生(う)まれました。


 スライムさんはプルプルしていて、青(あお)空(ぞら)を思わせるような綺麗な蒼(あお)色(いろ)をしていました。


 生(う)まれたばかりのスライムさんはピョンピョンと飛び跳ねながら洞窟の中を移動します。


 ある時、スライムさんは大きな穴に落ちてしまい、洞窟の最下層へ落下してしまいました。


 スライムさんは洞窟の最下層で、ぼっちのドラゴンさんと出逢いました。


 ドラゴンさんは永い永い年(ねん)月(げつ)、ぼっち生活を続けていた為、寂しい思いをしていました。


 話し相手が欲しかったドラゴンさんは勇気を出(だ)すと、穴から落ちて途方に暮れていたスライムさんに話し掛けてみました。


 生(う)まれて間(ま)もないスライムさんは無知だったので、初めて出逢ったドラゴンさんを見ても恐がりませんでした。


 こうして出逢ってしまったスライムさんとドラゴンさんは種族の壁を越えて仲良くなり、友達になりました。




「 ちょっと良(い)いかな? 」

「 はい? 何(なん)です、マオ 」

「 何(なん)で『 出逢ってしまった 』って後ろ向きな言い方(かた)してるんだ? 普通は喜ばしい事だろ? 」

「 そんな事、ワタシが知りますか。これは創作物です。創作物の内容に突っ込んではいけません。創作物とは “ 大人の優しさ ” をフル回転させて読むものです 」

「 大人の優しさ?? 」

「 続きを読みます 」

「 う…うん…… 」




 スライムさんとドラゴンさんは種族の壁を越え、打ち解けて仲良く暮らしていました。


 ある日、ドラゴンさんはスライムさんに『 友達契約をしよう 』と提案しました。


 スライムさんはドラゴンさんの提案を聞いて不思議に思いました。


 スライムさんとドラゴンさんは既(すで)に仲良しな友達だったからです。


 友達のドラゴンさんが独占欲の強いストーカー気質を持つドラゴンだという事を純粋で無知なスライムさん知りませんでした。


 粘るドラゴンさんに根負けしたスライムさんは、ドラゴンさんの口(くち)車(ぐるま)にま(・)ん(・)ま(・)と乗せられ、“ 友達契約 ” をしてしまいました。


 ドラゴンさんの言う “ 友達契約 ” とは、スライムさんが考えていた “ 友達契約 ” とは異なる契約でした。


 “ 友達契約 ” だと嘘を吐(つ)き、スライムさんを騙して結(むす)んだ契約は “ 番(つがい)契約 ” だったのです!


 純粋で無知なスライムさんを騙し、まんまと “ 番(つがい)契約 ” を結(むす)んだドラゴンさんは、人型の姿に転身する事が出来るようになりました。


 3000年間、封じられていた人型の姿でした。




「 ちょっと良(い)いかな! 」

「 またです? 」

「 何(なん)だよ、このドラゴン! 人の姿に戻る為にだよ、何(なに)も知らないスライムを利用したって事か? 自分の目的を果たす為に “ 友達ごっこ ” をしてたって事かよ? 友達のフリをしてたのか? 」

「 そんな事、ワタシが知りますか。マオ、“ 大人の優しさ ” を忘れないでください 」

「 ………………オレは…このドラゴンを許さないぞ! 」

「 はいはい……。続きを読みます 」




 ドラゴンさんの容姿が人型に変わると、スライムさんの容姿も変わりました。


 スライムさんも人型の姿に転身する事が出来るようになったのです。


 人型の姿を得たスライムさんが、あまりにも美しかった為、欲情に駆られたドラゴンさんは無防備なスライムさんを押し倒してしまいました。


 スライムさんは無知なので、地面に押し倒されても “ きょとん ” としています。


 3000年間、禁欲をせざる終えなかったドラゴンさんは性欲に負けてしまい、友達のスライムさんを襲いました。


 然(しか)し、相手はスライムです。


 人型をしていても所詮はスライムなのです。


 スライムさんを強姦(れいぷ)する筈だったドラゴンさんは、逆にスライムさんに捕食されてしまいました。


 ドラゴンさんを体内に取り込んだスライムさん。


 スライムさんの意思とは関係無く、ドラゴンさんの身体(からだ)はシュワシュワと炭酸のように消化されていきます。


 みるみる内(うち)にドラゴンさんはスライムさんの体内に吸収されていきます。


 数(すう)分(ふん)後(ご)、スライムさんの体内にはドラゴンさんの姿も形も綺麗さっぱり消え去っていました。


 スライムさんは初めての捕食で、初めて出逢い、初めて友達になったドラゴンさんを吸収してしまったのです。


 ドラゴンさんを取り込み、吸収したスライムさんの体が光(ひか)りを放(はな)ちます。


 スライムさんは “ ドラゴンスライム ” と進化を遂げました。


 D(ドラゴン)S(スライム)へと進化をしたスライムさんは、大幅にLV(レベル)UP(アップ)を果たしました。


 ドラゴンさんが使えていた全(すべ)ての技(能力)を使えるようになったのです。


 友達を失いぼ(・)っ(・)ち(・)となってしまったD(ドラゴン)S(スライム)さんは、新たな友達を求める為、地上を目(め)指(ざ)す事にしました。


 最深部に生(は)えている草や花,ピカピカ光(ひか)る綺麗な石,大量の魔素を含んだ水──等(など)々(など)を飲(いん)食(しょく)しながら地上を目(め)指(ざ)しました。


 途中で遭遇する怪物(モンスター)を倒し、残さず捕食しながら地上を目(め)指(ざ)します。


 捕食をする事で怪物(モンスター)が使う技(能力)を使えるようになり、同じ技(能力)が統合されると勝手にLV(レベル)が上(あ)がってくれます。


 D(ドラゴン)S(スライム)さんは捕食すれば、捕食する程(ほど)、勝手に強くなっていきました。






 とうとう、洞窟から出(で)る事が出来たD(ドラゴン)S(スライム)さんは、森の中を移動します。


 森の中は様(さま)々(ざま)な木(き)々(ぎ)が生(お)い茂(しげ)り、日(にっ)光(こう)が当たりません。


 薄(うす)暗(ぐら)い森の中をD(ドラゴン)S(スライム)さんは進みます。


 森の中は洞窟の中よりも食料が豊富でD(ドラゴン)S(スライム)さんは楽しくて仕方ありません。


 彼方(あっち)で捕食──、此方(こっち)で捕食と食べ放題です。 


 見た事の無い怪物(モンスター)を捕食する楽しみも有ります。


 D(ドラゴン)S(スライム)さんは森の中で毎日、楽しく暮らしていました。






 森の中で暮らし始めて何(なん)百(びゃく)年(ねん)も経ちましたが、D(ドラゴン)S(スライム)さんに友達は居(お)らず、未(い)だにぼ(・)っ(・)ち(・)でした。


 遭遇する怪物(モンスター)はD(ドラゴン)S(スライム)さんへ敵意を剥き出(だ)し、襲い掛かって来(く)る為、話し相手にすらなってくれません。


 森の中に生息する怪物(モンスター)の殆(ほと)んどを捕食し、コンプリートしていたD(ドラゴン)S(スライム)さんは、森を出(で)る決意をしました。


 森を出(で)る為の新しい冒険が始まります。




「 ちょっと良(い)いかな? 」

「 今度は何(なん)です? 」

「 D(ドラゴン)S(スライム)ってさ、飛べないのか? 」

「 ワタシが知ると思います? 」

「 ………………ずっとスライムの姿なんだよな? 何(なん)で人型で動かないんだ? どんだけ強くなってるんだ? 」

「 読み進めていれば分かると思いますけど? 」

「 ドラゴンを吸収しちゃっただろ。“ 番(つがい)契約 ” って解除されたのかな? 」

「 マオ── 」

「 ご…ごめんって! 色(いろ)々(いろ)と気になっちゃって── 」

「 続きを読みます 」

「 う…うん── 」




 D(ドラゴン)S(スライム)さんは森を出(で)る為に進み続けます。


 くしゃみをしたD(ドラゴン)S(スライム)さんの左(さ)右(ゆう)からドラゴンの翼,背後にドラゴンの尻尾が現れました。


 D(ドラゴン)S(スライム)さんは左(さ)右(ゆう)の翼を動かしてみます。


 するとどうでしょう!


 D(ドラゴン)S(スライム)さんの体(からだ)が宙(ちゅう)を浮きます。


 自由に飛べるようになったD(ドラゴン)S(スライム)さんは、今迄よりも移動力(りょく)が大幅に上(あ)がりました。


 誰からも教えられる事もなく、パタパタと翼を動かしながら、器用に尻尾でバランスを取りながら、D(ドラゴン)S(スライム)さんは前へ進みます。


 覚えた様(さま)々(ざま)な技(能力)を駆使し、敵意と殺意を剥き出(だ)して襲い掛かって来(く)る怪物(モンスター)を倒しながら、捕食しながら進みます。


 背の高い木(き)々(ぎ)の上(うえ)へ上(あ)がると、森は果てしなく何(ど)処(こ)迄も続いています。


 それはま(・)る(・)で(・)青(あお)々(あお)とした大(たい)海(かい)の如(ごと)く────。


 果ての見えない緑(あお)々(あお)とした森(しん)海(かい)の上(うえ)をD(ドラゴン)S(スライム)さんは飛び続けます。




「 あのさ──、スライムは洞窟生(う)まれだったよな? 」

「 そうですね 」

「 何(なん)で大(たい)海(かい)を知ってるんだ? 」

「 マオ──、この創作物は第3者視点で書かれています。第3者とは作者の事です。作者視点で書かれた創作物の隅をつ(・)つ(・)く(・)のはルール違反です 」

「 ルールが有る読み物って何(なん)だよ…… 」

「 読者がイメージし易いように敢(あ)えて “ 青(あお)々(あお)とした大(たい)海(かい)の如(ごと)く” と書いているのでしょう。何(ど)処(こ)もスライムさん視点では書かれてませんよ 」

「 そうなんだ…… 」

「 続きを読みます 」

「 うん…… 」




 D(ドラゴン)S(スライム)さんは大(おお)空(ぞら)を支配している手(て)強(ごわ)い怪物(モンスター)にも怯(ひる)まず、勇(ゆう)猛(もう)果(か)敢(かん)に応戦し、先へ進み続けます。


 D(ドラゴン)S(スライム)となってから強くなった事で、余裕に武(ぶ)力(りょく)行(こう)使(し)で怪物(モンスター)を倒しては捕食していきます。


 果てしなく続く常(とこ)闇(やみ)に輝く星(ほし)空(ぞら)の美しさにD(ドラゴン)S(スライム)さんの心も弾みます。


 心(ここ)地(ち)好(よ)い風を切りながら、D(ドラゴン)S(スライム)さんの速度は自然に上(あ)がっていました。






 1ヵ月程(ほど)経(た)った頃でしょうか、D(ドラゴン)S(スライム)さんは食事をする為、森の中で怪物(モンスター)を捕食していました。


 その時(とき)、人型をした獣族の姿を見ました。


 獣族の全身は鱗に覆われています。


 様(さま)々(ざま)な色をした鱗が光(ひかり)の反射でキラキラと光(ひか)っていてます。


 とても綺麗で、D(ドラゴン)S(スライム)さんは怪物(モンスター)の捕食を中止すると獣族に近(ちか)付(づ)きました。


 近くで全身を鱗に覆われている獣族達を見ると、傷だらけで怪我をしているのが分かりました。


 D(ドラゴン)S(スライム)さんは傷だらけで怪我をしている獣族達の姿を見て、何(な)故(ぜ)か心がチクリ──と痛みました。


 チクリ──が何(なん)なのか、無知なD(ドラゴン)S(スライム)さんには分かりません。


 大きな獣族の他(ほか)にも小さな獣族の姿も視界に入(はい)ります。


 小さな獣族はと(・)て(・)も(・)弱っているように見えます。


 動けないのか、小さな獣族は横に倒れています。


 とても苦しそうで辛(つら)そうです。


 D(ドラゴン)S(スライム)さんの心がま(・)た(・)チクリ──と痛みました。


 D(ドラゴン)S(スライム)さんはコッソリと小さな獣族に近(ちか)付(づ)きます。


 怪我をしている場所にピッュと体内で内(ない)分(ぶん)泌(ぴつ)した液体を掛けてみました。


 すると、どうでしょう!!


 みるみる内(うち)に怪我が治り始め、綺麗に完治してしまいました。


 傷(きず)口(ぐち)も綺麗に消えています。


 D(ドラゴン)S(スライム)さんは喜びました。


 D(ドラゴン)S(スライム)さんは、体内で内(ない)分(ぶん)泌(ぴつ)した液体をピュッピュッ,ピュッピュッと怪我をしている獣族達に次(つぎ)々(つぎ)と掛けていきます。


 するとD(ドラゴン)S(スライム)さんは、大きな獣族から声(こえ)を掛けられました。


 友好的に声(こえ)を掛けられたのは、友達になったドラゴンさんの時(とき)以(い)来(らい)です!


 D(ドラゴン)S(スライム)さんは嬉しくなり、体をプルプルと震わせました。


 D(ドラゴン)S(スライム)さんは友達になったドラゴンさんと会話をした時(とき)のように “ 念話 ” を使う事にしました。


 “ 念話 ” とは種族が異なる者同士が言葉の壁を無視して話せる素晴らしい会話方法である事をドラゴンさんが生(せい)前(ぜん)に教えてくれた事でした。


 「 種族の異なる亜(あ)人(じん)族(ぞく)が出来るのだから、怪物(モンスター)同士でも可能な筈だ 」というドラゴンさんの言葉を思い出したのです。


 D(ドラゴン)S(スライム)さんは大抵の事ならば、出来てしまえる怪物(モンスター)です。


 声(こえ)を掛けてくれた獣族(亜人族)と会話をしたい一(いっ)心(しん)で、D(ドラゴン)S(スライム)さんは “ 念話 ” を使いました。


 念話は成功しました。


 D(ドラゴン)S(スライム)さんは獣族(亜人族)と種族の壁と言葉の壁を越えて会話をする事が出来たのです。


 D(ドラゴン)S(スライム)さんは、大きな獣族(亜人族)達と仲良くなりました。


 彼(かれ)等(ら)に出逢う前(まえ)に体験した些細な冒険の話(はなし)は、小さな獣族(亜人族)達の心を掴み、大(おお)いに喜ばれました。


 洞窟の中で生(う)まれた事──、捕食中(ちゅう)に深い穴へ落ちてしまった事──、ドラゴンさんと出逢い友達になった事──。


 D(ドラゴン)S(スライム)さんは話(はなし)を聞いてもらえるのが嬉しくて、ドラゴンさんとの話(はなし)に花を咲かせました。


 ドラゴンさんと “ 友達契約 ” をした事──、友達契約をした事で、ドラゴンさんと同じ人型の姿に転身が出来るようになった事──、ドラゴンさんと一体化した事──、ドラゴンさんの技(能力)を使えるようになり、唯(ただ)のベビースライムからD(ドラゴン)S(スライム)へ進化した事──。


 D(ドラゴン)S(スライム)さんの話(はなし)を楽しそうに聞いてくれていた獣族(亜人族)達の様子が一(いっ)変(ぺん)しました。


 何(なに)を思ったのか、大きな獣族(亜人族)達は、D(ドラゴン)S(スライム)さんの前(まえ)に両膝を付き、頭(こうべ)を垂(た)れると地面に額(ひたい)を擦り付け始めました。


 小さな獣族(亜人族)は大人達の姿を見て “ きょとん ” としています。


 D(ドラゴン)S(スライム)さんも何(なに)が起きているのか分からずに “ きょとん ” としています。


 何(な)故(ぜ)かD(ドラゴン)S(スライム)さんは、獣族(亜人族)の皆(みな)さんから忠誠を尽くされ、崇拝されるようになってしまいました。


 その日から、D(ドラゴン)S(スライム)さんは獣族(亜人族)の里で暮らす事になりました。


 D(ドラゴン)S(スライム)さんの為に立派な社(やしろ)を建てられ、獣族(亜人族)達から崇(あが)め奉(たてまつ)られるようになり、D(ドラゴン)S(スライム)さんは信仰の依(え)処(しょ)となりました。


 めでたし めでたし






「 えぇと…………何(なん)でD(ドラゴン)S(スライム)は獣族(亜人族)達に崇拝される事になったんだ?? ぼっちから卒業が出来たのは良(よ)かったと思うけど── 」

「 其(そ)処(こ)等(ら)編は【 ドラゴンスライムの冒険 中編 】で書かれると思いますけど? 」

「 これ、続きが有るんだ? 」

「 今、読んだのは【 ドラゴンスライムの冒険 上編 】ですし 」

「 そうなんだ……。ちょっと続編の内容が気になっちゃうよな。早く読んでくれよ、セロ! 」

「 中編は未(ま)だ発売されてませんよ。発売は来年の12月らしいです 」

「 えぇ!? 1年も待たないと駄目なのかよ?! 来年かぁ…… 」

「 ふふふ……。来年のクリスマスプレゼントに買います♪ 」

「 1年も待たされるのにクリスマスまで待てるかよ! 発売したら直(す)ぐ買って、読み聞かせてくれよな! 」

「 はいはい。分かりました 」











【 ドラゴンスライムの冒険 中編 】へ続く?

◎ 訂正しました。

  “ ドラゴンスライム ” と進化を遂げました。─→ “ ドラゴンスライム ” へと進化を遂げました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。