⭕ ドラゴンスライムの冒険 上編
むかし,むかし──とある洞窟の中で、1体のスライムさんが生まれました。
スライムさんはプルプルしていて、青空を思わせるような綺麗な蒼色をしていました。
生まれたばかりのスライムさんはピョンピョンと飛び跳ねながら洞窟の中を移動します。
ある時、スライムさんは大きな穴に落ちてしまい、洞窟の最下層へ落下してしまいました。
スライムさんは洞窟の最下層で、ぼっちのドラゴンさんと出逢いました。
ドラゴンさんは永い永い年月、ぼっち生活を続けていた為、寂しい思いをしていました。
話し相手が欲しかったドラゴンさんは勇気を出すと、穴から落ちて途方に暮れていたスライムさんに話し掛けてみました。
生まれて間もないスライムさんは無知だったので、初めて出逢ったドラゴンさんを見ても恐がりませんでした。
こうして出逢ってしまったスライムさんとドラゴンさんは種族の壁を越えて仲良くなり、友達になりました。
「 ちょっと良いかな? 」
「 はい? 何です、マオ 」
「 何で『 出逢ってしまった 』って後ろ向きな言い方してるんだ? 普通は喜ばしい事だろ? 」
「 そんな事、ワタシが知りますか。これは創作物です。創作物の内容に突っ込んではいけません。創作物とは “ 大人の優しさ ” をフル回転させて読むものです 」
「 大人の優しさ?? 」
「 続きを読みます 」
「 う…うん…… 」
スライムさんとドラゴンさんは種族の壁を越え、打ち解けて仲良く暮らしていました。
ある日、ドラゴンさんはスライムさんに『 友達契約をしよう 』と提案しました。
スライムさんはドラゴンさんの提案を聞いて不思議に思いました。
スライムさんとドラゴンさんは既に仲良しな友達だったからです。
友達のドラゴンさんが独占欲の強いストーカー気質を持つドラゴンだという事を純粋で無知なスライムさん知りませんでした。
粘るドラゴンさんに根負けしたスライムさんは、ドラゴンさんの口車にまんまと乗せられ、“ 友達契約 ” をしてしまいました。
ドラゴンさんの言う “ 友達契約 ” とは、スライムさんが考えていた “ 友達契約 ” とは異なる契約でした。
“ 友達契約 ” だと嘘を吐き、スライムさんを騙して結んだ契約は “ 番契約 ” だったのです!
純粋で無知なスライムさんを騙し、まんまと “ 番契約 ” を結んだドラゴンさんは、人型の姿に転身する事が出来るようになりました。
3000年間、封じられていた人型の姿でした。
「 ちょっと良いかな! 」
「 またです? 」
「 何だよ、このドラゴン! 人の姿に戻る為にだよ、何も知らないスライムを利用したって事か? 自分の目的を果たす為に “ 友達ごっこ ” をしてたって事かよ? 友達のフリをしてたのか? 」
「 そんな事、ワタシが知りますか。マオ、“ 大人の優しさ ” を忘れないでください 」
「 ………………オレは…このドラゴンを許さないぞ! 」
「 はいはい……。続きを読みます 」
ドラゴンさんの容姿が人型に変わると、スライムさんの容姿も変わりました。
スライムさんも人型の姿に転身する事が出来るようになったのです。
人型の姿を得たスライムさんが、あまりにも美しかった為、欲情に駆られたドラゴンさんは無防備なスライムさんを押し倒してしまいました。
スライムさんは無知なので、地面に押し倒されても “ きょとん ” としています。
3000年間、禁欲をせざる終えなかったドラゴンさんは性欲に負けてしまい、友達のスライムさんを襲いました。
然し、相手はスライムです。
人型をしていても所詮はスライムなのです。
スライムさんを強姦する筈だったドラゴンさんは、逆にスライムさんに捕食されてしまいました。
ドラゴンさんを体内に取り込んだスライムさん。
スライムさんの意思とは関係無く、ドラゴンさんの身体はシュワシュワと炭酸のように消化されていきます。
みるみる内にドラゴンさんはスライムさんの体内に吸収されていきます。
数分後、スライムさんの体内にはドラゴンさんの姿も形も綺麗さっぱり消え去っていました。
スライムさんは初めての捕食で、初めて出逢い、初めて友達になったドラゴンさんを吸収してしまったのです。
ドラゴンさんを取り込み、吸収したスライムさんの体が光りを放ちます。
スライムさんは “ ドラゴンスライム ” と進化を遂げました。
DSへと進化をしたスライムさんは、大幅にLVUPを果たしました。
ドラゴンさんが使えていた全ての技を使えるようになったのです。
友達を失いぼっちとなってしまったDSさんは、新たな友達を求める為、地上を目指す事にしました。
最深部に生えている草や花,ピカピカ光る綺麗な石,大量の魔素を含んだ水──等々を飲食しながら地上を目指しました。
途中で遭遇する怪物を倒し、残さず捕食しながら地上を目指します。
捕食をする事で怪物が使う技を使えるようになり、同じ技が統合されると勝手にLVが上がってくれます。
DSさんは捕食すれば、捕食する程、勝手に強くなっていきました。
とうとう、洞窟から出る事が出来たDSさんは、森の中を移動します。
森の中は様々な木々が生い茂り、日光が当たりません。
薄暗い森の中をDSさんは進みます。
森の中は洞窟の中よりも食料が豊富でDSさんは楽しくて仕方ありません。
彼方で捕食──、此方で捕食と食べ放題です。
見た事の無い怪物を捕食する楽しみも有ります。
DSさんは森の中で毎日、楽しく暮らしていました。
森の中で暮らし始めて何百年も経ちましたが、DSさんに友達は居らず、未だにぼっちでした。
遭遇する怪物はDSさんへ敵意を剥き出し、襲い掛かって来る為、話し相手にすらなってくれません。
森の中に生息する怪物の殆んどを捕食し、コンプリートしていたDSさんは、森を出る決意をしました。
森を出る為の新しい冒険が始まります。
「 ちょっと良いかな? 」
「 今度は何です? 」
「 DSってさ、飛べないのか? 」
「 ワタシが知ると思います? 」
「 ………………ずっとスライムの姿なんだよな? 何で人型で動かないんだ? どんだけ強くなってるんだ? 」
「 読み進めていれば分かると思いますけど? 」
「 ドラゴンを吸収しちゃっただろ。“ 番契約 ” って解除されたのかな? 」
「 マオ── 」
「 ご…ごめんって! 色々と気になっちゃって── 」
「 続きを読みます 」
「 う…うん── 」
DSさんは森を出る為に進み続けます。
くしゃみをしたDSさんの左右からドラゴンの翼,背後にドラゴンの尻尾が現れました。
DSさんは左右の翼を動かしてみます。
するとどうでしょう!
DSさんの体が宙を浮きます。
自由に飛べるようになったDSさんは、今迄よりも移動力が大幅に上がりました。
誰からも教えられる事もなく、パタパタと翼を動かしながら、器用に尻尾でバランスを取りながら、DSさんは前へ進みます。
覚えた様々な技を駆使し、敵意と殺意を剥き出して襲い掛かって来る怪物を倒しながら、捕食しながら進みます。
背の高い木々の上へ上がると、森は果てしなく何処迄も続いています。
それはまるで青々とした大海の如く────。
果ての見えない緑々とした森海の上をDSさんは飛び続けます。
「 あのさ──、スライムは洞窟生まれだったよな? 」
「 そうですね 」
「 何で大海を知ってるんだ? 」
「 マオ──、この創作物は第3者視点で書かれています。第3者とは作者の事です。作者視点で書かれた創作物の隅をつつくのはルール違反です 」
「 ルールが有る読み物って何だよ…… 」
「 読者がイメージし易いように敢えて “ 青々とした大海の如く” と書いているのでしょう。何処もスライムさん視点では書かれてませんよ 」
「 そうなんだ…… 」
「 続きを読みます 」
「 うん…… 」
DSさんは大空を支配している手強い怪物にも怯まず、勇猛果敢に応戦し、先へ進み続けます。
DSとなってから強くなった事で、余裕に武力行使で怪物を倒しては捕食していきます。
果てしなく続く常闇に輝く星空の美しさにDSさんの心も弾みます。
心地好い風を切りながら、DSさんの速度は自然に上がっていました。
1ヵ月程経った頃でしょうか、DSさんは食事をする為、森の中で怪物を捕食していました。
その時、人型をした獣族の姿を見ました。
獣族の全身は鱗に覆われています。
様々な色をした鱗が光の反射でキラキラと光っていてます。
とても綺麗で、DSさんは怪物の捕食を中止すると獣族に近付きました。
近くで全身を鱗に覆われている獣族達を見ると、傷だらけで怪我をしているのが分かりました。
DSさんは傷だらけで怪我をしている獣族達の姿を見て、何故か心がチクリ──と痛みました。
チクリ──が何なのか、無知なDSさんには分かりません。
大きな獣族の他にも小さな獣族の姿も視界に入ります。
小さな獣族はとても弱っているように見えます。
動けないのか、小さな獣族は横に倒れています。
とても苦しそうで辛そうです。
DSさんの心がまたチクリ──と痛みました。
DSさんはコッソリと小さな獣族に近付きます。
怪我をしている場所にピッュと体内で内分泌した液体を掛けてみました。
すると、どうでしょう!!
みるみる内に怪我が治り始め、綺麗に完治してしまいました。
傷口も綺麗に消えています。
DSさんは喜びました。
DSさんは、体内で内分泌した液体をピュッピュッ,ピュッピュッと怪我をしている獣族達に次々と掛けていきます。
するとDSさんは、大きな獣族から声を掛けられました。
友好的に声を掛けられたのは、友達になったドラゴンさんの時以来です!
DSさんは嬉しくなり、体をプルプルと震わせました。
DSさんは友達になったドラゴンさんと会話をした時のように “ 念話 ” を使う事にしました。
“ 念話 ” とは種族が異なる者同士が言葉の壁を無視して話せる素晴らしい会話方法である事をドラゴンさんが生前に教えてくれた事でした。
「 種族の異なる亜人族が出来るのだから、怪物同士でも可能な筈だ 」というドラゴンさんの言葉を思い出したのです。
DSさんは大抵の事ならば、出来てしまえる怪物です。
声を掛けてくれた獣族と会話をしたい一心で、DSさんは “ 念話 ” を使いました。
念話は成功しました。
DSさんは獣族と種族の壁と言葉の壁を越えて会話をする事が出来たのです。
DSさんは、大きな獣族達と仲良くなりました。
彼等に出逢う前に体験した些細な冒険の話は、小さな獣族達の心を掴み、大いに喜ばれました。
洞窟の中で生まれた事──、捕食中に深い穴へ落ちてしまった事──、ドラゴンさんと出逢い友達になった事──。
DSさんは話を聞いてもらえるのが嬉しくて、ドラゴンさんとの話に花を咲かせました。
ドラゴンさんと “ 友達契約 ” をした事──、友達契約をした事で、ドラゴンさんと同じ人型の姿に転身が出来るようになった事──、ドラゴンさんと一体化した事──、ドラゴンさんの技を使えるようになり、唯のベビースライムからDSへ進化した事──。
DSさんの話を楽しそうに聞いてくれていた獣族達の様子が一変しました。
何を思ったのか、大きな獣族達は、DSさんの前に両膝を付き、頭を垂れると地面に額を擦り付け始めました。
小さな獣族は大人達の姿を見て “ きょとん ” としています。
DSさんも何が起きているのか分からずに “ きょとん ” としています。
何故かDSさんは、獣族の皆さんから忠誠を尽くされ、崇拝されるようになってしまいました。
その日から、DSさんは獣族の里で暮らす事になりました。
DSさんの為に立派な社を建てられ、獣族達から崇め奉られるようになり、DSさんは信仰の依処となりました。
めでたし めでたし
「 えぇと…………何でDSは獣族達に崇拝される事になったんだ?? ぼっちから卒業が出来たのは良かったと思うけど── 」
「 其処等編は【 ドラゴンスライムの冒険 中編 】で書かれると思いますけど? 」
「 これ、続きが有るんだ? 」
「 今、読んだのは【 ドラゴンスライムの冒険 上編 】ですし 」
「 そうなんだ……。ちょっと続編の内容が気になっちゃうよな。早く読んでくれよ、セロ! 」
「 中編は未だ発売されてませんよ。発売は来年の12月らしいです 」
「 えぇ!? 1年も待たないと駄目なのかよ?! 来年かぁ…… 」
「 ふふふ……。来年のクリスマスプレゼントに買います♪ 」
「 1年も待たされるのにクリスマスまで待てるかよ! 発売したら直ぐ買って、読み聞かせてくれよな! 」
「 はいはい。分かりました 」
【 ドラゴンスライムの冒険 中編 】へ続く?
◎ 訂正しました。
“ ドラゴンスライム ” と進化を遂げました。─→ “ ドラゴンスライム ” へと進化を遂げました。




