表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/18

第1.8話:地震か、運命か?

六人の“ありえない”者たちが古代の遺跡へと引き込まれた時、彼らは世界を生んだ力――ネクサスの砕けた欠片と秘められた絆を知る。


運命に縛られた彼らは、失われた欠片を求めて諸界を旅し、迫り来る影の秩序と「創造」と「破壊」の狭間に挑むこととなる。

夜空はまだ神秘に満ちていた。惑星が見えない糸に吊るされた宝石のように輝いていた。

だが、その美しさの裏で、何かが蠢いていた。


ルメイラの笑顔が消える。胸を押し潰すような重苦しさが広がり、感覚が鋭くざわめく。

彼女は周囲を見回した、その瞬間――ポケットの中で携帯が震えた。


素早く取り出し、耳に当てる。

「はい、ママ?」


受話口から、母の張り詰めた声が響いた。

「ルメイラ……感じるの。何かが……」


「私もよ。」ルメイラは電話を握りしめ、声を潜めた。

「何かの力が――」


ブツッ。

通話はノイズにかき消され、途切れた。


「ママ?……ママ?」

応答はない。


ルメイラはゆっくりと携帯を下げ、眉を寄せる。


「問題か?」ソレスが身を乗り出して尋ねる。


「……ただ、電波がないだけ。」彼女は答えたが、声はかすかに震えていた。


だが、その言葉とは裏腹に、彼女の右耳の下に刻まれた紋章が淡く光り始める。脈打つように。


ソレスの笑顔が崩れる。

「ルメイラ……大丈夫か?」


彼女は光る紋章に触れ、瞳を鋭くした。

「……何かが来る。」


大地が震えた。


ソレスはよろめきながら踏ん張る。

「じ、地震か?!」


***


別の場所。芝生の上で星を見上げていたセウルとゼディが跳ね起きる。


「じ、地震だ!」セウルは身体を支えながら叫んだ。


「タイミング悪すぎだろ……!」ゼディは歯を食いしばり、周囲を見回す。


近くでは、セレネがカメラを抱え込み、倒れかけていた。

「ち、地面が怒ってる!カシャ、カシャ……あぁっ、今は撮ってる場合じゃない!」


「カメラ置けっての、セレネ!」カルミーンが彼女を引き寄せ、身を挺して庇った。


教師たちがマイク越しに叫ぶ。

「学生は落ち着いて!遺跡から離れ、広場へ移動しなさい――急いで、でも秩序を保って!」


しかし、その声より早く、大地から閃光が弾けた。


稲妻ではない。別の何か――霊的な光。心臓の鼓動のように脈打ちながら。


セウルは動きを止めた。体が見えない糸に縛られたように硬直する。

「な、なんだ……!?体が……動かない!」


ゼディが彼に飛びつこうとしたが、自分の手足も固まった。

「おい!俺も……動けねえ!」


カルミーンは必死に前へ進もうとし、足を震わせる。

「くそっ……!セレネ、後ろに下がれ!」


「や、やっぱり幽霊のせい!?」セレネが怯えた声をあげる。


「誰が取らせるか!絶対にお前だけは守る!」カルミーンは光に飲まれながらも、彼女を庇おうとした。


そのとき、ルメイラの紋章がさらに眩しく輝き、地面から溢れる光と共鳴した。


「ルメイラ!」ソレスは彼女に手を伸ばすが、腕ごと固まる。

「ちくしょう……体が……!」


六人の体が、眩い光に包まれ、宙に吊るされる。


そして、大地が裂け落ちた。


彼らは一斉に、遺跡の闇へと呑み込まれていった――。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ