第2話 高熱
ー2026年4月6日ー
まだ、平和だったときの話。
昨年、東京へ引っ越してきた直後、両親が他界した。慣れない一人暮らしに戸惑うことも多いが、それでも毎日を必死に生きている。学校までは電車で4分。通学には困らない距離だ。
「おはよー」
「ぼく、オールしちゃってクソ眠いんだけど」
「バカだろ、おまえ。今日始業式だぞ」
学校に入り、去年と変わらない友達と、去年と変わらない挨拶を交わし、無事始業式を終えた。
新しいクラスで自己紹介を済ませ、SHRも終えたら、あとはいつもどおりパン屋に寄って、帰るのみだ。食って寝て安らかに1日を終える。そんな普通の日々をこれからも...
「なあ、海斗、大丈夫か?」
え? 何?
...髪に芋けんぴでもついてる?
「え、なんか顔赤いよね?ってか熱いよね?顔」
そう言い、俺は額を触られる。
「そうか?俺は別になんとも...」
「今日は早く寝なよ」
「いや、それはお前な」
その後、フランスパンを3人で食べに行き、駅でバイバイをした。改札に定期を乱暴に押し当て階段を降り、駅のホームへ行...
「うッ...うぅ......なんだ、、これ...?」
バカみたいな激痛が、頭を突き抜ける
その場に崩れ落ちた
俺は、このまま、ぽっくり逝っちゃうんじゃないかと
ーーーそう思うくらいに...
近くにいた男性の叫び声が聞こえる。
「おいッ!おまえっ、大丈夫か!」
もう、何が何だか、分からない。視界がぼやけ、体から力が抜けていく
周りにざわざわとした喧騒の中、一筋の声が聞こえる
「おい、しっかりしろッ!!って、なんだこれッ...からだ熱すぎだろ...!!」
俺、死ぬのかな...
もうそこからは何も覚えていない。ただあるのは、抱きしめてくれた男性の身体の冷たさだけ。
誤字脱字等ありましたら教えていただけると嬉しいです。




