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第2話 コンティニューはできません

目が覚めたら全く知らないところにいたっていう経験はありますか?

俺は今、俺のじゃない、かなり豪華なベットの上にいます。


「すーすー」


後、一緒に俺と同い年くらいの女の子が寝てます。しかもこれが美少女。

その女の子の上にギリギリ触れるか触れないかのところで覆いかぶさってる俺は、体がまだ動きません。これではただの変態ですね。

このまま、彼女が起きなければいいのだけど……。つかなんで体が動かないんだよ、しかも女の子の上

で……。


「あれ?」


体が動く。手を動かそうとしてみたら動いた。

本来なら、ひとしきり喜んだあとで、ここを脱出するんだけど、喜ぶことすらできなかった。なぜなら


「ん~?」


勢いあまって、俺の手が彼女に当たってしまったのだ。しかも最悪なことに今俺の手は彼女の胸の上にある。なんか俺の意思に関係なく、指が動いてしまっている。

確実に起きた。しかも目があった。


「あばばばばば」


時間が止まるというのはまさにこのことを言うんだな……。目が合ってから、彼女が動き出すまで約3秒。その時間がとてもスローに見えた。スローすぎて、彼女が剣を握ったように見える。

……あれ?剣……?


「ごふっ!」


いきなりおなかを蹴られた。腹の中の空気が全て吐き出される。気持ち悪い。


「なにしやがる!?」


「あ、あ、あ、貴方こそ私の部屋でなにをしてるんです!?ていうか何者です!?」


気が付いたらここにいて、あなたの胸揉んでました。なんて言えない。


「え~と、実はこの世界を救いにきた勇者なんですよ」


これは事実だ。できるかどうかは別として、俺は本当にこの世界を救いにきた。まぁ客観的に見たらただの頭のおかしい人なんだけど、今の俺はいろいろパニックになってて、そんなことまで考えが及ばない。


「は?」


いままで、真っ赤に染まっていた彼女の顔は、なにか痛い子でも見るような顔になって、俺を見てきた。


「な、なんだよー」


べ、別にそこまで引くことないだろう。ただ、世界を救いに来たって言ってるだけなんだから。

どう見ても変人です。本当にありがとうございました。


「いや、自分で自分こと勇者とかいっちゅう人がこの世に存在するのかと思いまして。」


「ぐっ」


確かに、事情を知らない人が聞いたら、ただの痛い子だな。でも事実なんだもん。


「勇者様なら、もう容赦はしなくてよさそうですね。」


「え?」


いつの間にか彼女は剣を構えている。


「待ってくれ!本当にわざとじゃないんだ。信じてくれ。」


そう、これは本当に真実だ。俺は決して、わざと胸をさわったりしていない。あれは自然の流れというか、神の意志というか、そういう漠然としたもののせいなんだ。揉んでしまったのも俺が童貞だったからで、俺がわるいんじゃない。社会が悪いんだ。


「人にものを頼む時の態度がなってませんね。来世では頑張ってください。」


「誠に申し訳ありません。しかし、本当にわざとでやったのではありません。信じてください。」


俺は思いつく限りできるだけ丁寧に謝りつつ弁明した。


すると彼女はため息を突きつつも話を聞いてくれたみたいだ。


「わかりました。一応信じますよ。」


「本当か!?」


以外にもすんなり信じてくれた。いきなり殺そうとして来たりするけど、案外いい人なのかもな……。


「しかし、私の体を弄んだ代償は償ってもらいます。」


「弄んだって……え?」


その瞬間、早すぎて見えない斬撃が俺を襲った。


それは常人の俺なら、反応すらできないスピードだった。


そう、常人の俺なら……だ。


「よっと。」


「!」


今の俺は、ラファエルから、身体能力の底上げをしてもらっている。これでも、魔王を倒すためにきてるんだ、。人間の、それも女の子の剣なんて避けられないわけがない。


「くっ、変態の癖にやりますね。」


「その変態っていうのやめてくれないか?」


ちょっと傷ついちゃうぜ。同世代の女の子に変態って呼ばれるのは……。


「不法侵入に婦女暴行罪、どっからどうみても、変態じゃないですか。」


「……。」


やべ、反論できねぇ。


「でも、わざとじゃないんだぜ?」


「そうやって、なんでも、わざとじゃない、俺のせいじゃないって言って逃げる人は、私の2番目に嫌いな人種です。たとえ本当に自分のせいじゃなくて、他の人のミスだったとしても、それをかばってあげるくらいの器の大きい人になりなさい。」


「……。」


この子の言うとおりだ。俺は、全部の責任をラファエルに押しつけようとしていた。それで、自分の事を正当化しようとした自分は確かにいた。ここにきてしまったのは、確かに俺のせいじゃないけど、彼女の胸を揉んで、怒らせてしまったのは、確かにここにいる俺自身だ。


「わるかった。確かに俺は、人のせいにして自分を正当化しようとしてた。」


「……ふ、わかればいいんですよ。」


ふうこれでなんとか一件落着かな……。


「では、死んでください。」


今度の斬撃は、油断していたのと、さっきよりも速さがあったせいで、反応できなかった。


「ぐはっ」


俺は、こんなところで死ぬのか。俺を切った彼女の姿がぼんやりと見える。彼女は、ベットに戻っていく

ようだ。くそ、あと少しあと少しなのに……。

あと少しでパンツが見えそうなのに……。

このまま見えないのかと思っていたが、彼女がベットに座った瞬間、


「見えた!」


彼女は一瞬、首をかしげたがすぐ気がついたようで、顔を真っ赤にしながら、俺にとどめをさした。



我が生涯に悔いなし

何ヶ月振りだろう…。更新するのは。


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