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戦隊ピンクに復帰したけど、やっぱり引退したい  作者: 安田景壹
第三章 五代目戦隊の戦い

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五代目戦隊の戦い 12

マシンフェニックス、マシンウンディーネ、マシンタイタンがホムンクルスを追撃。ウンディーネのフリーザービームとタイタンの連続ミサイルがホムンクルスを射線に捉えるも、ネガティブエネルギーがバリア代わりとなってビームの軌道が歪み、ミサイルの照準が乱れ、宇宙空間で爆発する。

 ホムンクルスの腕が振るわれる。躱せない。


「ぐっ!」


 衝撃。アルラウネの機体がきりもみ回転。機体のダメージを示すメーターに警告表示。だが、操縦はまだできる。機体はまだ動く。体勢を立て直せば。


『ロォック――ロォォォック――!』


 ホムンクルスがまたも形態を変化させる。球体のように身体を丸め、中心に妖しく光る巨眼。さらなるネガティブエネルギーの放出発散。奇怪な音ともに、大量の檻が発生する。

 周辺のピースフルが急速に低下。


『時空が歪んでいる!』


 バーニンブルーが全体へ通信を飛ばす。


『駄目だ、このままだとマシンが制御できない!』


 各計器が警告を表示。向かってくる檻の数々を攻撃したいが、時空の歪みによってマシンのバランスが取れない。バリアポッドを撒き散らしながら、エンジンを全開。バランサーを手動制御。機体は右へ左へと著しく傾きを繰り返し、通信機はひび割れるようなノイズを吐き出している。


『フェニックス――炎の力を!』


 バーニンレッドの声が聞こえる。マシンフェニックスがバーニンを大量に展開。宇宙空間に炎の羽根が舞う。


「灯火君!?」


 フェニックスがバーニンの炎に身を包み、弾かれたように飛翔。大量展開されたバーニンによって、次々とプリィズンの檻を破壊していく。


『無茶だ、灯火君!』


 バーニンブラック――夜見君が叫ぶ。歪んだ時空を振り切り、高速移動と攻撃を行うフェニックスのバーニンは急速に消費されている。このままと一分ともたずにエネルギーが尽きる。


『僕が隙を作ります! 皆、早く合体の準備を!』


 絶叫めいた咆哮――ホムンクルスが三度形態を変化させようとしている。ネガティブエネルギーの影響が機体の中にまで入ってくる。虚無。頭に浮かぶ深い闇のビジョン。これは、何だ。あのホムンクルスの感情? 何度も繰り返し地球を破壊するイメージが見える。まずい。機体の操作がおぼつかない。


『何、これぇっ!?』

『バーニンを展開しろ! ネガティブエネルギーに呑み込まれるぞ!』


 今や警報は鳴り止まない。機体は揺さぶられ、アルラウネのバーニン残量も減っていく。クリスタルを三度タップ。スーツのバーニンを展開し、暗いビジョンを振り払う。サブモニターに目をやれば、マシンフェニックスがまだ高速移動しているのが確認できた。


「皆、エンジン全開! フェニックスに近付いて!」


 言うや、私は残ったバーニンを振り絞り、アルラウネをフェニックスの元へと急がせる。


『ぐぅっ!』


 マシンタイタンが動く。次いでウンディーネ、エアリエルも。各マシンとフェニックスの距離が徐々に縮まっていく。


「合体プログラム、起動!」


 アルラウネのメインモニターに合体プログラムが表示。五体のバーニンマシンが合体する完成図が表れる。


『っ、起動!』

『起動!』

『起動した!』


 グリーン、ブルー、ブラックのマシンから合体プログラムの起動を確認――

 フェニックスのみ、未起動。


「灯火君――!」


 真っ白い身体を蛇のようにくねらせたホムンクルスが、マシンフェニックスを追っている。駄目だ。もうバーニンが尽きる。フェニックスの炎が消えていく――


『う、おぉおおっ!』


 最後の檻を砕いたマシンフェニックスが急上昇。ホムンクルスの追跡を振り払う。翼が広がる。白い月が、フェニックスの背後に見えた。


『合体プログラム、起動します!』


 灯火君の声とともに、フェニックスの合体プログラム起動を確認――


「皆、いくよ」


 ――合体シークエンス、開始。


「「「「「爆新合体!!」」」」」


 五体のバーニンマシンが、次々と変形を始める。胴体部となるマシンタイタンからリードレーザーが照射。左脚部となるマシンウンディーネ、右脚部となるマシンエアリエルをそれぞれ引き寄せる。ドッキング。次いでマシンアルラウネが上下に分かたれ、右腕部、左腕部となるべく変形。リードレーザーに引き寄せられ胴体部にドッキング。そして、マシンフェニックスが変形。胸部にドッキング後、頭部パーツを胴体部に接続。


 全マシン交信(コンタクト)。バーニンが合体したマシンの全てに流れ込み、私たちの意識が一つに繋がる。各マシンのコクピットにその肉体はありながら、私たちの意識は合体したマシンそのものとなったかのように操縦が可能となる。


 宇宙に、巨人が立っていた。

 かつて、四度現れ、悪と戦った戦隊チームと同じように。

 巨大な敵と戦うべく、鋼のマシンたちが合体し作り上げる、戦隊の化身。

 ロボ。


「「「「「完成、バーニンジャーロボ!!」」」」」


 今ここに、五代目の戦隊ロボが誕生した。

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