仮タイトル アレ 無知
「はい体調を崩されてからはみるみるうちに痩せ細っていかれました」
「よし早速全職員に着任の挨拶でもしようか!」
「・・・カナヤマ所長・・・先ずは防護服の着用を強くおすすめしますが・・・」
「このオレ様に意見するのか!」
カナヤマは立場を得て独裁者の様な振る舞いをした。
「・・意見ではございませんが・・」
「ならば早く全職員を集めろ」
カナヤマの指示を全職員に伝えるため部屋を後にした。
しばらくして全館放送が流れた。
『全職員の皆さんカナヤマ所長様が着任されました。カナヤマ所長様から新しくご指示がございます。至急Aブロックに集合ください』
Aブロックに職員が集まった。総勢20名誰もが同じ防護服に身を包み誰が誰だかわからない状態だった。
当然防護服には無線及びデータ送受信ができるので館内放送などせずとも誰にも一斉送信ができる。ただカナヤマの感覚に合わせた職員の配慮がこの行動を起こした。
職員同士は個人的なデータのやり取りでひそひそと話をしていた。
(なんで集まるんだ?一斉送信でいいじゃないか?それに全館放送!訳わからないな)
コンコン
「所長全員集まりました」
カナヤマは満面の笑顔で答えていた。
「オイところで、この写真に写っている体格のいい奴・・・」
「はい前任の山下さんです」
「・・・・よし行こうか」
Aブロックに集まった職員を前にカナヤマは伝説のスピーチを行った。
(オイ所長防護服着てないぞ!狂ってるな!オレの防護服は強靭な筋肉だって・・・)
「解散」
「所長これよりこの施設の最も危険なエリアにご案内しますが・・・」
「このまま行こう」
「・・・・」
エレベーターに乗り込み地下深く降りていった。エレベーターには何かのカウンターが数値を示してる。
「オイこのカウンターはなんだ」
「はい危険レベラーです。地下に行けば行くほど危険度が増すので、職員に警告しているのです」
「放射能じゃないんだぜ!バカがこんな大袈裟な」
「到着しました。こちらへ」
エレベーターを降りた二人の前には井桁に積まれた黒色の1m四方の長さ5m程のなにかが異彩を放っていた。
「オイここからあれまでどれくらいあるんだ」
「50mくらいです」
物体から放たれるものから黄色くくすんで見えたからだ。
「なるほどコイツが原因でこの辺り一体が黄色くくすんでいたんだな」
「・・・・・」