食べたくなるほど
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
ほんのりカニバリズムを連想させる描写があるので、年齢してさせて戴いてます。
俺は契約した女と美術館に来ていた。最初は宗教画。延々と連なる聖人を薄ぼんやりと見る。何も思わない。高潔な魂を口で穢すのはさぞかし楽しいだろうが、元々傷付いた者にあまり興味はない。穢すなら、傷を付けるなら、もっと柔らかく、跡が残りそうなものがいい。
「あんた、平気なの? こんな所に来て」
「別に。絵画自体に祝福がある訳じゃない。だからなにも思わん」
隣の女は死んだ目で俺を一瞥した。
呼び出した時から、気高くもなく、美しくもなく、大して壊しがいのない女だった。契約の歳に多少手荒に扱ったが、反応は希薄。ただ軽蔑した目で此方を見据えていた事を忘れない。その時の何とも言えない違和感が、今を繋ぎ止めている。
女が歩き出したので、俺も黙って傍を歩く。次に目を向けたのは、女の絵。ふくよかで、輪郭が柔らかい。女は勝ち誇った顔で、人の生首を抱き締めている。
この時代の絵画の女はどれも良い。輪郭が柔らかく、噛み付けば容易く食いちぎられそうな所が堪らない。あぁ、噛み付いたら、どんな反応を残すのだろうな。
「……相手があんただからこそ言えるんだけど、絵画の女性像って、全体的にふくよかなんだよね。私があんただったら、噛み付きたいとか、思ってたかも」
その言葉に思わず瞳孔が開くのを感じた。そのまま押し倒して、天を仰いでしまいたかった。あぁ、此奴は……。堕ちるまでもなく。
犬歯を剥き出しにして嗤う俺を見て、此奴は疑問符を浮かべて首を傾けた。
「悪いね。腹が減ってるんだ。さっき絵画に描かれていた扉は板チョコに見えた。あぁでも……。食うなら肉がいい。柔らかい肉がいい。木の味がする板なんか興味はないね」
そう言って舌なめずりをした。さながら獲物を見つけた狼の様に。
女の子
悪魔と契約した気だるい子。
淡々した、特に抜きん出た所がない子。
食には忠実。絵画見て無関係な食べ物が浮かぶ程。
裏設定
実は結構歪なものが好き。
天使の本来の姿を見て『美しい』とボヤく程。
男
女の子と契約した悪魔。
誰かの手違いで、この子と契約したのだと思う。
悪魔らしく、高潔なものを穢すことが好き。
本人は気が付いて居ないが、人間離れした思考、趣味の契約者に興味がある。
裏設定
悪魔らしく眉目秀麗。
誑し込むからね。当たり前だね。
ちょっと何言ってるか分からない作者の感想。
美術館に描かれていた絵画、綿菓子みたいでした。
ふわっ。って感じなんですよ。時代を感じます。
現代のイラストって皆、もちもちなんですよね。
それよりも私は扉が白い板チョコに見えました。
黒い板チョコが食べたいです。