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その5

「時間変更の件、承りました。ただこちらも予定外でしたので、私が行けないかもしれません。うちの一色は行きますので、よろしくお願いします」


「わかりました。個人的には佐野さんが来れないのは残念ですが、お待ちしています」


「ありがとうございます」


受話器を置き、千秋はふうと息をつく。

 席を立ち、課長の席の前に立つとコンペの時間が変更されたことを報告する。課長はチカラなく返事をし、がっくりする。


私が会議に出られない理由が失くなってしまった以上、スケープゴート出来なくなったもんね。


今度は一色の傍に行き、電話の内容を伝える。


「あ、じゃあチーフも行けるんですね」


「たぶんね、ただ何があるか分からないから、いちおう行けないって伝えといたわ」


群春の都合で変わったのは癪だが、これで両方に出られる。千秋は追い風を感じた。


 そして数分後、護邸常務の秘書が課長と千秋を迎えにやって来る。課長はスローモーションのパントマイムみたいな動きで立ち上がると、潤滑油のきれた二足歩行ロボットのように歩き始める。


その姿を見た秘書が舌打ちして腕を組み、足をトントントンと踏みはじめ千秋を睨む。


やれやれまたか。


千秋はまた課長の腰を後ろから押す形で、歩みを進めると、まるで介護か電車ごっこのように、3人は常務室へと向かう。




 常務室では護邸常務がすでに会議室に向かう準備を済ましていた。


「行こうか」


 それだけ言うと、4人は会議室に向かう。さすがに課長はちゃんと歩くようになったが、それでも足取りは重かった。


「君たちはここで待ちたまえ。声をかけたら入ってくるように」


大会議室の横にある控室で、千秋と課長と秘書は待機する。


11時過ぎた、会議が始まったようだ。



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