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その3

 少しの間、ボーッとしたあと一色に連絡をいれる。


「あ、チーフ、お疲れ様です。ニュースみましたよ。女性警察官を襲った理由は分かりませんけど、予定通りおおやけの事件になりましたね。おめでとうございます」


 そういやニュース見てなかったな、ノブの事は思ったよりショックだったらしいと今さらながら千秋は感じた。


「もしもし、大丈夫ですかチーフ」


「あ、ああごめん、一色君。大丈夫よ、さっきまで寝ていたから、まだ寝惚けているみたい」


「それならいいですけど。一体何があったんです」


事も終わったことだし、もう話しても良いかと思い一色に何があったか話した。


「ははあ、そんな計画だったんですか。成功して何よりですが、ひとつ分からない事があります」


「なに」


「アリバイ工作だと思うんですが、どうやって防犯カメラに映ったんですか」


「ああ、ただの時間差トリックよ。今回私とハジメを間違わせるため同じ格好をしたんだけど、もう一人の友達、ケイも同じ格好をしたの。まずハジメがトイレから出る、拉致組が追いかける、それを外から見ていたケイが、帰りのコースの一番近い防犯カメラの映るところを通り、それからカメラの無いコースを使って戻る、その間に私は映らないコースを使ってその先の防犯カメラに映るところまで行き、帰るところを映らせたの」


「3人がかりでやったんですか」


「私たちは顔立ちは似てないけど、背格好はほぼ同じなの。高校時代に似たような事をやって悪戯したことがあってね、今回はそれの応用。だから上手くいったの」


「チーフも成功体験がありましたか」


「まあそうね。ああそうだ、例の相手がうちの2割引の価格の裏が解ったわよ」


 千秋がパーティーであった事を一色に話し、だからたぶんこうではないかと伝える。


「なるほど、そんな行き当たりばったりなつもりだとは思いませんでしたね。コンペ負けたらどうする気だったんでしょう」


「私もそう思ったんだけど、今、一色君に話していたらそうでもないなと思い始めたわ。失敗したらやらなくて済むから幾らと言っても問題ないし、成功したら課長の協力というか口利きで仕入れ先と取引しようとしてたから」


「それでもやっぱり、行き当たりばったりな気がします」


「そうね……」


千秋は何か気になる事があったのを思い出しかけていた。


なんか有ったような気がしたんだけど何だっけ、パーティーで助けてくれた謎の女性も引っかかるけど、そうじゃなくて……


「思い出した、キジマよ」


「なんです急に」


「キジマが言ってたのよ、このコンペは出来レースだって」


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