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その3

 キジマは、頭を抱えて机に肘をついて涙声で言う。


「な、なんでこうなっちまったんだ」


 その様子を見て門間は冷たい声で、その問いに答える。


「まあ、確実に実刑だろうから、その答えは刑務所で、じっくりと考えるんだな」





「……て事になったらしいわ」


 出張聴取という名目で、蛍の部屋にいる千秋と蛍に小山が伝えに来た。


「キジマ達逮捕の警察発表があって、ネットニュースで第一報が流れている。あたしが拾ったキジマ達の情報に繋がるのは時間の問題ね」


「5年前の事件にね。あの時の主犯は大学から除名処分されたから、キジマ達もそうなるだろうな」


群春物産かいしゃも退職させるだろうね。オヤジさんの常務も責任とって辞めるらしいよ」


「キジマはまだ否認しているけど、状況証拠は揃っているし他の4人は犯行を認めているから、時間の問題だろうね。それにもう何が何だか分からなくっているみたいで、千秋に蹴られたのどうでもよくなっているみたい」


「それどころじゃないもんね」


「ハジメの方は何か言われた」


「うん、まあ悪いんだけど本当の事を課長に話したわ。だけど黙殺されたの。ただ、誰にも言うなよと釘は刺された」


「予想通りね。千秋に蹴られたかどうかなんて些細な間違いだもの、もしこちらが計画的だったとしても、防衛の為の計画だから何も言われないわ。大事件の容疑者を逃がしたくないもんね。どう、あたしの計画、さすがでしょう」


蛍はニヤニヤしながら2人に、どや顔をする。

はいはいと、小山と千秋は大袈裟に拝んだ。


「じゃ、アタシはかいしゃに戻るから」


小山は またね と言いながら出ていった。残った2人は、あらためて計画の成功にホッとした。


「じゃあケイ、私も帰るわ。明日まで家でゆっくりしてくる」


「お疲れ様、明日は頑張ってね」


千秋を送り出したあと、しばらくして蛍は怪しげな笑いをしはじめた。


「くっくっくっくっ、千秋に手を出すからこうなるのよ、キジマ達の拠り所は父親と一流大学出であることと、一流会社に勤めているということの3つ。それらを全部奪ってやったわ、刑務所行きのオマケをつけてね。あたしの千秋に手を出すとどうなるか思いしったか」


誰にも聞かせられないような声で、蛍は高笑いした。

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