表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
48/196

その2

 皆、自分のスマホでめいめいにマップアプリで場所を確認している。


「ああ、たしかにやりやすそうな感じっすね」


「ここから人気の無いところとなると……、ダメだ、これじゃわからねえな」


「会社の端末で」


「バカヤロウ、会社の端末じゃログが残るだろうが」


「現地に行ってみますか」


「……そうだな、明日の動きは分かっているんだ、ヤるのは明日の夜にするか。今夜は明日の為に下調べにするぞ」


「うっす」


「拉致ったら、いつもの順番でヤる。動画と画像を録るの忘れんなよ。それをネタにコンペをやめさせる、その後はいろいろと役に立ってもらうか、いろいろとな」


キジマが下卑た嗤いでニヤつくと、他の者もつられてニヤついた。


「おっとそうだ、あの女をそこまで誘い込まなきゃダメじゃないか」


「リンチョウにやらせたらどうです」


「リンチョウか……、アイツにやれるかぁ?」


「脅しゃ、必死でやりますよ」


「ふん、そうだな。なにがなんでもそこに連れてくるように言っておくか。じゃあお前、壱ノ宮に行って調べてこい。拉致ったあとやりやすい場所を見つけてこいよ」


「はい」


キジマは何人かに命令したあと、考える。


まったく、なんでこんなことになっちまったんだろ。大学のときの事なんて5年も前の事だろうが、それを今さら掘り返しやがって。おかげで5人まとめて名古屋に来るはめになっちまった。親父に戻りたいって泣きついたら、コンペをお膳立てしたから、それで手柄をたててこい。それを理由に戻してやるなんて言いやがる。めんどくせえ。


 一緒にとばされた他の4人をキジマは見回す、どいつもこいつもキジマの顔色しか見ていない奴らだった。


オレの言うことをきくコイツらにやらせて、働かないつもりだったのに、どいつもこいつも言われたことしかやれねえ。つかえねえ奴らだ。プレゼンの資料つくりなんてはじめてやったよ、このオレがだぞ。それに向こうの情報が手に入るラッキーまであったんだ、コンペは絶対勝つはずだったんだ、なのにジャマしやがって、あのオンナ!! そうだ、あのオンナが悪いんだ、なにもかもあのオンナが悪いんだ、あのオンナのせいに決まっている、セキニンをとってもらうのはトーゼンだろ。土曜の夜が楽しみだな。コイツらは仕事は何にも役に立たないクズだが、こういう事なら役に立つからな。あのオンナめ、楽しみにしていろよ。


泣き叫ぶオンナを想像して、またニヤつくキジマであった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ