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その4

「僕の担当の方は、何か分かりましたか」


 千秋は例のツーショット画像を見せると、それを見て一色は驚く。


「課長と経理のコですね。これは意外な事実ですね」


「やっぱり経理のコなのね。となるとこのコは課長からのスパイということか」


「その情報が課長経由でキジマ達に漏れているとしたら、チーフのプライベートをかなり知られているんじゃないですか」


「そうね、油断しないためにも、ほぼ知られていると思っているわ」


「なに呑気な事を言っているんです。ジムで会っているって言ってましたよね、盗撮とかされているんじゃないですか」


 それはないと、千秋は自信たっぷりに断言する。

 なぜなら普段は千秋の着替えとシャワーと用足しは、蛍の私室を利用しているからだ。荷物も当然、蛍の私室に置いてあるので問題はない。

 たまにロッカー室を使うこともあるが、その時はたいてい女子会員がいない時だった。それを聞いて一色は安心する。


「逆にね、それを知っている私達は、キジマ達に偽情報を流せるのよ」


「ああ、そうですね。なにか考えているんですか」


千秋は悪戯っぽく微笑みながら、計画チャートのとあるページを指差す。


「なるほど、わかりました」


それを知り、一色も悪戯っぽく微笑んた。


「あとはこれ」


千秋は財団側の担当者の資料を見せる。


「付加価値の方だけど、担当者個人相手のも視野に入れて探してくれるかな」


一色はパラパラと3人の担当者の経歴と趣味嗜好をみると、にんまりした。


「ああ、なんとかなりそうですね」


「ホント? どこどこ? 」


一色は担当者の1人の趣味嗜好の欄にある[AA]を指す。


「エーエー?」


「ダブルエーって読むんです、これが突破口です」


 その後、2人は打ち合わせをし、一色が先に会社に向かった。

 会社関係の作戦は今日1日しかない。かならず成功させなくてはと、千秋は一色が残していったトーストと茹で玉子をパクつきながらそう思った。



 9時ちょうどに千秋は企画3課に着く。一色が塚本に話しかけている姿がみえた。


「おはよう、塚本さん」


 塚本は、千秋に気がつくと立ち上がりお辞儀をする。荷物を一旦自分の席に置きにいき、ふたたび2人のそばにいく。


「とりあえず塚本さん、私達付き合ってないからね」


 昨日のメモの件を持ち出すと、塚本は真っ赤になり、それを見て一色と千秋は笑った。


「塚本さんに現状を話しました。協力してくれるそうです」


「ありがとう、塚本さん。心強いわ」


 千秋は塚本の両手をとり、感謝の気持ちを述べた。

塚本はさらに真っ赤になる。

 やっぱり塚本さんは可愛いなと千秋は思った。


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