表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/196

その4

「あんたが立てた計画や作戦が、今まで失敗したことある? 無いでしょ。何故だと思う? あんたが立てたモノは完璧だからよ。それにくわえて、それを実行するのが、私とハジメよ。失敗する訳ないじゃないの」


 千秋は蛍に、まるで駄々っ子に言い聞かせるように、説いて話す。蛍はうんうんと頷きながら、だんだん泣き止む。鼻をかんで涙をふき、顔を拭いた。


「ごめん、ちょっと動揺しちゃった。そうよね、あたしがしっかりしないと、千秋が困るもんね」


「そうよ、あんたが頼りなんだから」


「任せなさい、必ず計画を成功させて、あたしに感謝するようにしてみせるから」


 いつもの口調に戻った蛍にホッとする千秋であった。蛍は立ち上がると、計画のチャートを事務机から持ってきて、千秋に見せた。それに目を通す。


「ふうん、なるほどね。ハジメとハジメの会社の人にも手伝ってもらうのか」


「そ、誰ひとりとして損な役割りはさせないわ」


「襲撃の時間と場所を調整しないとね。最新の情報だと、明日襲う気らしいから」


「え、明日!? なんで明日なのよ」


「週末だからじゃない」


「あ、そうか。年中無休の生活だと、その辺疎いわ」


「それは私がやらないとね」


「手はあるの」


「こういうのはどう」


 千秋は考えを蛍に話した。蛍はそれに合わせて計画チャートを作りプリントする。その間に千秋はノブと一色に連絡を入れた。


「はい、これ。ハジメには迷惑かけない程度に事情を話してあるわ」


「会社の人は動いてくれるかな」


「それはあたしからもフォローを入れておくわ」


 2人はあらためて計画を見つめ直した。都合のいい解釈をしないように、互いに容赦なくつめる。

 小1時間ほど経つと互いに納得できる計画が仕上がった。


「こういうのは久しぶりね、学生時代以来かな」


「研究室ではよくやったわよねぇ」


 蛍が入れたお茶を飲みながら四方山話になる。


「もう遅いけど、今日、泊まっていく?」


「ううん、帰るわ。明日の準備があるから。あ、そうださっき話した最新情報」


 千秋はスマホを取り出すと、先ほど見つけたツーショット画像を見せる。


「誰? この2人は?」


「男の方が、うちの課長。女の方は見覚えない?」


「う~ん……、あ、ひょっとしてあのコ? あんたのストーカー」


「そ、で、たぶん、経理課のコ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ