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その6

「そうすると、課長の行動が理解できないですね。だって自らクビになるために、やっているみたいじゃないですか」


「もう1つ理解できない事を言うと、私が選んだ仕入先に昨日1人で行って、[うちの佐野をよろしくお願いします]って挨拶しているわよ」


「ますます分からない」


「そう、謎が多すぎるの。だからさすがに1人ではできない」


「それで味方ですか、上司と部下なんですから、命令すればいいじゃないてすか、それで済む」


 千秋はかぶりを降りながら答える。


「命令すれば、相手が納得しないことでも、やってもらえるわ。だけどそれだけ。それ以上はできない。私は今、社内の事だけでなく、社外の問題も片付けなくちゃいけないの、私が今ほしいのは、同じ目的のために自立判断できるパートナーなの、それを一色くんにやってほしいのよ」


 千秋の言葉に、一色は真顔になり視線を落とし考え始めた。やがて口を開く。


「僕に何を求めているんです、というかどんな作戦を考えているんです」


「一色くんと塚本さんは、課長が横領しているの知っているわね」


「正確にいうと、証拠は無いけど多分しているだろう程度です」


「どうしてそう思ったの」


「チーフが来る半年前くらいからかな、出かける事が多くなったんですよ。どこかを接待しているらしくて、領収書の処理を頼まれるようになりました」


「今もなの」


「いえ、そういえばいつからか、課長自身でやるようになりましたね。だから使い込みか横領しているんじゃないかと思っているんです」


「それを調べてほしいの、本当の横領犯を特定して、証拠を掴めば課長は失脚するわ、さらにキジマ達の襲撃計画を逆手にとるわ」


「情報漏れの方はどうするんです」


 それはノブとケイに、と言いかけて慌てて言葉をとめる。個人名を出したくない、何と呼べばいいのだろう。


「え~っと、そうそう外注に頼んであるわ」


「外注?  探偵とか興信所みたいなものですか」


「そうそう、探偵よ」


 そう言いながら、探偵かあ、ノブに似合いそうだなと思う。


「横領、スパイ行為はそれで対応するとして、肝心のコンペはどうするんです、襲撃計画を逆手にとると言いましたが」


「私の襲撃計画をやらせる。そしてそれを失敗させて、おおやけにし、コンペの不戦敗を狙う」


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