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その4

「このコがストーカーしていると思ったわけはナニ?」


「千秋は、今年の正月からウチに入会したよね」


 去年の秋に日本に戻ってきて、自宅に住み、会社に通う毎日が年末まで続いた。

 年末年始の休みで、久しぶりにケイとハジメに会い、ゆっくりと過ごした。その時、ハジメがケイのジムに入会していると聞いて、自分も入ることにしたのだ。


「このコは3週間くらい前に入会したんだけど、さっきの会社を隠した事で気になって、調べてみたんだけどね、出席が千秋の出席した日とほぼ同じなの」


 千秋は記憶をたどってみたが、思い出せなかった。よほど印象に無いコだったのだろうか。


「出席日以外にもジム内の防犯カメラの画像をチェックしたんだけど、このコ毎回髪型と服装変えているの。それではっきりしたわ、目立たないように千秋をけていると」


「私、このコに何かしたかな」


「昔みたいに勝手に思い込まれたんじゃない? 高校時代は[おっかけ]なんて言葉ですんでいるけど、今ならストーカー扱いだもんね」


「うー、思い出したくない過去だなー。って、ちょっと待って、3週間前に入会したって言ったわよね」


「なにか心当たりが」


「その頃の変わったことといえば、今やっているコンペのプレゼン、任命された頃よ」


2人は目を合わせた。


「……ただのストーカーじゃないかも知れないのね」


 その時、千秋のスマホに着信があった。相手をみると、今回の商品の仕入先からだった。どうしたんだろうと思いながら千秋は電話にでる。


「はぁい、どうしたの、何かあったの?」


 相手の話を聞いて、うんうん何回か頷いた後、電話を切り、ため息をついた。


「何かあったの」


「例の仕入先にウチの課長が来たんだって」


「はあ? 何しに? 体調が悪くて帰ったんじゃなかったの?」


「[佐野の上司です、この度はありがとうございます。今後ともよろしくお願いします]って言って名刺置いて帰っていったんだって」


 千秋の言葉を聞いて、蛍はさらに混乱した。コンペを成功させたくなくて足を引っ張っていた筈なのに、千秋をよろしくお願いしますだと。何を考えているのか分からなくなってきた。


 千秋も同様である。2人して頭を抱えて悩んでいるところに、ふたたび着信がある。ノブからだった。


「どうしたのノブ」


「あ、姐さん、さっき例のリンチョウ、姐さんとこの課長、キジマ達と会ってましたよ」


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